ぼくが受けている Folfox という化学療法は本来は2週間に1度、つまり1週間おきに点滴を受けます。そうすると9回目ぐらいになると手足の痺れが耐えられなくなり、メニューを変更する由。ぼくは3週間おきという、ゆるいスケジュールもあって、当初のメニューで「順調」に進んでいます。前回から処方された、痺れをとる漢方薬も比較的効果があり、痺れの方はそうきつくならず、手足の指先に留まっています。こういうものにも人間は慣れることができるらしい。痺れは常にありますが、気にしないようにすれば一時的ですが忘れることもできます。
それでも回数が重なってくると薬が蓄積されてきて、副作用も強くなるようです。今回は吐き気が来ました。
点滴を受けはじめる水曜日の朝から3日間、イメンドという吐き気止めの薬を飲み、また点滴の最初に投与されるのは吐き気止めの薬です。そのおかげもあって、これまではせいぜい病院の食事を食べる気になれないくらいでした。
今回は2日めの木曜あたりから軽いものではありますが明確な吐き気が出て、土曜日までそれが続きました。病院では食慾はまったくありませんでした。食事が出るとほとんど無理矢理食べものを口に入れます。すると腹は空いているので、食べはじめると結局勢いで全部食べてしまいます。病院食ですから量も多くはありません。それでも3日め金曜の朝食、点滴入院中病院でとる最後の食事ですが、口に入れるには「努力」が要りました。
日曜日には空腹時には吐き気は感じなくなりましたが、腹に食物が入ると吐き気まではいかない不快感が出てきます。
また、退院してから出てくるダルさもこれまでになく重いものでした。倦怠感と書くとこの重みが抜けおちる気がします。
帰宅後は好きなものを食べられるわけですが、塩味の強いもの、酸味のあるものが食べたくなります。漬物などが嬉しいので、白菜のゆず漬けなど、一袋買ってきて1度に食べてしまったりします。醤油味の煎餅も、もともと好物ですが、無性に食べたくなる。今回は思いきって寿司を食べてみました。寿司飯の酸味がありがたかったです。
今日で点滴開始1週間ですが、まだ入院前の状態にはほど遠い感じです。3日間飲むイメンドはそれによって1週間効果が続くそうですから、明日あたりは不快感も軽くなってくれるかと期待。
病院ではほとんど眠っていました。眠ろうとするといくらでも眠れます。また水曜日の夜はトイレに起きるごとにその後1時間ぐらいは眠れないので、木曜日の昼間は眠い。この点滴には利尿剤も入っているそうですし、またイメンドが便秘を引き起こすので水分をなるべく多くとるようにしていますから、尿の量はハンパでなく増えます。多い時には30分ごとにトイレに通います。夜間も21時の消灯から朝6時の検温・血圧測定までの間に、最低2回、たいていは3回トイレに起きます。24時間に出る尿の量も計ります。ぼくの場合、これまでのところ4,000cc前後。
それでもさすがに眠くないときもあるので、そういう時には持っていった ACS T15 + GoVibe Porta Tune+ で音楽を聴いていました。これはまことにありがたかった。
この組合せはたまたま手元にそろったので試してみたわけですが、どんぴしゃにはまりました。詳しくは別に書くつもりですが、もともときわめて高い T15 の性能が Porta Tube+ で文字通り増幅されて、楽園に浮かんでいる気分。音楽が鳴っている間だけは何もかも忘れて没入できました。
T15 はサウンドステージがとんでもなく広くてステージというよりスペースと呼びたくなるほどである上に、分解能が高いというのでしょうか、ディテールがそれぞれ適切なヴォリュームで明瞭に聞こえます。フルオケのマッスになっても、フルートのような楽器の音も埋もれることがありません。一つひとつの音に芯があります。
またヴォーカルの表現が精密で、録音によってはうたい手の唇だけでなく、舌の動きまで見える気がします。コーラスでは一人ひとりのうたい手の声がはっきり聞こえるまま、しっかりハモっています。しかもハイレゾでなく、MP3音源でも変わりません。Jaben のウィルソンおやじは「オーディオの救世主」と呼んでいますが、そう呼びたくなる気持ちもわかります。
今週末のヘッドフォン祭では試聴機も用意されるとのことなので、ぜひぜひお試しあれ。
久しぶりにジョン・ドイルのソロ・ファースト《Evening Comes Early》を聴きましたが、ジョンのギターがいかに緻密か、あらためて脱帽しました。それに、ジョンとカラン・ケーシィのハーモニーの妙。
新発見では Mamia Cherif という人の最新作《Jazzarab》が面白い。この人はパリ在住のシンガーですが、出身はマグレブらしい。ここではタイトル通り、ジャズのコンヴェンショナルな語法を守りながら、アラブ音楽の風味を加えています。〈My favourite things〉をアラビア語でうたったり、〈Afro blue〉にアラビア語の歌詞を付けたりしていて、これも面白いですが、ギターの代わりのウード、それにアラブ的フレーズを展開するヴァイオリンが良い味。同時にジャズの本流に従うピアノもよくうたっています。
音質と音楽自体の良し悪しは比例しませんが、良い音で聴くとやはりいろいろと発見があり、新たな体験ができます。何よりそれはそれは気持ち良くなります。背筋を感動の戦慄が走りぬけるたびに免疫力が上がる気がします。
今週末のヘッドフォン祭までにはなんとか回復したいところ。同じく週末の下北沢の音樂夜話特別イベントも気になりますが、先週の経験からも、連チャンは無理でありましょう。(ゆ)
それでも回数が重なってくると薬が蓄積されてきて、副作用も強くなるようです。今回は吐き気が来ました。
点滴を受けはじめる水曜日の朝から3日間、イメンドという吐き気止めの薬を飲み、また点滴の最初に投与されるのは吐き気止めの薬です。そのおかげもあって、これまではせいぜい病院の食事を食べる気になれないくらいでした。
今回は2日めの木曜あたりから軽いものではありますが明確な吐き気が出て、土曜日までそれが続きました。病院では食慾はまったくありませんでした。食事が出るとほとんど無理矢理食べものを口に入れます。すると腹は空いているので、食べはじめると結局勢いで全部食べてしまいます。病院食ですから量も多くはありません。それでも3日め金曜の朝食、点滴入院中病院でとる最後の食事ですが、口に入れるには「努力」が要りました。
日曜日には空腹時には吐き気は感じなくなりましたが、腹に食物が入ると吐き気まではいかない不快感が出てきます。
また、退院してから出てくるダルさもこれまでになく重いものでした。倦怠感と書くとこの重みが抜けおちる気がします。
帰宅後は好きなものを食べられるわけですが、塩味の強いもの、酸味のあるものが食べたくなります。漬物などが嬉しいので、白菜のゆず漬けなど、一袋買ってきて1度に食べてしまったりします。醤油味の煎餅も、もともと好物ですが、無性に食べたくなる。今回は思いきって寿司を食べてみました。寿司飯の酸味がありがたかったです。
今日で点滴開始1週間ですが、まだ入院前の状態にはほど遠い感じです。3日間飲むイメンドはそれによって1週間効果が続くそうですから、明日あたりは不快感も軽くなってくれるかと期待。
病院ではほとんど眠っていました。眠ろうとするといくらでも眠れます。また水曜日の夜はトイレに起きるごとにその後1時間ぐらいは眠れないので、木曜日の昼間は眠い。この点滴には利尿剤も入っているそうですし、またイメンドが便秘を引き起こすので水分をなるべく多くとるようにしていますから、尿の量はハンパでなく増えます。多い時には30分ごとにトイレに通います。夜間も21時の消灯から朝6時の検温・血圧測定までの間に、最低2回、たいていは3回トイレに起きます。24時間に出る尿の量も計ります。ぼくの場合、これまでのところ4,000cc前後。
それでもさすがに眠くないときもあるので、そういう時には持っていった ACS T15 + GoVibe Porta Tune+ で音楽を聴いていました。これはまことにありがたかった。
この組合せはたまたま手元にそろったので試してみたわけですが、どんぴしゃにはまりました。詳しくは別に書くつもりですが、もともときわめて高い T15 の性能が Porta Tube+ で文字通り増幅されて、楽園に浮かんでいる気分。音楽が鳴っている間だけは何もかも忘れて没入できました。
T15 はサウンドステージがとんでもなく広くてステージというよりスペースと呼びたくなるほどである上に、分解能が高いというのでしょうか、ディテールがそれぞれ適切なヴォリュームで明瞭に聞こえます。フルオケのマッスになっても、フルートのような楽器の音も埋もれることがありません。一つひとつの音に芯があります。
またヴォーカルの表現が精密で、録音によってはうたい手の唇だけでなく、舌の動きまで見える気がします。コーラスでは一人ひとりのうたい手の声がはっきり聞こえるまま、しっかりハモっています。しかもハイレゾでなく、MP3音源でも変わりません。Jaben のウィルソンおやじは「オーディオの救世主」と呼んでいますが、そう呼びたくなる気持ちもわかります。
今週末のヘッドフォン祭では試聴機も用意されるとのことなので、ぜひぜひお試しあれ。
久しぶりにジョン・ドイルのソロ・ファースト《Evening Comes Early》を聴きましたが、ジョンのギターがいかに緻密か、あらためて脱帽しました。それに、ジョンとカラン・ケーシィのハーモニーの妙。
新発見では Mamia Cherif という人の最新作《Jazzarab》が面白い。この人はパリ在住のシンガーですが、出身はマグレブらしい。ここではタイトル通り、ジャズのコンヴェンショナルな語法を守りながら、アラブ音楽の風味を加えています。〈My favourite things〉をアラビア語でうたったり、〈Afro blue〉にアラビア語の歌詞を付けたりしていて、これも面白いですが、ギターの代わりのウード、それにアラブ的フレーズを展開するヴァイオリンが良い味。同時にジャズの本流に従うピアノもよくうたっています。
音質と音楽自体の良し悪しは比例しませんが、良い音で聴くとやはりいろいろと発見があり、新たな体験ができます。何よりそれはそれは気持ち良くなります。背筋を感動の戦慄が走りぬけるたびに免疫力が上がる気がします。
今週末のヘッドフォン祭までにはなんとか回復したいところ。同じく週末の下北沢の音樂夜話特別イベントも気になりますが、先週の経験からも、連チャンは無理でありましょう。(ゆ)
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