本日は本誌一月通常号の配信予定日ですが、諸般の事情により、配信が遅れます。今回は3日ぐらい遅れるかもしれません。
   
   
    昨年、「ゼロ年代のベスト本」の候補作を調べていたときにも思ったことですが、アイルランドは児童書の分野ではすぐれたファンタジイも少くないのに、児童書の枠をとりはらった、いわば大人向けとなると、ファンタジイやSFはほとんど見当たらないんですね。アイルランド出身のSF作家というとボブ・ショウとテッド・ホワイトぐらいで、住んでいる(いた)人も加えてもハリィ・ハリスンとイアン・マクドナルドとジェイムズ・ホーガン。それだけいれば十分じゃないかという向きもあるかもしれませんが、お隣り英国は別としても、カナダや最近のオーストラリアの隆盛をみると、アイルランドどうした、と言いたくもなります。いや、アイルランドはフェアリーが生きてる国かもしれませんが、アイルランドの人びとの気質は決して「文系」に偏っているわけではないです。ファンタジイにしても、あまりにあちらが近すぎるのか。ダンセイニの衣鉢を継ぐような人は、ちょっといません。バブルの夢も醒めたでしょうから、もう少しすると出てくるかな。(ゆ)