作家のコリィ・ドクトロウがブログ Boing Boing にこんな記事を載せてます。

    以下に記事の内容を要約してみます。


    コリィが引用しているグラフのオリジナルはタイムズ紙のウエブ実験室 Times Labs のブログに載ったもの。お手数ですがグラフそのものはどちらかのサイトを参照してください。

    この「レコード産業が見られてほしくないグラフ」は英国の音楽産業の収入の2004年から2008年までの推移を示してます。ソースは BPI(The British Recorded Music Industry) と PRS for Music(英国のJASRACに相当するもの、らしい)で、左側の金額の単位は千ポンド。

    示されているのは、レコード、ライヴ、そして PRS、つまり音楽が公に使用されたことで派生する印税。これが音楽産業の収入の三本柱です。
   
    グラフでは一番上の赤い折れ線がレコードからレコード会社が得た収入。
    次のブルー・グレーがミュージシャンがライヴから得た収入。
    3本目の緑がPRSからの収入。
    4本めのグレーがレコードからのミュージシャンの収入。
    5本めブラウンがライヴからプロモーターが得た収入。

    なぜ、ライヴからの収入が急増しているかについては、現時点では不明としています。ただ、2009年にはミュージシャンがライヴから得る収入が、レコード会社がレコードから得る収入を上回ることは確実です。
   
    はっきり言えることがふたつ。ライヴからの収入の増加傾向は鈍る傾向を見せていないこと。そしてミュージシャンにとっては、ライヴの方が遥かに儲けが多いこと。チケット売上から得る取り分が大きいため。
   
    タイムスのサイトにはもうひとつ、英国音楽産業全体の総収入の推移を示したグラフがあります。それによると、産業全体での総収入は、わずかずつではありますが、増加しています。
   
    ということは、「非合法ダウンロードの増加によって音楽産業が被害を受けている」と言うとき、実際には音楽産業のうちレコード会社が主に被害を受けている、ことを意味します。


    コリィ・ドクトロウはもうひとつ、著作権問題にひきつけて問題提起をしています。

    著作権法は過去に成功していた者に引き続き成功を保証するためのものか、それとも、誰かが成功することだけを保証していれば十分か。
   
   
    以上はあくまでも英国の事例です。アメリカやわが国ではどうなっているのか、ぜひ知りたいところです。(ゆ)