特にこれといった事件もなく、無事終わりました。前回は比較的楽だったんですが、今回はまた着実に副作用が強くなった感じです。帰宅した翌日にたまたま冷水に手をひたしたら、ビリビリっときました。漢方薬のおかげで手足指先の痺れはわりあい軽くすんでいるので、今回初めて、あっと驚きました。きちんと薬を飲んでいたら、次の日からは、すこしぴりぴりくるものの、これまでとそれほど変わらないくらいにおちつきました。
    
    吐き気も2日目、木曜日の夕食頃から明確になって、こちらは火曜日になってようやく消えました。点滴が始まる前から飲む吐き気止めのイメンドという薬は3日間1錠ずつ飲んで1週間効くそうですから、本来、こんなものなのでしょう。どこか具合が悪いわけではなく、薬のせいとわかっているのでまだ耐えられますが、これがもっと強く長く続くのは、やはり避けたい。
    
    だるさはいつもと同じで、こちらはとにかく時間がたって体からある程度、薬が抜けるのを待つしかありません。寝てるしかないにしても、寝たからといって軽くなるわけでもないようです。むしろゴミ捨てとか、郵便を取りにとか、ちょっと歩くだけでも、少し楽になるような気もします。とはいっても、散歩に出るところまではいきません。
    
    一番はっきりと感じたのは、排泄すると少しの間ですが楽になること。大でも小でも、体のなかに溜めておくとだんだん苦しくなります。出すとすっきりするのは健康なときでも同じですが、それ以上にほっと溜息が出ます。とにかく排泄は頻繁に、が点滴直後をできるだけ楽にするコツでしょう。病院でも排尿の量を測らされるのは、入れた薬はどんどん出さねばならないからでもありますね。入れて出すなかで有効成分が貯まってゆくのでありましょう。
    
    病院で点的中はほとんど眠ってました。入院前、ちょと眠りが足りなかったこともあったのでしょうが、うとうとしてはトイレに起き、またうとうとすると食事の時間、またうとうとすると検温タイム、という調子。読書などはまるでする気になれず。音楽もあまり聴かず。例によって湧いてくる空想とも妄想ともつかないものをぼんやりと追うともなしに追いかけ、薬が順調に減ってゆくか、ときどき見定める。
    
    これがなかなか順調に減ってくれません。予定どおりなら、入院3日め、金曜日の朝10時には終わるはずですが、これまで予定どおりに終わったことがない。たいてい30分から1時間遅れます。やはり一刻も早く退院したいわけです。退院して、好きなものを食べたい。今回は、退院したら昼メシは牡蠣フライか鍋焼き饂飩、と思いながら、終わるのを待ってました。
    
    帰宅後も空腹になると吐き気が出てくるので、ちょこちょこと食べてました。この時ばかりは太ることなど気にせずに食べます。リンゴがうまい。
    
    入院から1週間以上たってから、かゆみが出てきました。点滴開始直前に飲む痒みどめがこれまで効いていたのか。副作用の痒みは痒いところの皮膚を見ても、何も源らしいものが見当りません。肌のすぐ下、表皮ではなく、その下が痒いようにも思えます。また、どこに出るかが行き当たりばったり。無性に痒いかと思うと、いつの間にか、消えています。
    
    というわけで、うまくいけばあと2回。何とか無事、終わってくれと祈る毎日であります。(ゆ)