ついに出ます。奄美の牧岡奈美の新作。昨年夏に6曲入りのサンプラーを聞いて以来、早く出ないかと一日千秋の思いで待ち焦がれていました。そのサンプラーは、iPod のHDの該当箇所がすり切れるのではないかと思うくらい聞いてます。これまでの成果は単なる基礎固め、土台を据えただけだったのです。これは跳んでます。一見ヴォーカルとバックがたがいにまったく独立して音楽をやっているように聞こえます。唄とバックが引張りあい、押しあい、あるいは距離を保ってぐるぐる回りあい、かと思えば、境目もわからぬほどからみあう。その中から、これまたあるいはピーンととんがり、あるいはじわじわと染みだすうた。
うたも楽器のそれぞれも、難しいことは何一つやっていない。少なくともそう聞こえる。一つひとつはごくごく単純な音、単純なフレーズを、ゆるやかに重ねてゆく。隙間の多い、ゆったりと流れてゆく音楽。知らず知らず引込まれてゆく先は、そもそもうたが生まれてくるところ。この世とあの世の間、人のこころと「現実世界」の間にあるが、目にも見えず、触れることもかなわぬところ。ただ、うたを聞くこと、うたに聴き入ることによってのみ、存在を感じることができるところ。そして、このアルバムを聞く功徳は、そのうたの故郷が、他のどこでもない、今、ここにあると実感されること。
サポートは
まやバルー=フルート
森俊也=ベース、ギター
竹田裕美子=ピアノ
あずまけいこ=ヴァイオリン
河西堅=ギター、ウクレレ、マンドリン
ということなんですが、いただいた資料にはパーカッション担当がいないぞ。肝ですよ、こういうアンサンブルでは。しかも、この人、異常にセンスが良い。
収められたうたには牧岡さんの出身地、喜界島の「八月踊り唄」のうちの2曲もある由。「八月踊り唄」がCDに入ったのは史上初だそうです。喜界島といえば、黒糖の銘酒「朝日」の故郷でもありますね。確かに、このCDも「朝日」のように、飲み口はさわやか、飲みこんだあとにコクが残ります。
タイトルは《シツルシマ》。全13曲。05/13発売。ジャバラ・レコード JAB-39。本体価格2,700円。配給はメタ・カンパニー。
うたも楽器のそれぞれも、難しいことは何一つやっていない。少なくともそう聞こえる。一つひとつはごくごく単純な音、単純なフレーズを、ゆるやかに重ねてゆく。隙間の多い、ゆったりと流れてゆく音楽。知らず知らず引込まれてゆく先は、そもそもうたが生まれてくるところ。この世とあの世の間、人のこころと「現実世界」の間にあるが、目にも見えず、触れることもかなわぬところ。ただ、うたを聞くこと、うたに聴き入ることによってのみ、存在を感じることができるところ。そして、このアルバムを聞く功徳は、そのうたの故郷が、他のどこでもない、今、ここにあると実感されること。
サポートは
まやバルー=フルート
森俊也=ベース、ギター
竹田裕美子=ピアノ
あずまけいこ=ヴァイオリン
河西堅=ギター、ウクレレ、マンドリン
ということなんですが、いただいた資料にはパーカッション担当がいないぞ。肝ですよ、こういうアンサンブルでは。しかも、この人、異常にセンスが良い。
収められたうたには牧岡さんの出身地、喜界島の「八月踊り唄」のうちの2曲もある由。「八月踊り唄」がCDに入ったのは史上初だそうです。喜界島といえば、黒糖の銘酒「朝日」の故郷でもありますね。確かに、このCDも「朝日」のように、飲み口はさわやか、飲みこんだあとにコクが残ります。
タイトルは《シツルシマ》。全13曲。05/13発売。ジャバラ・レコード JAB-39。本体価格2,700円。配給はメタ・カンパニー。
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