ちょいとおもしろいニュース

    ユーザ、つまり読者の側からすると、これは良いことである。この弁護士さんの言うとおり、「死蔵」されるよりも、どんどん検索・利用させてもらう方が、本も喜ぶというものだ。横断検索することで、従来考えられなかった発見もされるだろう。

    著作権料の徴収・支払いの体制もアメリカ主導で進むとすれば、ひょっとするとわが国の既存体制に風穴が穿く可能性も出てくるかもしれない。
   
    絶版本をアメリカに送って、検索対象にしてもらう、なんていう運動ないし商売はどうだろう。復刊希望を集めるよりもてっとり早く、中身が読めるようになるはずだ。「アメリカ国内」というのが、軍基地も含まれるならば、わざわざ本土にまで送る必要すらない。
   
    なかには、おれの、わたしの本は、絶対にそんなものの対象にはさせぬ、と頑張る著作権者がいてもいい。それはそれで貴重な存在になるかもしれない。世界のすべてがグーグルの傘下に入ることは問題だ。


2009-02-25 追記
    読売新聞も報道。

    こちらの方が内容がくわしい。全文検索は今のところアメリカ国内からしか利用できないらしい。
   
    三田誠広はあいかわらず後ろ向きのことを言ってますが、日本語の新刊がアメリカ国内でそんなにたくさん読まれると本当に信じているのかしらん。本当に読まれるくらいなら、もっと日本語の本が売れてもいいだろうし、翻訳もされるだろうに。タダで読めるようになれば、アメリカ人が急に日本語に興味をもつとか、読めるようになるとか言うんじゃないでしょうな。グーグルは著作権者には使用料を払うといってるんだから、そのまともな分配方法を確立するほうがよっぽど著作権者の利益になるはず。
   
    もっとも、この全文検索サービスもいずれは全世界に拡大はされるでしょう。その時のことを心配しているのかもしれんが、このネット時代、中身も見せないでソフトを売ろうという商売はもう不可能じゃないですか。ひと足先にネット販売が本格化しているAVソフトのほうでは、フリーのサンプルを視聴可能にするのはあたりまえになってる。
   
    時代錯誤のケチなことをしてると、日本語の本なんて誰も読まなくなるぜ。


2009-02-27 追記
    CNET Japan が「日本書籍出版協会、グーグル書籍検索問題に関して解説と翻訳文をサイトに掲載」として、さらに詳しい内容を報道してます。
   
    著作権者がとりうる選択肢として五つあげられてますが、実質的にはグーグルの検索対象になることを承諾するかどうか、でしょう。
   
    そして現状では、グーグルの検索対象に入らないことは、ネット上では存在しないことになります。それが良いか悪いかはまた別ですが、現状がそうなっていることは、認めざるをえません。ネット上で存在が認められなくても、小説などはかまわないでしょうが、その他のノンフィクションや各種の記録、資料、史料、学術関連、リファレンス等々では致命的です。結局、「ノー」と言えるのは、エンタメ系を中心とした一部のフィクションに限られるんじゃないでしょうか。
   
    もうひとつ、この騒ぎは「情報が媒体から解放」されたための余波のひとつでもあります。媒体から解放された情報の前には、国境は溶解してしまうんですね。著作権自体は昔からあるわけですが、その使われ方が劇的に変化している。そのことに著作権者側がついていけていない。この変化は今後どんどん進みこそすれ、後退することはないので、著作権者が意識を変えてゆくしかない。この「世界恐慌」でも、むしろ変化の速度が早まるかもしれません。