
この人も生年が明らかでない。というより、バイオグラフィ情報が極端に少ない。作品の内容からしてダブリン子ではあるだろう。現在はダブリン在住。
デビューは1995年、The Dancer。ここから、The Gambler (1996)、The Gatemaker (2000) と続く「ダブリン」三部作で名を挙げる。これは第一次世界大戦前から1953年までのダブリンを、ある家族を通じて描いているらしい。その次の著書がこれ。短篇作家としての評価も高いようだが、短篇集はまだ無い。著書としては 最新長篇 Last Train from Liguria (2009) がある。
この本は小説と回想録を融合したものとして高い評価を受けた。1964年から74年までのダブリンを舞台に、開幕時5歳の女の子タティの愛称を持つキャロラインの一人称で語られる、ある中流家族崩壊の物語。
読む人によって毀誉褒貶の激しい人で、まるで正反対の評価が出ている。本書はベストセラーにもなり、この年の Irish Book Award の最終候補にもなっているが、その賞の最終候補を論評するサイトではくそみそにこきおろされている。それだけはまるかはまらないかがはっきり別れるのだろう。(ゆ)
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