オーディオ雑誌を買うなどということはもう一生ないものと思っていた。しかし、付録のCDがすばらしい、それもガムランだとか、ベースだとかのオリジナル録音だと聞いては、買わないわけにはいかない。ところが日頃から雑誌を買うという習慣がないものだから、発売日がいつかも知らず、気がついた時にはすでに売切れを何度か繰りかえした。付録CDのおかげか、このところ毎号完売らしい。ようやく、今回は間に合ううちに気がついて、めでたくアマゾンで入手。で、付録はと見ると、をを、谷川賢作。Winds Cafe にも出ているが、不運にして行き違い、いまだに演奏に接していない。気にはなっていたのですよ。で、この Mitatake というのは何モノだ。へえー、まだ若いブルース・ハープとギターのデュオ。これが、本格的な初録音だと。初物好きとしてはいそいそと、聞いたと思いねえ。
こりゃあ。
めっけもんではないか。
このふたり、ちゃんとおしゃべりしている。フットワークも軽いが、どこに立っているかは自覚している。立っている場所がどこかの自覚ではなく、どこであろうと2本の足で立っている。どこにほうり出されても大丈夫。
そして音楽そのものについてはかなり頑固。音楽が生み出す空気が、ふちふなやハンバート・ハンバートあたりに似ている。そういえば、たてたかこにも通じそうだ。どこかで突き抜けている。それも上にというよりは、踏みしめている大地のほうへ突き抜けている。
それにしてもこれだけの実力の持主がまともな録音をまだ出していないというのも、ひょっとすると自覚的かもしれない。録音にまつわるふたりの文章からも、しっかり距離を置いて自分を見られる人たちらしい。いわば慎重になりすぎて、なかなか録音を出さないかれらの録音を世に出すべく、谷川賢作が、あるいはエンジニアの小川洋氏とふたりで仕掛けた、ともいえそうだ。
谷川賢作のピアノも師匠が佐藤允彦だけあって、懐が深く、抽斗も多く、幅が広い。さんざん虐待されている定番曲がこんなに新鮮に聞けるとは。最後の3人のセッションは、確かに谷川氏も書いている通り、 Mitatake 側が遠慮しているところ、こうした形のセッションの経験不足はあるが、それでも音楽としては立派なもので、ぜひトリオでフル・アルバムを作ってほしい。
録音は300人定員の響きの良い小ホールで、2チャン、ワン・ポイント。むろん増幅は一切なし。ホールの空気も楽器として捕えられた、すばらしい音楽のすばらしい録音。
例によって、ゼブラの Popstar 蛍光緑で縁を塗り、ユキムの除電ブラシ SFC SK-2 で盤面を拭き、録音は良いはずなので AIFF の48KHz にして iTune に取込み、初代 MacBook Kro の光デジタル出力から ONKYO SE-U55GX 経由エレキット TG-5882 に AKG K701をつないで聞く。至福かな。
次号、夏号の付録CDはジェゴグだそうだ。正直、オーディオ話は読みたくもないんだが、当分、こういう形のCD付録が続くかぎりは買わねばなるまい。この号にはヘッドフォン・アンプのミニ特集もあって、わが TG-5882 も誉められていたので、まあいいか。これと K701 の組合せはこの頃、実に良いあんばいで、とろけるような音を聞かせる。1年ぐらいしたら、球をグレード・アップする予定。
TG-5882 を誉めていたのは和田博巳氏で、この方、別のコーナーで、これまたひじょうに客観的なコメントを書きつけていたのが印象的だった。つまり、オーディオという趣味は簡単に音が出てはいけない、というのだ。タイムドメインがいわゆるオーディオ・マニアから評判が悪いのは、何よりもこのためだ。それに、前にもどこかで書いたが、タイムドメインにしてしまうと、終わってしまう。機械を変えて、あるいは「使いこなし」をして、音が変わる楽しみが無くなる。むろん、タイムドメインなりに音を突き詰めてゆくことは可能だし、公式サイトの掲示板にはその手の情報がごまんとある。実を言えばゼブラの Popstar も、ONKYO SE-U55GX も、SFC SK-2 もそこで教えられた。しかし、まるで別の音にがらりと変わってしまうスリルとサスペンス(良いほうに変わるとはかぎらない)は味わえなくなる。ああ、良い音を聞いているとは感じなくなる。良い音があたりまえになってしまうのだ。あとはもう、ひたすら音楽を聞くしかなくなる。これは「オーディオ・マニア」にとっては地獄だろう。
しかし、オーディオ・マニアとは呼べなくても、なるべく良い音で聞きたいと願い、そのための手間を惜しまない人間はいる。要はここでもバランスだ。良い音で聞くために費やす資源と、音楽そのものを聞くために費やす資源のバランスである。聞きたい音源は無限にあり、資源、端的に言えばカネと時間は有限である以上、どこかで折合いをつけなければならない。
一番最近に買った「オーディオ製品」といえば、ステップアップ・トランスということになる。KODEN JP-60FP で、100V を 120V に上げる。すると、アメリカの国内用電機製品が、日本のコンセントにつなげるようになる。これで何をつなぐかといえば、MAHA の 9.6V 6P 乾電池用充電器だ。9.6V の 6P 電池は国内ではどこも作っていない。しかたがないから、充電池と電池3個のセットを通販で買っておいた。先日、1個目が切れたので充電しようとしたが、やはり電圧のちがうものを直接つなぐのはヤバかろうと思い直し、ちょっと調べると、こういう人間はやはり少なくないらしく、ちゃんと昇圧トランスが売られている。これを購入しててまずは心やすらかにつないで充電すると、公称より多少時間はかかったが、無事充電終了。これで、わが Go-Vibe 5 は 9.6V で駆動できるめどがついた。Ver. 6 とか、Tomahawk とか、あるいは C&C Box とか、pha も花盛りだが、当面はなにしろ Westone 3 を買わねばならない。これまた、バランスの問題だ。それに Go-Vibe 5 とて、今のところこれといった不満はない。
その Westone 3 はいよいよ今週には正式発売日が発表になるらしい。製品自体も β版は卒業して、FC 段階のようだ。今週末、アメリからカリフォルニアのサン・ホセで開かれるヘッドフォン・マニアのコンヴェンション HeadFest 2007 にはこの FC 版が出品されるそうだ。実際に手に入るのは、やはり早くて今月中、というところだろう。
わが国では知る人ぞ知るの Westone だが、アメリカでは相当な人気で、IEM といえば、Etymotic、Shure、Ultimate Ears とともに、いわば四天王というところらしい。Shure は Westone の OEM とのことだが、音はまったく同じではないという。これに Future Sonic と V-Moda が追いすがっている、という構図か。もっとも、アンプと同じく、IEM 本体でも中国製が参入しているので、この辺もこれからまた百花繚乱になるかもしれない。(ゆ)
こりゃあ。
めっけもんではないか。
このふたり、ちゃんとおしゃべりしている。フットワークも軽いが、どこに立っているかは自覚している。立っている場所がどこかの自覚ではなく、どこであろうと2本の足で立っている。どこにほうり出されても大丈夫。
そして音楽そのものについてはかなり頑固。音楽が生み出す空気が、ふちふなやハンバート・ハンバートあたりに似ている。そういえば、たてたかこにも通じそうだ。どこかで突き抜けている。それも上にというよりは、踏みしめている大地のほうへ突き抜けている。
それにしてもこれだけの実力の持主がまともな録音をまだ出していないというのも、ひょっとすると自覚的かもしれない。録音にまつわるふたりの文章からも、しっかり距離を置いて自分を見られる人たちらしい。いわば慎重になりすぎて、なかなか録音を出さないかれらの録音を世に出すべく、谷川賢作が、あるいはエンジニアの小川洋氏とふたりで仕掛けた、ともいえそうだ。
谷川賢作のピアノも師匠が佐藤允彦だけあって、懐が深く、抽斗も多く、幅が広い。さんざん虐待されている定番曲がこんなに新鮮に聞けるとは。最後の3人のセッションは、確かに谷川氏も書いている通り、 Mitatake 側が遠慮しているところ、こうした形のセッションの経験不足はあるが、それでも音楽としては立派なもので、ぜひトリオでフル・アルバムを作ってほしい。
録音は300人定員の響きの良い小ホールで、2チャン、ワン・ポイント。むろん増幅は一切なし。ホールの空気も楽器として捕えられた、すばらしい音楽のすばらしい録音。
例によって、ゼブラの Popstar 蛍光緑で縁を塗り、ユキムの除電ブラシ SFC SK-2 で盤面を拭き、録音は良いはずなので AIFF の48KHz にして iTune に取込み、初代 MacBook Kro の光デジタル出力から ONKYO SE-U55GX 経由エレキット TG-5882 に AKG K701をつないで聞く。至福かな。
次号、夏号の付録CDはジェゴグだそうだ。正直、オーディオ話は読みたくもないんだが、当分、こういう形のCD付録が続くかぎりは買わねばなるまい。この号にはヘッドフォン・アンプのミニ特集もあって、わが TG-5882 も誉められていたので、まあいいか。これと K701 の組合せはこの頃、実に良いあんばいで、とろけるような音を聞かせる。1年ぐらいしたら、球をグレード・アップする予定。
TG-5882 を誉めていたのは和田博巳氏で、この方、別のコーナーで、これまたひじょうに客観的なコメントを書きつけていたのが印象的だった。つまり、オーディオという趣味は簡単に音が出てはいけない、というのだ。タイムドメインがいわゆるオーディオ・マニアから評判が悪いのは、何よりもこのためだ。それに、前にもどこかで書いたが、タイムドメインにしてしまうと、終わってしまう。機械を変えて、あるいは「使いこなし」をして、音が変わる楽しみが無くなる。むろん、タイムドメインなりに音を突き詰めてゆくことは可能だし、公式サイトの掲示板にはその手の情報がごまんとある。実を言えばゼブラの Popstar も、ONKYO SE-U55GX も、SFC SK-2 もそこで教えられた。しかし、まるで別の音にがらりと変わってしまうスリルとサスペンス(良いほうに変わるとはかぎらない)は味わえなくなる。ああ、良い音を聞いているとは感じなくなる。良い音があたりまえになってしまうのだ。あとはもう、ひたすら音楽を聞くしかなくなる。これは「オーディオ・マニア」にとっては地獄だろう。
しかし、オーディオ・マニアとは呼べなくても、なるべく良い音で聞きたいと願い、そのための手間を惜しまない人間はいる。要はここでもバランスだ。良い音で聞くために費やす資源と、音楽そのものを聞くために費やす資源のバランスである。聞きたい音源は無限にあり、資源、端的に言えばカネと時間は有限である以上、どこかで折合いをつけなければならない。
一番最近に買った「オーディオ製品」といえば、ステップアップ・トランスということになる。KODEN JP-60FP で、100V を 120V に上げる。すると、アメリカの国内用電機製品が、日本のコンセントにつなげるようになる。これで何をつなぐかといえば、MAHA の 9.6V 6P 乾電池用充電器だ。9.6V の 6P 電池は国内ではどこも作っていない。しかたがないから、充電池と電池3個のセットを通販で買っておいた。先日、1個目が切れたので充電しようとしたが、やはり電圧のちがうものを直接つなぐのはヤバかろうと思い直し、ちょっと調べると、こういう人間はやはり少なくないらしく、ちゃんと昇圧トランスが売られている。これを購入しててまずは心やすらかにつないで充電すると、公称より多少時間はかかったが、無事充電終了。これで、わが Go-Vibe 5 は 9.6V で駆動できるめどがついた。Ver. 6 とか、Tomahawk とか、あるいは C&C Box とか、pha も花盛りだが、当面はなにしろ Westone 3 を買わねばならない。これまた、バランスの問題だ。それに Go-Vibe 5 とて、今のところこれといった不満はない。
その Westone 3 はいよいよ今週には正式発売日が発表になるらしい。製品自体も β版は卒業して、FC 段階のようだ。今週末、アメリからカリフォルニアのサン・ホセで開かれるヘッドフォン・マニアのコンヴェンション HeadFest 2007 にはこの FC 版が出品されるそうだ。実際に手に入るのは、やはり早くて今月中、というところだろう。
わが国では知る人ぞ知るの Westone だが、アメリカでは相当な人気で、IEM といえば、Etymotic、Shure、Ultimate Ears とともに、いわば四天王というところらしい。Shure は Westone の OEM とのことだが、音はまったく同じではないという。これに Future Sonic と V-Moda が追いすがっている、という構図か。もっとも、アンプと同じく、IEM 本体でも中国製が参入しているので、この辺もこれからまた百花繚乱になるかもしれない。(ゆ)

コメント
コメント一覧 (4)
「MitaTake with 谷川賢作」
4/25 (水)20:00〜
大塚GRECO
MitaTake(佐野岳彦on Harm&Vo 見田諭on Gr.) 谷川賢作(piano)
¥3000+オーダー
問:GRECO 03-3916-9551
ぜひぜひ、次の機会に。
褒められすぎですが、これからも地に足をつけて一歩一歩やっていきます。
カルロス・ヌニェス、多摩美に来るのですか!私は5月9日にNHKホールへ
うまく言葉にできず、すみません。
このトリオのこれから、ひじょうに楽しみです。
谷川さんのCDもこれから買います。
カルロスは多摩美の鶴岡先生の公開講座に参加するそうです。
NHKホールはもちろん行く予定です。