この制度にいくつもある問題点のひとつは、まっとうに CD や DVD を購入し、そこですでに著作権利用料を払っている人間に、もう一度、著作権利用料を払わせるものであります。しかも、この二度目に払う利用料は、徴収のシステムからして、利用者が「利用」した著作物の著作権者に最終的に払われるとはかぎりません。むしろ、まったく無関係な人間(たち)に払われる可能性の方がはるかに高い。つまり、対価を払って著作物を利用するという著作権制度本来の趣旨から離れた制度です。

 と確認してみると、これって、税金で作ったはずの道路を利用するのに、もう一度利用料を、それも半端じゃない額の利用料を払わされている現行の有料道路制度とダブって見えますね。

 こうなると採算を度外視して作った「赤字」路線を東名をはじめとする「黒字」路線がカヴァーするという構図も似てくるんじゃないか。確か有料道路は原価を回収したら無料化されるんじゃないでしたっけ。

 そう思うと、「iPod」や HD レコーダーはまさに「東名」そのもの。これからも状況の変化によってどんどん対象が拡大されるんじゃないか、という JEITA の危惧は当然でしょう。

 いやまあ、人間の考えることなんて、みんな同じとはいうけれど、ここまで似てると、意識的にやってるんでないかと勘繰りたくなります。(ゆ)