家族の都合で退院してから抗がん剤の投与の無いときは横浜の青葉台で暮らしている。結婚当初しばらく住んでいたが、それから四半世紀も経つと街の様子もがらりと変わっている。人口が増え、施設も増え、いろいろ便利になったようで、肝心の質がついていない。ように見える。
そういう中で外見も変わらず、商品の質も変わらずにいてくれる店があるとまた嬉しい。コペというパン屋。
以前住んでいたのはこの店の筋向いで、店自体もできて間もない頃だったはず(店としてのオープンはもっと前で、あそこに移転してきたのとぼくらの転居がほぼ同じ頃らしい)。ある日、ふと気がついてパンを買ってみてびっくり。いや、うまいのなんの。それも、一番単純な食パンのうまさたるや、これに匹敵するものは、その後、他では食べたことがない。青葉台には PAUL もあって、チェーン店の中では断トツにうまいとは思うが、コペにはかなわない。
交叉点を渡ったところだったから、日曜の朝など、ゆっくり起きて買いにゆき、塊で買ってきたまだ暖かい食パンを厚めに切ってなんにも付けずにかぶりつく。これが至福の時だった。パンとはこんなにも旨いものか、と教えられた。いくらでも食べられる。一斤まるまるペロリも軽い。しかも値段が高くない。むしろ安いくらいだ。
旨くていくらでも食べられると思ったのは、他にはホテル・オークラで義弟の結婚披露宴に出た丸いフランス・パンだけ。うちの子どもたちはまだ小学生だったが、旨い旨いと何個もおかわりをしたあげく、メイン・ディッシュを食べられずに残した。
コペにももちろん他にもいろいろパンはあって、各種フランス・パンもあるし、菓子パンもあるが、とにかく一番ふつうの食パンのあまりの旨さに他のものはほとんど食べたことがない。蕎麦屋のモリ、寿司屋のタマゴ、そしてパン屋の食パン。
だから後に子どもが生まれてアンパンマンを見るようになった時、なんで食パンが主人公でないのだと怒ったものである。そりゃ、ぼくもアンパンは大好きだ。食品としてあれは傑作だとも思う。しかし、ヒーローはないだろう。だいたいアンパンマンは頭が悪すぎる。最後の解決がいつも暴力というのもいただけない。
ヒーローとはそういうものだという議論もあるかもしれないが、ものには許容範囲というものがある。放射能汚染の「安全基準」とは違って、都合に合わせて勝手にゆるめてはいけない。
それはともかく、もし近くに住んでいて、まだ行ったことがないのなら、一度はコペの食パンを食べてみるべし。駐車場は少ないし、交叉点の角だから、歩いて、あるいは自転車で行きませう。
コペを知って唯一のマイナスは、歩いていける近くに猛烈にうまいパン屋があるのがあたりまえになってしまって、無い場合に強烈なストレスが溜まること。厚木の南毛利にはまっとうなパン屋がなく、駅前まで行かないとありつけない。車を持っていた頃は森の里の森の小径によく行ったけどね。
厚木もわが国の例に漏れず、「中央集中」が烈しい。すべてのバス路線は本厚木駅前に集まる。横をつなぐ公共交通機関はタクシーだけだ。
本厚木駅前で今一番旨いのは、図書館の入っている建物の一階にあるマカロニ市場。本店が小田原というローカル・チェーン店。食パンもまずまずだが、今はチョココロネがマイブーム。
そういう中で外見も変わらず、商品の質も変わらずにいてくれる店があるとまた嬉しい。コペというパン屋。
以前住んでいたのはこの店の筋向いで、店自体もできて間もない頃だったはず(店としてのオープンはもっと前で、あそこに移転してきたのとぼくらの転居がほぼ同じ頃らしい)。ある日、ふと気がついてパンを買ってみてびっくり。いや、うまいのなんの。それも、一番単純な食パンのうまさたるや、これに匹敵するものは、その後、他では食べたことがない。青葉台には PAUL もあって、チェーン店の中では断トツにうまいとは思うが、コペにはかなわない。
交叉点を渡ったところだったから、日曜の朝など、ゆっくり起きて買いにゆき、塊で買ってきたまだ暖かい食パンを厚めに切ってなんにも付けずにかぶりつく。これが至福の時だった。パンとはこんなにも旨いものか、と教えられた。いくらでも食べられる。一斤まるまるペロリも軽い。しかも値段が高くない。むしろ安いくらいだ。
旨くていくらでも食べられると思ったのは、他にはホテル・オークラで義弟の結婚披露宴に出た丸いフランス・パンだけ。うちの子どもたちはまだ小学生だったが、旨い旨いと何個もおかわりをしたあげく、メイン・ディッシュを食べられずに残した。
コペにももちろん他にもいろいろパンはあって、各種フランス・パンもあるし、菓子パンもあるが、とにかく一番ふつうの食パンのあまりの旨さに他のものはほとんど食べたことがない。蕎麦屋のモリ、寿司屋のタマゴ、そしてパン屋の食パン。
だから後に子どもが生まれてアンパンマンを見るようになった時、なんで食パンが主人公でないのだと怒ったものである。そりゃ、ぼくもアンパンは大好きだ。食品としてあれは傑作だとも思う。しかし、ヒーローはないだろう。だいたいアンパンマンは頭が悪すぎる。最後の解決がいつも暴力というのもいただけない。
ヒーローとはそういうものだという議論もあるかもしれないが、ものには許容範囲というものがある。放射能汚染の「安全基準」とは違って、都合に合わせて勝手にゆるめてはいけない。
それはともかく、もし近くに住んでいて、まだ行ったことがないのなら、一度はコペの食パンを食べてみるべし。駐車場は少ないし、交叉点の角だから、歩いて、あるいは自転車で行きませう。
コペを知って唯一のマイナスは、歩いていける近くに猛烈にうまいパン屋があるのがあたりまえになってしまって、無い場合に強烈なストレスが溜まること。厚木の南毛利にはまっとうなパン屋がなく、駅前まで行かないとありつけない。車を持っていた頃は森の里の森の小径によく行ったけどね。
厚木もわが国の例に漏れず、「中央集中」が烈しい。すべてのバス路線は本厚木駅前に集まる。横をつなぐ公共交通機関はタクシーだけだ。
本厚木駅前で今一番旨いのは、図書館の入っている建物の一階にあるマカロニ市場。本店が小田原というローカル・チェーン店。食パンもまずまずだが、今はチョココロネがマイブーム。

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