ライヴを見るのは2回目。デュオとしてのラ・カーニャでのライヴはたしか3回目。定期的に回を重ねられているのは重畳。前回からもだいぶ変わっている。
ひとつには内藤さんが力をうまく抜けるようになってきていて、スローな曲や本来うたの曲などの演奏の味わいが深くなっている。もともとクラシックの技法もとりいれた多彩なフレージングや音色がすばらしいが、それとはまた別の次元で、表現の幅も広くなった。
こういうことは他での活動、たとえば O'Jizo での演奏にも良い形で波及しているはずだ。あちらはまた対照的に、ぴーんと張りつめた緊張感が快いのだけれど、うまくリラックスしてこそ本物の緊張感が生まれるというものだ。
おそらくは城田さんの感化によるものだろう。意識しないでも一緒にやっていると伝染し、沁みこんでくるものなのだ、きっと。城田さんが伴奏者というより、パートナーとして幅広いミュージシャンたちから引っぱりだこなのも、たぶん、そういうふうに、一緒にやっているとリラックスして、ふだんなかなか表に出てこないような深いところからの音楽が湧いてくるからではなかろうか。
内藤さんが手に入れたままほおっておいたハープを手にとる気になったのも、そうしてリラックスして気持ちに余裕が生まれたせいではないか。新しいことに挑戦する意欲が湧いてくるには、余裕が大事。
もちろん技術的にはまだまだだが、さすがにミュージシャンとして天性のものを持っている人だから、音楽として楽しく聴かせてくれる。精進されればハープでも一級の演奏ができるようになるはずだ。フィドルへの良いフィードバックもあるだろう。
それにしてもお二人によるホーンパイプの味わいは格別で、もっとホーンパイプをやってほしい。ホーンパイプをあまり国内の人たちはやらないが、ぼくなどはあれこそがアイリッシュの要と思っている。ジグやリールに比べるとどことなくとぼけたユーモアを感じるのもアイリッシュらしい。まあ、ノってしまえば恰好がつくジグやリールとは違って、ホーンパイプをまっとうに演奏するのは、ネイティヴ以外には難しいのかもしれない。それだけにホーンパイプの良い演奏に出逢うと嬉しくなる。
とはいえハイライトはフランキー・ギャヴィン(と城田さんは発音する)と一緒にやったという〈Jewish reel〉。あの曲があんなにクレツマーを取り入れているとは、初めて気がついた。フランキーの演奏を聴きかえしてみなければならない。
それとムーヴィング・ハーツの曲。いま確認できないけれど、あれはドーナル・ラニィの曲のはず。アイリッシュ・ビートのお約束をわざとはずしてゆく変則リズムが気持ちよく決まっていた。アイリッシュのノリはやはりスイングだと確認する。
城田さんのバンジョーやうた、ブルーグラスのフィドル・チューンもあって、それはまたすばらしいものだけれど、前回よりもそうした脇道は少なく、アイリッシュを中心としたヨーロッパ・ルーツ音楽に重心が移っている感じではある。この辺は、今夏に二人ともアイルランドに行き、音楽三昧してきた影響かもしれない。
待望のアルバム《KEEP HER LIT!》も完成したそうで、11/16の発売。とにかく楽しみである。録音にはライヴとは違った楽しみがあるので、こうして定期的にライヴに接することができる人たちでも録音は楽しみだ。何より好きなだけ何度も同じ演奏を聴きこめる。演奏もそうだろうが、良い演奏を何度も聴きこむことで聴く力も鍛えられる。というより、それしか聴く力を鍛える方法は無いだろう。
アルバムを持って11月に西の方を回った後、12/22(木)に吉祥寺の Mandala-2 でレコ発ライヴがある。ここにはアルバムでもゲスト参加しているベースの河合徹三氏が加わる。
以下、レコ発ツアーのスケジュール。
11/12(土)徳島・寅家(088-677-3233) 開演20:00
前売 3,000円/ 当日3,500円 1ドリンク付き
11/13(日)高知・Caravan Sary(088-873-1533)開演18:30
前売 3,000円/ 当日3,500円 1ドリンク付き
11/19(土)群馬・Sound Tam(027-385-3220)開演18:30
前売 3,000円/ 当日3,500円
11/26(土)京都・都雅都雅(075-361-6900)開演19:00
前売 3,000円/ 当日3,500円 別途飲食
11/27(日)名古屋・オキナワAサインバー KOZA(052-221-5244)開演15:30
3,000円 1ドリンク付き
12/22(木)東京・Manda-la2(052-221-5244)開演19:30
前売 3,000円/ 当日3,500円+1ドリンク・オーダー
以下は城田じゅんじさんのライヴ・スケジュール。
10/30(日)浜松・東上池川公会堂 開演17:00
3,000円 限定50席
居酒屋ぴっぴ 0534-74-2778
11/05(土)中川イサト+城田じゅんじ@秩父・ホンキートンク 開演18:30
前売4,000円 当日4,500円+オーダー
11/10(木)松山・スタジオOWL 開演19:30
前売3,000円 当日3,500円 1ドリンク付き
11/11(金)高松 BEATLES 開演20:30
前売3,000円 当日3,500円 1ドリンク付き
そうそう、それと内藤さんが参加する O'Jizo もCDが出て、レコ初ライヴが今週末蒲田である。このアルバムは凄いよ。今年のベストの1枚。
10/22(土) O’Jizo 1st album《Highlight》発売記念ライブ
日本キリスト教団 蒲田教会
12時オープン / 13時スタート
前売2000円 / 当日2500円
問い合せ:tokyoirishcompany@gmail.com
昼間なのはありがたいのだが、あたしは今週入院して抗がん剤投与を受けるので、土曜日はダウンしている。まことに残念。ご盛会を祈る。
ひとつには内藤さんが力をうまく抜けるようになってきていて、スローな曲や本来うたの曲などの演奏の味わいが深くなっている。もともとクラシックの技法もとりいれた多彩なフレージングや音色がすばらしいが、それとはまた別の次元で、表現の幅も広くなった。
こういうことは他での活動、たとえば O'Jizo での演奏にも良い形で波及しているはずだ。あちらはまた対照的に、ぴーんと張りつめた緊張感が快いのだけれど、うまくリラックスしてこそ本物の緊張感が生まれるというものだ。
おそらくは城田さんの感化によるものだろう。意識しないでも一緒にやっていると伝染し、沁みこんでくるものなのだ、きっと。城田さんが伴奏者というより、パートナーとして幅広いミュージシャンたちから引っぱりだこなのも、たぶん、そういうふうに、一緒にやっているとリラックスして、ふだんなかなか表に出てこないような深いところからの音楽が湧いてくるからではなかろうか。
内藤さんが手に入れたままほおっておいたハープを手にとる気になったのも、そうしてリラックスして気持ちに余裕が生まれたせいではないか。新しいことに挑戦する意欲が湧いてくるには、余裕が大事。
もちろん技術的にはまだまだだが、さすがにミュージシャンとして天性のものを持っている人だから、音楽として楽しく聴かせてくれる。精進されればハープでも一級の演奏ができるようになるはずだ。フィドルへの良いフィードバックもあるだろう。
それにしてもお二人によるホーンパイプの味わいは格別で、もっとホーンパイプをやってほしい。ホーンパイプをあまり国内の人たちはやらないが、ぼくなどはあれこそがアイリッシュの要と思っている。ジグやリールに比べるとどことなくとぼけたユーモアを感じるのもアイリッシュらしい。まあ、ノってしまえば恰好がつくジグやリールとは違って、ホーンパイプをまっとうに演奏するのは、ネイティヴ以外には難しいのかもしれない。それだけにホーンパイプの良い演奏に出逢うと嬉しくなる。
とはいえハイライトはフランキー・ギャヴィン(と城田さんは発音する)と一緒にやったという〈Jewish reel〉。あの曲があんなにクレツマーを取り入れているとは、初めて気がついた。フランキーの演奏を聴きかえしてみなければならない。
それとムーヴィング・ハーツの曲。いま確認できないけれど、あれはドーナル・ラニィの曲のはず。アイリッシュ・ビートのお約束をわざとはずしてゆく変則リズムが気持ちよく決まっていた。アイリッシュのノリはやはりスイングだと確認する。
城田さんのバンジョーやうた、ブルーグラスのフィドル・チューンもあって、それはまたすばらしいものだけれど、前回よりもそうした脇道は少なく、アイリッシュを中心としたヨーロッパ・ルーツ音楽に重心が移っている感じではある。この辺は、今夏に二人ともアイルランドに行き、音楽三昧してきた影響かもしれない。
待望のアルバム《KEEP HER LIT!》も完成したそうで、11/16の発売。とにかく楽しみである。録音にはライヴとは違った楽しみがあるので、こうして定期的にライヴに接することができる人たちでも録音は楽しみだ。何より好きなだけ何度も同じ演奏を聴きこめる。演奏もそうだろうが、良い演奏を何度も聴きこむことで聴く力も鍛えられる。というより、それしか聴く力を鍛える方法は無いだろう。
アルバムを持って11月に西の方を回った後、12/22(木)に吉祥寺の Mandala-2 でレコ発ライヴがある。ここにはアルバムでもゲスト参加しているベースの河合徹三氏が加わる。
以下、レコ発ツアーのスケジュール。
11/12(土)徳島・寅家(088-677-3233) 開演20:00
前売 3,000円/ 当日3,500円 1ドリンク付き
11/13(日)高知・Caravan Sary(088-873-1533)開演18:30
前売 3,000円/ 当日3,500円 1ドリンク付き
11/19(土)群馬・Sound Tam(027-385-3220)開演18:30
前売 3,000円/ 当日3,500円
11/26(土)京都・都雅都雅(075-361-6900)開演19:00
前売 3,000円/ 当日3,500円 別途飲食
11/27(日)名古屋・オキナワAサインバー KOZA(052-221-5244)開演15:30
3,000円 1ドリンク付き
12/22(木)東京・Manda-la2(052-221-5244)開演19:30
前売 3,000円/ 当日3,500円+1ドリンク・オーダー
以下は城田じゅんじさんのライヴ・スケジュール。
10/30(日)浜松・東上池川公会堂 開演17:00
3,000円 限定50席
居酒屋ぴっぴ 0534-74-2778
11/05(土)中川イサト+城田じゅんじ@秩父・ホンキートンク 開演18:30
前売4,000円 当日4,500円+オーダー
11/10(木)松山・スタジオOWL 開演19:30
前売3,000円 当日3,500円 1ドリンク付き
11/11(金)高松 BEATLES 開演20:30
前売3,000円 当日3,500円 1ドリンク付き
そうそう、それと内藤さんが参加する O'Jizo もCDが出て、レコ初ライヴが今週末蒲田である。このアルバムは凄いよ。今年のベストの1枚。
10/22(土) O’Jizo 1st album《Highlight》発売記念ライブ
日本キリスト教団 蒲田教会
12時オープン / 13時スタート
前売2000円 / 当日2500円
問い合せ:tokyoirishcompany@gmail.com
昼間なのはありがたいのだが、あたしは今週入院して抗がん剤投与を受けるので、土曜日はダウンしている。まことに残念。ご盛会を祈る。
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