今回はなかなか辛かった。入院中はまずまず眠れましたし、例によって便秘にはなったものの、退院する金曜日朝には便も出て、まあいつもの通り。ところが家に帰ってからダメージが来ました。土曜日はほとんど終日寝ていました。日曜日になって少し楽にもなったので、体を動かした方が良いかと午後から駅前まで買物に出たりもしましたが、効果はあまりなし。今週になってからもずるずる残る感じで、正直、今日になってもまだ引きずっています。
あるいは吐き気が強くなってきたのかも。入院する日の朝から吐き気止めの薬を飲むので、吐き気そのものはほとんど感じませんが、不快感は残ります。また、イメンドというこの薬の副作用の一つでしゃっくりが出る人が半数いるそうで、前回あたりから少し油断するとしゃっくりが出るようになりました。これもまた不快感を強めます。この不快感はちょっと表現しようのないもので、場合によっては不定愁訴と取られるかもしれません。しゃっくりしたその瞬間がはてしなく続いている、と言えば少しは近いか。はっきりとどこが痛いとか苦しいとかいうのではなく、体内のどこか遠くのところが微妙に、しかし決定的にずれている。そしてそれをどうすることもできない。
金曜日にひどく寒かったこともあるのかもしれません。もうずいぶん前から体が少しでも冷えると腹が下ってましたが、術後もそれは変わらず。暑い間は発汗などで水分は不足気味になるので、むしろ便秘が心配ですが、こう急激に気温が下がると着るものの調節に苦労します。免疫力を高めるためにも、とにかく暑いくらいにしておかないといけない。嫌いな靴下も家の中でも履いてます。
手足の指先の痺れもかなり強くなってきて、今回は痺れをとる漢方薬を出してもらいました。ツムラの107番。牛車腎気丸、ゴシャジンキガンと読むもの。人によって効果の強弱があるそうですが、どちらかというと効いているかな。飲みだす前よりは少しは軽くなった気もします。ちなみに抗がん剤の副作用を軽くする薬には漢方薬が多いそうな。
とはいえ、四六時中痺れているのはやはり不快なものです。キーボードを叩くのもなるべくしたくない。手書きはなおさら。
とまれ、薬が体内に蓄積されてきて、それにともない、副作用も強くなってきているのでありましょう。1年間がんばりましょうと毎回判で押したように言われますが、これからの半年が踏ん張りどころであるようです。
同時に、まだまだ「安心」できる状態ではないことも思い知らされます。手術で病巣はきれいになったとしても、がんができやすくなっているし、できたがんへの抵抗力も落ちている。腸も短くなっているので、表面の傷はずいぶんきれいになってきましたが、中はそう簡単ではない。抗がん剤点滴は1年の予定ですが、全快とされるには5年間再発しないことが条件。それも「通常」の環境のもとでのことですから、放射能を浴びながらではこれまでと同じに考えるわけにもいきません。5年というのはひとつの希望であります。
とまれ生きている間は人生を味わい、楽しみたい。ということで、こういう今ひとつの体調となんとか折り合いをつけながら、やらねばならぬと決めたことを坦々と果たすように努めています。刊行を待ちかねていた Tim Robinson のコナマーラ三部作の最終巻 Connemara: A Little Gaelic Kingdom
も入院中に着いたことですし。ロビンソンのものを読みつくしてしまうのが厭でわざと読まずに残しておいた『アランの石』後篇『Stones of Aran: Labyrinth (New York Review Books Classics)
』の最後の章も、これでようやく読めます。このどちらか、できれば両方を訳しながら死ねれば本望だな。
今回の入院には JABEN GoVibe Porta Tube は持っていきませんでした。これはちょと重いのと、やはり熱くなるので、今はほとんどデスクトップ用になってます。代わりに持っていったのは、ここのミント缶アンプの試作品。これがすばらしく透明な音で、音楽を楽しめました。ただ、電池が切れたら、予備に持っていた電池がことごとく使えず、しかも充電器を忘れるという失態。
モバイル用のヘッドフォンは Yuin G2a。Yuin の耳かけ式の廉価版の方ですが、もう2年以上使っていて、良い感じに練れていて、手放せません。一度踏んづけて耳にかけるフックが折れてしまってから、どうも本体のフックの取り付け口もゆるんで、耳にかけている間はいいんですが、はずすととたんにフックが本体からはずれてしまうようになってます。その不便さもこの音には換えがたい。
それにしても、HiFiMAN の高価な商品は扱っても同じ Head-Direct の別ブランドである Yuin は扱わないのは安いからですかねえ。
Audirvana Plus は凄いです。こういう音はこれまで体験したことがない。いや、あるかな。青山にあったらっぱ堂でヴァーサ・ダイナミクスのプレーヤーにスペクトラルのアンプ、ウィルソンのスピーカーというシステムで聴いた究極のアナログの体験が似ているか。どこまでも透きとおった空間に音楽が音楽だけがぽっかりと響きわたる。それが、MacBook Pro で聴けてしまう。他のプレーヤーとは完全に一線を画してます。こういう音で聴けるなら、ハイレゾを買うだけの価値はあるとも思えてきます。もちろん通常CDやMP3の音もすばらしいですが、ハイレゾ音源の魅力がようやく納得できました。
これで聴くとアラゲホンジの 1st、DSD ではないハイレゾ版の方も、隅々まで見通しが効いて、気持ち良い。ライヴはDSD版を落としてみましたが、AudioGate はどうでしょうか。せっかくだから DSD のまま聴いてみたくもなります。コルグの MR-2 を買うかな。あれって、再生の音質はどうなんでしょう。録音の質が良いのはさんざん書かれてますが。
最近聴いたのでは、ジュリー・ファウリスの Live at Perthshire Amber
、沖縄の Lucy のセカンドに聴き惚れました。
ルーシーさんのは来月発売ということで、一足御先に聴かせていただきましたが、いよいよ実力発揮。全篇アップテンポの曲ということで一瞬不安もよぎりましたけど、聴いてみればうたい手としての凄みすら感じます。これはほんと、良いシステムで思いきり大音量で聴きたい。「いーぐる」のシステムで聴きたくもなりますが、あそこだとちょっと踊るわけにはいきませんね。聴いていると無意識のうちに体が動きだします。免疫力が高まる気もします(^_-)。
ジュリー・ファウリスのライヴも良いですが、こちらは期待通りというところ。凡百のうたい手の到底およぶところではありませんが、彼女ならばこのくらいは、と思ってしまうのは酷か。スコティッシュ・ゲール語の発音の美しさは格別。これについてはまた。(ゆ)
あるいは吐き気が強くなってきたのかも。入院する日の朝から吐き気止めの薬を飲むので、吐き気そのものはほとんど感じませんが、不快感は残ります。また、イメンドというこの薬の副作用の一つでしゃっくりが出る人が半数いるそうで、前回あたりから少し油断するとしゃっくりが出るようになりました。これもまた不快感を強めます。この不快感はちょっと表現しようのないもので、場合によっては不定愁訴と取られるかもしれません。しゃっくりしたその瞬間がはてしなく続いている、と言えば少しは近いか。はっきりとどこが痛いとか苦しいとかいうのではなく、体内のどこか遠くのところが微妙に、しかし決定的にずれている。そしてそれをどうすることもできない。
金曜日にひどく寒かったこともあるのかもしれません。もうずいぶん前から体が少しでも冷えると腹が下ってましたが、術後もそれは変わらず。暑い間は発汗などで水分は不足気味になるので、むしろ便秘が心配ですが、こう急激に気温が下がると着るものの調節に苦労します。免疫力を高めるためにも、とにかく暑いくらいにしておかないといけない。嫌いな靴下も家の中でも履いてます。
手足の指先の痺れもかなり強くなってきて、今回は痺れをとる漢方薬を出してもらいました。ツムラの107番。牛車腎気丸、ゴシャジンキガンと読むもの。人によって効果の強弱があるそうですが、どちらかというと効いているかな。飲みだす前よりは少しは軽くなった気もします。ちなみに抗がん剤の副作用を軽くする薬には漢方薬が多いそうな。
とはいえ、四六時中痺れているのはやはり不快なものです。キーボードを叩くのもなるべくしたくない。手書きはなおさら。
とまれ、薬が体内に蓄積されてきて、それにともない、副作用も強くなってきているのでありましょう。1年間がんばりましょうと毎回判で押したように言われますが、これからの半年が踏ん張りどころであるようです。
同時に、まだまだ「安心」できる状態ではないことも思い知らされます。手術で病巣はきれいになったとしても、がんができやすくなっているし、できたがんへの抵抗力も落ちている。腸も短くなっているので、表面の傷はずいぶんきれいになってきましたが、中はそう簡単ではない。抗がん剤点滴は1年の予定ですが、全快とされるには5年間再発しないことが条件。それも「通常」の環境のもとでのことですから、放射能を浴びながらではこれまでと同じに考えるわけにもいきません。5年というのはひとつの希望であります。
とまれ生きている間は人生を味わい、楽しみたい。ということで、こういう今ひとつの体調となんとか折り合いをつけながら、やらねばならぬと決めたことを坦々と果たすように努めています。刊行を待ちかねていた Tim Robinson のコナマーラ三部作の最終巻 Connemara: A Little Gaelic Kingdom
今回の入院には JABEN GoVibe Porta Tube は持っていきませんでした。これはちょと重いのと、やはり熱くなるので、今はほとんどデスクトップ用になってます。代わりに持っていったのは、ここのミント缶アンプの試作品。これがすばらしく透明な音で、音楽を楽しめました。ただ、電池が切れたら、予備に持っていた電池がことごとく使えず、しかも充電器を忘れるという失態。
モバイル用のヘッドフォンは Yuin G2a。Yuin の耳かけ式の廉価版の方ですが、もう2年以上使っていて、良い感じに練れていて、手放せません。一度踏んづけて耳にかけるフックが折れてしまってから、どうも本体のフックの取り付け口もゆるんで、耳にかけている間はいいんですが、はずすととたんにフックが本体からはずれてしまうようになってます。その不便さもこの音には換えがたい。
それにしても、HiFiMAN の高価な商品は扱っても同じ Head-Direct の別ブランドである Yuin は扱わないのは安いからですかねえ。
Audirvana Plus は凄いです。こういう音はこれまで体験したことがない。いや、あるかな。青山にあったらっぱ堂でヴァーサ・ダイナミクスのプレーヤーにスペクトラルのアンプ、ウィルソンのスピーカーというシステムで聴いた究極のアナログの体験が似ているか。どこまでも透きとおった空間に音楽が音楽だけがぽっかりと響きわたる。それが、MacBook Pro で聴けてしまう。他のプレーヤーとは完全に一線を画してます。こういう音で聴けるなら、ハイレゾを買うだけの価値はあるとも思えてきます。もちろん通常CDやMP3の音もすばらしいですが、ハイレゾ音源の魅力がようやく納得できました。
これで聴くとアラゲホンジの 1st、DSD ではないハイレゾ版の方も、隅々まで見通しが効いて、気持ち良い。ライヴはDSD版を落としてみましたが、AudioGate はどうでしょうか。せっかくだから DSD のまま聴いてみたくもなります。コルグの MR-2 を買うかな。あれって、再生の音質はどうなんでしょう。録音の質が良いのはさんざん書かれてますが。
最近聴いたのでは、ジュリー・ファウリスの Live at Perthshire Amber
ルーシーさんのは来月発売ということで、一足御先に聴かせていただきましたが、いよいよ実力発揮。全篇アップテンポの曲ということで一瞬不安もよぎりましたけど、聴いてみればうたい手としての凄みすら感じます。これはほんと、良いシステムで思いきり大音量で聴きたい。「いーぐる」のシステムで聴きたくもなりますが、あそこだとちょっと踊るわけにはいきませんね。聴いていると無意識のうちに体が動きだします。免疫力が高まる気もします(^_-)。
ジュリー・ファウリスのライヴも良いですが、こちらは期待通りというところ。凡百のうたい手の到底およぶところではありませんが、彼女ならばこのくらいは、と思ってしまうのは酷か。スコティッシュ・ゲール語の発音の美しさは格別。これについてはまた。(ゆ)
コメント
コメント一覧 (4)
Lucyの歌に乗せ、沖縄の”カチャーシー”等を踊って免疫力アップ!
おおしまさんのお体の不快感が、一日も早く無くなっていきますよう願っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
Lucy さんのますますのご活躍を。
辛い事と察しますが、それでも意欲的に読書や執筆をされえいるお姿がりっぱだと思います。
僕はトラッドでもアイリッシュでもスコットランドでもフォークでもなく、たった一点、バート・ヤンシュだけのファンとして大島さんを存じ上げていました者です。是非とも、何年か前に出た彼の自伝の翻訳を読ませてください。
バートの本はコリン・ハーパーの DAZZLING STRANGER でしょうか。翻訳を出版するのは難しいでしょうが、電子出版とか、何らかの形で世には出したいものです。
> ご療養中のこと、存じ上げなくてすみませんでした。
> 辛い事と察しますが、それでも意欲的に読書や執筆をされえいるお姿がりっぱだと思います。
> 僕はトラッドでもアイリッシュでもスコットランドでもフォークでもなく、たった一点、バート・ヤンシュだけのファンとして大島さんを存じ上げていました者です。是非とも、何年か前に出た彼の自伝の翻訳を読ませてください。