今日は雲があるので、陽射しが遮られる。が、風はあきらかに秋の風。
気温が高いので蝉たちは元気。ひさしぶりに油の声も聞こえる。が、数は激減。法師蝉ばかりきわだつ。土曜日は近くの小学校の運動会で、時おり激しい雨が降るなか、朝から大騒ぎだったが、今日は蝉の声があたりの静けさを強調する。
先日から調子づいたので、朝から仕事したい気分が湧いてきて、午前中、かなり集中できた。今やっているギネス本の第三章、十九世紀末から二十世紀初めにかけてギネス醸造所の専属医師だったジョン・ラムスデンなる人物の事績は、なかなかに泣かせる。とりわけ、章の掉尾を飾る、第一次世界大戦直前から最中にかけてアイルランドが体験した暴力の嵐の中で、敵味方なく負傷者の手当をするため、銃弾もものともせず最前線に飛びこんでゆく医師の姿には、訳しながら覚えず目頭が熱くなった。ついには片手に白旗、片手に医師鞄を下げて駆けこんでくる医師の姿を見ると、皆、射撃を控えるようになる。そして、自分たちの国のより良い未来の可能性をその姿に垣間見るのだ。
もっともこれはラムスデンの事績としてはむしろ枝葉末節に属するもので、かれの業績の本分は、ギネス社の従業員やその家族、工場の近隣住民たちの居住環境の改善と公衆衛生の向上だ。
調子に乗っていつもの倍ちかい量をこなす。いつもこういう調子で行けば、来月末脱稿の予定は守れるかもしれない。抗がん剤の副作用の出方にもよるが。
先週に入って手足の先の痺れが強くなっている。その前まではそれほど感じなかったのは、本来とは逆のような気もする。首まわりの痒いのはようやく軽くなってきたが、あちこち入れ替わり立ち替わり痒くなるのはあいかわらず。これも副作用か。
ドス・パソスのスペイン紀行『ロシナンテ再び旅に出る』を読む。内戦前、両大戦間のスペイン。この人もアメリカ人として生まれながら、アメリカからははみ出してしまった者の一人。『U.S.A.』 のような本を着想し、書けたのも、そのおかげではあろう。
そのはみ出し方はアメリカ人にしかおそらくできない。この人の生涯そのものが数奇ではある。生まれたのはシカゴのホテルで、幼少の頃はヨーロッパのホテルを点々として育ち、その生涯のほとんどを旅から旅を続けて過ごした。かれにとって故郷は具体的な場所ではなく、いうなれば「アメリカ」という抽象概念だったろう。むしろ旅そのものが故郷だったかもしれない。
両親はともに既婚者で、つまりドス・パソス本人は「不倫の子」だ。アメリカどころか、「世間」からはみ出して生まれた。生まれた時、母は42歳、父はその10歳年長。19歳で母を、21歳で父を失う。兄弟姉妹はない。良い伝記が読みたい。
アメリカからはみ出したアメリカ人としては、他にはコードウェイナー・スミスがいる。ブルース・スターリングがいる。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアがいる。ルーシャス・シェパードも数えていいかもしれない。
作家にははみ出し者が結構いる、というよりはどこかではみ出していないと作家にはならない。ミュージシャンではあまりいないように思える。マイルス・デイヴィスもデューク・エリントンもフランク・ザッパもジェリィ・ガルシアもボブ・ディランも、あるいはジョン・ケージも、とことんアメリカ人ではある。
はみ出してしまった者は音楽には行かないのかもしれない。同じパフォーマンス芸でも演劇やダンスや曲芸に行くとも思える。
JAVS nano/V はパスパワーだが、かなりパワーを喰うようで、MacBook Pro ではバッテリーだと音が悪くなる。バッテリーの減りも速い。電源をつないで使うのが基本。
DAC など、つなぎっぱなしにしていると、音が悪くなることがある。USB のジャックを換えると回復する。USB につなぐ時は他の USB 接続はしない方が良いらしい。TimeMachine にライブラリを置いて、無線で飛ばす方が音が良いという話もある。
ダギー・マクリーンがあらためてマイ・ブーム。昨年久しぶりのオリジナル新作が出ていた。届くまでの復習に、新しい方から一枚ずつ聞き直す。(ゆ)
気温が高いので蝉たちは元気。ひさしぶりに油の声も聞こえる。が、数は激減。法師蝉ばかりきわだつ。土曜日は近くの小学校の運動会で、時おり激しい雨が降るなか、朝から大騒ぎだったが、今日は蝉の声があたりの静けさを強調する。
先日から調子づいたので、朝から仕事したい気分が湧いてきて、午前中、かなり集中できた。今やっているギネス本の第三章、十九世紀末から二十世紀初めにかけてギネス醸造所の専属医師だったジョン・ラムスデンなる人物の事績は、なかなかに泣かせる。とりわけ、章の掉尾を飾る、第一次世界大戦直前から最中にかけてアイルランドが体験した暴力の嵐の中で、敵味方なく負傷者の手当をするため、銃弾もものともせず最前線に飛びこんでゆく医師の姿には、訳しながら覚えず目頭が熱くなった。ついには片手に白旗、片手に医師鞄を下げて駆けこんでくる医師の姿を見ると、皆、射撃を控えるようになる。そして、自分たちの国のより良い未来の可能性をその姿に垣間見るのだ。
もっともこれはラムスデンの事績としてはむしろ枝葉末節に属するもので、かれの業績の本分は、ギネス社の従業員やその家族、工場の近隣住民たちの居住環境の改善と公衆衛生の向上だ。
調子に乗っていつもの倍ちかい量をこなす。いつもこういう調子で行けば、来月末脱稿の予定は守れるかもしれない。抗がん剤の副作用の出方にもよるが。
先週に入って手足の先の痺れが強くなっている。その前まではそれほど感じなかったのは、本来とは逆のような気もする。首まわりの痒いのはようやく軽くなってきたが、あちこち入れ替わり立ち替わり痒くなるのはあいかわらず。これも副作用か。
ドス・パソスのスペイン紀行『ロシナンテ再び旅に出る』を読む。内戦前、両大戦間のスペイン。この人もアメリカ人として生まれながら、アメリカからははみ出してしまった者の一人。『U.S.A.』 のような本を着想し、書けたのも、そのおかげではあろう。
そのはみ出し方はアメリカ人にしかおそらくできない。この人の生涯そのものが数奇ではある。生まれたのはシカゴのホテルで、幼少の頃はヨーロッパのホテルを点々として育ち、その生涯のほとんどを旅から旅を続けて過ごした。かれにとって故郷は具体的な場所ではなく、いうなれば「アメリカ」という抽象概念だったろう。むしろ旅そのものが故郷だったかもしれない。
両親はともに既婚者で、つまりドス・パソス本人は「不倫の子」だ。アメリカどころか、「世間」からはみ出して生まれた。生まれた時、母は42歳、父はその10歳年長。19歳で母を、21歳で父を失う。兄弟姉妹はない。良い伝記が読みたい。
アメリカからはみ出したアメリカ人としては、他にはコードウェイナー・スミスがいる。ブルース・スターリングがいる。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアがいる。ルーシャス・シェパードも数えていいかもしれない。
作家にははみ出し者が結構いる、というよりはどこかではみ出していないと作家にはならない。ミュージシャンではあまりいないように思える。マイルス・デイヴィスもデューク・エリントンもフランク・ザッパもジェリィ・ガルシアもボブ・ディランも、あるいはジョン・ケージも、とことんアメリカ人ではある。
はみ出してしまった者は音楽には行かないのかもしれない。同じパフォーマンス芸でも演劇やダンスや曲芸に行くとも思える。
JAVS nano/V はパスパワーだが、かなりパワーを喰うようで、MacBook Pro ではバッテリーだと音が悪くなる。バッテリーの減りも速い。電源をつないで使うのが基本。
DAC など、つなぎっぱなしにしていると、音が悪くなることがある。USB のジャックを換えると回復する。USB につなぐ時は他の USB 接続はしない方が良いらしい。TimeMachine にライブラリを置いて、無線で飛ばす方が音が良いという話もある。
ダギー・マクリーンがあらためてマイ・ブーム。昨年久しぶりのオリジナル新作が出ていた。届くまでの復習に、新しい方から一枚ずつ聞き直す。(ゆ)
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