オープンしていました。

    興味深いのはコラムのコーナーで、これまで共演したり、関ってきたミュージシャンたちについて書いていくとのことで、城田さんにしか書けない話が読めるのでは、と期待します。
    
    サンフランシスコの The Stars and The Plough には想い出があります。もう15年前になりますが、サンフランシスコのケルティック・ミュージック・フェスティヴァルに一度だけ行ったことがあります。ドーナル・ラニィのバンド、クールフィンが2日間のトリを勤めるというので、プランクトンのKさんの誘いにのって、週末、金曜発ちの火曜帰りという強行軍で行きました。この時にはドーナルたちの他にも、キーラも出ていましたし、ポール・オショーネシィ、ブレンダン・ベグリーたちのビギニッシュや、ルナサのショーン・スミスの妹のブリーダ・スミス(ホイッスルがすばらしかった)が属していたラホーンズ、ケープ・ブルトンのウェンディ・マクアイザック&ジャッキィ・ダンなどもいました。もっとも何といっても凄かったのは、初めて見たマーティン・ヘイズ&デニス・カヒルのライヴではありました。
    
    たしかその二日目の晩、セッションがあるというので、 The Stars and The Plough にでかけました。セッションは「客演」のポール・オショーネシィが引張るかたちで、周囲の常連らしい人たちはオショーネシィが次から次へと繰り出すチューンが知っていると加わり、知らないときははずれる、という感じ。初老の男性がホイッスルでひとり互角に渡りあっていたのが印象的でした。
    
    セッションが始まってしばらくしてから、となりに座っていた若い女性がやおらアコーディオンを持ち出して加わりました。ジョセフィン・マーシュでした。べろんべろんに酔払っていて、大丈夫かいなと思って見ていたら、いざ演奏しだすと酒が入っている気配も見せません。あるいはいつもあんな様子なのか。
    
    その時には城田さんがこのパブでのセッションの常連とも知らず、というよりそもそも城田さんがアイリッシュのギターを弾いていることすら知りませんでした。 城田さんがあそこのセッションに通っていたのは、おそらくその少し前の時期と思われますが、一度現場を見たかったことであります。
    
    城田さんのギターは内藤さんとデュオでやるようになって、また1枚剥けたように思います。数多くの名手、天才と共演してきた城田さんが、この子にはそうした人たちと肩を並べるだけのものがある、と感じただけあって、内藤さんにも城田さんを刺戟するものがあるのでしょう。
    
    城田さんも言うように、ギターはアイリッシュ・ミュージックにあっては「はぐれ者」のところがあります。おそらく永遠に、とまではいかなくとも、当分の間は「はぐれ者」のままでしょう。だからこそ、ギターのアイリッシュ・ミュージックへの貢献は、他の楽器にはできないところがあります。他の楽器にはできない角度からアイリッシュ・ミュージックの面白さを浮き上がらせてくれます。
    
    城田さんのこのコラムからもそうした貢献、面白さが味わえるのではないか、とすでにアップされている記事を読むと思います。ギタリストだけでなく、他の楽器の演奏者にとっても、また演奏者だけでなく、リスナーにとっても、様々なヒントやインスピレーションの元が鏤められているはずです。(ゆ)