「STAX Unofficial Page」の「日記」12/01 の項に

導入したハードの特性に購入するディスクが影響されるのがオーディオ。

とあるのは、
「オーディオ」の定義として本質を突いている。

 それでは、

聞くディスクに導入するハードが影響されるもの

は何と呼ぶべきか。

 「オーディオ」を追究するわけではないが、
できるかぎり「良い音」で愛する音楽を聴きたい。
この場合「良い音」の定義としては、

楽にきける音((c)川村龍俊)

がベストだ。
「脳内変換」など必要ない音。
いつまでもきいていられる音。
音楽に没入できる音。
ディテールと全体像が同時によくきこえる音。

 もうひとつ大事な条件があって、
安価であること。
なにせ、音源のほうにカネをつぎこむのだから、
ハードにそんなにカネをかけられない。
ウン百万などというのはもっての外、
できるだけ1ユニット10万以内でおさえたい。

 今のところ、
われわれがふだん聞いている音楽で
この条件に応えてくれるのが
タイムドメイン式。

 今のところ、
スピーカーにしても、
イヤフォンにしても、
ダイナミック型では
これ以上のものはない。

 とはいえ、
もうひとつ試したいのは
スタックス。
MET の栗田さんも
あれはいいですよ
と言っていた。

 だから、上記のサイトなど、
ちょくちょく覗くことになる。


 MET と言えば、
先日 Jupity を聞かせてもらったときの「実験」で
ヘッドフォン・アンプを噛ませるは
スピーカーでも効果があったので
うちでもやってみる。

 MacBook 黒の光出力から ONKYO SE-U55GX(B) に入れる。
ちなみにこれについているヘッドフォン端子は
あまり質がよくない。
後ろのライン・アウトから Elekit TG-5882 につなぐ。
真空管はデフォルト。
ケーブルは昔出ていたMIT の廉価版 Terminator 2。

 正面のヘッドフォン端子ミニ・プラグに
TIMEDOMAIN light をつなぐ。

 音源は iTunes で、
ファイル・フォーマットは Apple Lossless または AIFF 48KHz。

 これがなかなか良い。
Jupity301 にも肉薄、
とまではいかないが、8割ぐらいまでは迫ろうか。
スーザン・マッキュオンのヴォーカルとか、
田村拓志&柏木幸雄のデュオとか
であれば、もう文句はなにもない。
ただ、ほれぼれと聞くばかりだ。

 それでは、
とザッパを聞いてみると、
やはり物理的限界が見える。
ルース・アンダーウッドのヴィブラフォンの高域の抜けが
ほんのわずかだが、もの足らない。
余韻の消え方はきれいだが、
Jupity より線が細い感じがする。
〈拷問は終わらない〉の後半、
フル・バンドで大音量の箇所にかかると
うーむ、がんばってるねえ、とけなげさがかわゆくなる。

 ライナー&シカゴ響の《シェヘラザード》第4楽章。
うーむ、フル・オケのマッスのところはやはり苦しい。
シンバルがしゃりしゃりするのも低域に余裕がないためか。
それでも、音楽の「形」はきちんとしていて、
エネルギーは伝ってくる。
音楽としてきこえるし、
それによって感興も湧いてくる。

 バッハ・コレギウム・ジャパンの《ブランデンブルク》6番。
これはもう、嬉々としてうたっている。

 なお、スピーカーから耳までの距離は1メートルもない。
6、70センチぐらい。
また、机の手前の端において、
机の面からの反射が無いようにすると、
空間が広くなる。(ゆ)