先週の腹部エコー検査では問題なく、この結果を見て、抗がん剤治療はめでたく終了となりました。点滴のために入れてあるポートも摘出しましょう、ということになりました。年末に CT 検査をして、その時、一緒に取り出すことになります。局部麻酔をして簡単な手術を受けるので、一泊はした方が良いらしい。
全身の発疹とかゆみが抗がん剤によるものか、もう一度抗がん剤治療をやってみないと明確にはわからない、とはいうものの、それを試してみるというのも正直願いさげでありました。
手術後3年は注意せよ、とあらためて釘を刺されたのはもちろんですが、とまれ、ひとまず肩の荷がおりて、ほっとした気分です。
まだ抗がん剤の影響が消えたわけではありません。発疹とかゆみは、抗がん剤の影響だと信じていますが、まだ残っています。体のあちこちに、ぽつんと出て、いきなり猛烈にかゆくなる症状です。かゆくなるのでそこを見ても、まだ何もないこともあります。とにかくそこに薬を塗って、しばしがまん。薬を塗ったからといって、市販のかゆみ止めのようにすうっとかゆみが消えるわけではありません。むしろ、一時的にはかゆみが強まるようにも感じられます。とにかくかきむしらないようにがまんがまん。
紫外線もまだまだ今のぼくの肌には強いらしい。昨日も、午前中、どうしても昼前にすませなければならない買物やら何やらで外出しました。日傘、というより、普通の雨傘を日傘代わりに使っているのですが、とにかく傘を持って出て、顔と両手からは日光をさえぎっていました。さえぎっていたつもりなのですが、帰宅したとたん、手やら顔やらにぽつぽつとかゆいところがふき出しました。手の甲はしばらく出ていなかったのですが、ひさしぶりに出ました。
夜になると、またあちこち猛烈にかゆくなり、そのたびに起きあがって薬を塗ります。3時頃まで、それを繰り返していました。
やはり日中の外出は避けねばならないようです。今月末のヘッドフォン祭には行かないわけにはいかないので、屋外にいる時間を極小にするべく努めるしかないでしょう。さいわい屋内のイベントですから、外にいる時間は多くないはず。雨が降らないまでも、曇ってくれるとうれしい。ドラキュラの気持ちがわかります。いや、ほんと。
とはいえ、とにかく抗がん剤治療が終わったことで、カラダにもココロにも、そしてフトコロにもかかっていた大きな負担がなくなります。1ヶ月、治療を休んだわけですが、肝臓の値が明確に改善されていました。主治医が驚くほどで、ひょっとすると、畏友川村龍俊さんに教えられて以来、朝晩続けているリラックス体操の効果も加わっているかもしれません。この体操についてくわしくはこの本をどうぞ。
これまでは抗がん剤という「毒」を飲んではその効果に耐えるという、受け身の姿勢にならざるをえなかったわけですが、これからはもう少し積極的になれそうです。当面は東大出版会から出たばかりの『ユーラシア世界』全5巻と Subterranean Press から出ているロバート・シルヴァーバーグの短篇全集既刊分の読破、それにライバーの「ファファード&グレイ・マウザー」シリーズとハインラインの『栄光の道』から始める "Sword & Sorcery" の勉強、かな。物欲ではゼンハイザーの Momentum と CEntrance の新DAC/PHA、HiFi-M8。そうそう、近くはマーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの来日がありますね。ドラキュラよろしく日が沈むと徘徊することが多くなるでしょう。さいわい(?)これからは夜が長くなるし。
まずは、今月末のヘッドフォン祭には行くつもりです。また Jaben のブースのあたりにウロウロしてるはずです。そちらで、よしなに。(ゆ)
コメント
コメント一覧 (8)
まだまだ先は長いでしょうし、これからも何かと大変かと思いますがお大事にしてください。
Jon Hicksも来日のようですし、なにかと楽しみが多い秋になりそうです。
辛い治療を耐えてこられて、本当に大変だったと思います。そういう状況にありながら淡々と記述していく大島さんならではの姿勢にも、変な話ですが勇気づけられる気持ちにもなりました。ともかく本当にお疲れさまでした。今後体調がより安定されていくこと心からお祈りしています〜。
ブログで美味しそうなデザートやコーヒーを拝見するたびに伺いたくなりますが、もう少し時間がかかりそうです。寺家町のお店にも行きたいんですが……。UVカットの傘が来たら、挑戦してみます。
もっとも、周りの話を聞いたり、他の方のブログを拝見したりすると、ぼくなどはほんとに軽い方で、その点も幸運だと思いました。これも比較することで自らを鼓舞する、防衛戦術の一つかもしれませんけど。
ただ、がんはほんとに千差万別、というよりも、一人として同じ肉体の人がいない以上、それぞれ固有のがんしかない、とも言えます。だから、みんな、それぞれに、同病の他人にもわからないたいへんさを背負ってるわけです。そういうことを学ばせていただいた、こともあります。まさに「幸せは一つだが、不幸の形は無数」ですね。
体調は正直どうなるかわからないので、のらりくらりとしのいでいくしかありません。そうそう、こののらりくらりというのも、時にはサバイバル術として有効だ、というのも今回学んだことでした。
ようやく肝臓も良くなったので、うまいギネスでも飲みましょう。
まずは、思う存分活字を貪って下さい。
活字が頭に染み込む快感と刺激が、おおしまさんにとっては最大の免疫療法なんでしょうから。
私も、最近、活字満載の本を2冊手にして、秋の夜中が楽しみでなりません。
活字とともに音もですね。近頃、Anna Murray を「発見」して喜んでます。Karine Polwart も新作出したし。それと意外や意外な人もいました。どこにでもある親子丼だろうとなかば「義務」で食べてみたら、これがああた、「五つ星」クラス。極上でした。
音楽が心に沁みる季節でもあるので僕も出来る限りライブにでかけようと思っています。
夜の徘徊もいいものです。多いに楽しんでください。満月の夜は少々辛いかもしれませんけど。
先日、懐中電灯を持って、音楽を聴きながら夜の散歩をしている人がいました。あるいは夜に歩いている人もそう少なくないのかもしれませんね。月光に紫外線はないし、狼人間の素質もないようなので、満月はOKです。ジャック・フィニィの佳作『夜の冒険者たち』にならって、歩いてみます。