*部屋の整理・掃除をしていて、フロッピーディスクがまとまって出てきた。ノートン先生の起動ディスクとか、古いバックアップとか。VZ Editor のパッケージなんて懐しいものもあって、センチメンタルになる。98時代には実によくお世話になった。もっとも、急ぎの仕事をこれでしていて、夜中の3時頃、ふと気がつくと、それまでにやった分がメモリからごっそり消えていたことがあった。どうしてそうなったのか、後になってもさっぱりわからず。それで怖くなり、「章子」や「知子」に移行したりもしたのだが、結局 Mac に転んだのだった。ヴィレッジセンターは解散してしまっていたが、テグレットは健在のようで、嬉しくなる。
*コーヒー豆を切らしてしまって、緊急避難的に近くのタリーズで買った豆が結構おいしい。安くはないが。
*新 iPod touch が着いて、新しい EarPods を試している。想像以上に良い。
デフォルトのミュージック・プレーヤーで聴くと、中高域寄りになる。エージングで変わるか楽しみだが、Hippo Biscuit + GoVibe MiniBox で聴くと低域もしっかりするから、これはデフォルトのプレーヤーのキャラかもしれない。というよりも、デフォルトのミュージック・プレーヤーとの組合せのキャラだろう。オーディオは「システム」なので、単独で評価しても無意味だ。ソフトとハード、ハードとハードの組合せでとらえるべきだろう。
Hippo Biscuit + GoVibe MiniBox のペアについては別項に書く。ハイレゾ再生可能な高価なミュージック・プレーヤーが花盛りだが、その流れに逆行する、安くて(100ドル)、小さくて(マッチ箱、って死語?)、軽くて(30グラム)、しかし魔法のツール。MP3音源をまるでハイレゾのように聴かせてくれる。
EarPods で最初に聴いた西海孝の《空を走る風のように、海を渡る波のように》は中高域に偏った録音で、どんぴしゃにはまる。西海氏の声もテナーで、EarPods はまるでこの声のために造られたようにうたってくれる。一曲だけのつもりが結局最後まで聴いてしまった。ニール・ヤングの声も合う。かれのギターのざらりとした感じもよく出る。ただ、全体に中高域寄りになるから、日本語ネイティヴのリスナーには物足りないところもある。
もっともフルオケではチェロやコントラバスもちゃんと聴かせる。いつも試聴につかうフリッツ・ライナー&シカゴ響の《シェエラザード》。空間も広いし、位置関係も正確だし、音域も十分で、やはり聴きほれてしまう。
これらは Apple Lossless か AIFF のファイルだが、iTunes Store で買った Show of Hands の〈Witness〉のシングル版も楽しく聴ける。どこかS/N比が良い感じがするのは面白い。
録音の良し悪しをモロに現す性格もあるようだし、単独で買ったイヤフォンやヘッドフォンと同じく、正面から扱う資格はある。
Apple はこれまで、デフォルトのハードやソフトの質は「寸止め」にして、本当に良いものを造るサードパーティの背中を押してきた。この EarPods はデフォルトのレベルを一段、いや二段ぐらい上げて、もっと良いものを造ってみろ、と言っているようだ。生半可なものなど、造っても売れない。なにせ、これだけのクオリティのものがプレーヤーに付属してくるのだから。
外に出ると、Apple デフォルトのイヤフォンをそのまま使っている人は結構眼につく。そのたびに、あ〜あ、イヤフォンを変える(例えば Final Audio の Piano Forte II は値段がほぼ同じ)だけで、遥かに楽しい音楽体験ができるのに、と思っていた。しかし、これからはこれがデフォルトとなると、いや、それで十分ですよね、とつぶやくことになるだろう。
*その新 iPod touch のメールの受信がデフォルトで「プッシュ」になっているのはいただけない。サーバに残っているメールを何度も受信してくれるので、いちいち消さねばならない。
*ソフトバンクの Sprint 買収に関して、日本のキャリアの海外進出のメリットとして、基地局建設のノウハウの輸出があげられてたが、発想が逆だろう。日本のように狭い国土と複雑な地形と既存インフラがあるところなら基地局を多数つくるのもありだろうが、ぐろーばる・すたんだーど的には基地局なんぞカネばかりかかって何のメリットもない。みな、通信衛星を使っている。NTT の海外事業関係の部署にいた友人の話では、海外ではずいぶん昔からもう電信柱なんぞ立ててはいない。東南アジアなどでも衛星の方が遥かに安上がりだし、早い。後発は先発が踏んだステップをすっとばすのだ。エジプトのアラブ・ポップスの急速な展開は、衛星放送のおかげ、という話もあった。地上のインフラを造る手間暇とコストがペイしたのは、せいぜいが20世紀までの話なのだ。
だから孫氏がめざしているのは、衛星を使った地球規模のネットワークのはずだ。国内だけではコストばかりかかる基地局で競争しなければならないが、全地球規模なら衛星を導入する大義名分もたつし、カネも注ぎこめる。自社専用の衛星を打ち上げることだって不可能ではなくなる。というより、そもそもそれが狙いの一つだろう。
当然、これで終わりであるはずがない。これからどんどん、買収、合併、提携をしかけてゆくはずだ。それも北米やヨーロッパだけではない他地域、中南米やアジア、アフリカの通信会社も対象とするだろう。もう一つの買収先として名のあがった MetroPCS はドイツ・テレコムも買収計画を発表している。
基地局を建設維持する必要が消えれば、国内の他社など完全に追いてけぼりにできる。というよりも、そうしなければ、グローバルな展開はできず、縮小するパイを奪いあうはめになる。相手は世界だ、国内業者など相手にしていては、遅れてしまう。孫氏にはそういう危機感が強いにちがいない。国内他社の経営者たちとは、たぶん見えている風景が違うのだろう。
*抗がん剤の摂取をやめてからふた月めに入って、だいぶ体が軽くなった。が、足先の痺れがまだ残る。これが消えると一緒に、あちこち出るかゆみもなくなってくれるといいのだが。(ゆ)
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