著作権法による著作権の保護期間を、現在の著作者の死後50年間から70年間に延長しようという動きがありますが、これに対して、ほんとうにそれが必要か、よく議論してから決めようという動きが起きてます。

 この団体は何でもかんでも延長に反対なのではなく、発起人には延長反対から賛成まで、様々な立場の人が含まれています。

 著作権の保護期間はこれまで何度も延長されてきて、著作者の死後50年になっていますが、これまでは表だってはほとんど議論らしいものもなく、決まってきました。なぜ延長するのか、なぜその期間なのか、明確な理由はよくわかりません。むしろ主にアメリカの動きに引きずられているように見えます。

 保護期間の延長を求める人びとは、それによって著作者の活動が刺激される、というんですが、どうも眉唾に思えます。延長を主張しているのが著作権者本人と言うよりは、著作権管理者、つまり著作権の管理でカネを取っている立場の人びとがメインです。ありていに言えば、著作権権益を持っている人びと。著作権ビジネスで食べてる人びとですね。

 インターネットがインフラになって、これまでのような著作権保護が難しくなっていることは確かですが、だからといって、保護期間を長くすれば問題の解決に近づくというものでもないでしょう。

 ぼく自身著作権に基く収入に頼る人間ですが、個人的には50年の期間でも長すぎると思ってます。ぼくの書いてるものや翻訳したものにそんなに長い間守る価値はそもそもないですし、自分の死んだ後50年後に子孫がまだいるかもわかりません。血のつながった子孫でなくても、著作権継承者はいるかもしれませんが、ぼくのたれ流したものにそのころでも価値があって、カネを生んでいるなんてことが万が一あるとして、そのカネを受けとるのが、どこの誰かもわからないのもイヤですね。ましてやそいつらが、他人の残した著作権を「管理」するだけでのうのうとしている連中だとすれば、ふざけるな、と言うものです。

 そう考えると、保護期間の延長はむしろ著作活動の妨げになる可能性もでてきます。

 著作者の死後一定期間著作権を保護すること自体は妥当だと思いますが、70年なんてのは何が根拠であるにしても、長すぎます。

 と、まあ、この書込自体、保護期間延長への議論の一環になるのかな。(ゆ)


 報道の中ではここがたぶん一番詳しい。発起人各自の考えを伝えています。

 朝日新聞の記事


 カネにまつわることのためか、日経も取りあげてます