ケン・ローチの『麦の穂をゆらす風』の試写を見られることになって、iPod にタイトルの元になった唄とチューンの両方を集めたものを入れて聞きながら出かけました。ちなみに唄は独立闘争を鼓舞するいわゆる「レベル・ソング」の典型として有名ですが、同じタイトルのダンス・チューンの方も、たくさんの人が取りあげる定番曲です。

 映画そのものについてはまた別に書こうと思います。まあ、最低でもアイルランドに興味のある方は見たほうがいいです。

 この唄とチューンのプレイリストに入っているファイルは昔入れたものなので、iTunes のデフォルト、AAC 128kbps のファイルのままです。これを Go-Vibe 5 を通して Westone Labs UM-2 で聞いていたんですが、およそ AAC の音ではありません。

 例えば、バンジョーのジェリィ・オコナーの《TIME TO TIME》に入っている版では、バンジョー特有の残響まできれいに聞こえます。この人の演奏は残響を活かす点でアイリッシュのバンジョーでは異色ですが、それがよくわかります。この録音にはこんな音まで入っていたのか、と眼鱗ではない耳鱗(?)。迂闊といえば迂闊ですが、それにしても驚きました。

 ヘッドフォン自体を換えるだけでなく、アンプを加えることでも、聞こえる音のグレードはこれだけ上がるんですねえ。音が変わっても音楽がおもしろくなければ元も子もありませんが、この機械の場合、今のところ、情報量を増やすだけで後はほぼ透明のようです。だから、素材そのものの味が一層はっきりします。

 こうなってくると、より高価な、据置型のヘッドフォン・アンプの音が聞きたくなってきます。値段が高いからといって、また据置型だからといって、ポータブルよりも音が良くなるとはかぎらないのがオーディオの「危ない」ところですが、でも、やはり自分の耳で聞いてみたくなります。ほんとうはいろいろなアンプを取っ換え引っ換え聞き比べたいんですが……。