ヘッドフォン祭の際、XLD の使い方がよくわからないと言う方がおられたので基本的なところを書いておきます。なお、ここに書くのはぼくが自分で「発見」したもので、作者に確認したわけではありませんので、まっとうな使い方からははずれたところもある可能性があります。ご了承願います。

 ここでは特に CD リッパーとしての使い方を説明します。

 まず、これは Mac OS X 専用のアプリです。10.4 以降で使えます。

 サイトからダウンロードします。

 Safari でしたら「ダウンロード」のコーナーの dmg という拡張子のついたファイルをクリックすると自動的にダウンロードが始まります。

 終わったら、ディスク・イメージをダブル・クリックします。ディスクが開きます。その中の XLD.app を「アプリケーション」フォルダにコピーします。


 他の場所に置いても動作するかもしれませんが、OS X ではアプリは「アプリケーション」フォルダに置くのが基本です。他のところに置くといろいろめんどうなことが起きたりします。

 アプリを起動します。

 OS X 10.8 Mountain Lion では、セキュリティのため、ほんとうに開いていいかどうか、たずねるダイアローグが開きます。あるいは起動できないかもしれません。その場合は、「システム環境設定>「パーソナル:セキュリティとプライバシー」の「一般」タブの下半分に、「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」で、一番下の「すべてのアプリケーションを許可」にチェックを入れます。

 グレーになって選択できない場合は、左下の鍵アイコンをクリックし、管理者パスワードを入れます。

 この変更が不安である場合は、コントロール・キーを押しながらアプリケーションのアイコンをクリックします。

 XLD を起動しても、メニュー・バーが変わるだけで、画面に変化はありません。起動は一瞬ですんでしまうので、メニュー・バーや Dock に注意してください。

 CDを入れると、デフォルトでは iTunes が立ち上がるでしょう。CDの中身が iTunes に出たら、XLD に移ってメニュー・バーの「ファイル」メニューから「オーディオCDを開く」を選択。「オーディオCDが見つかりません」と出ていたら、その下の「リストを更新」を選択してから、もう一度CDを開きます。

 すると CD が iTunes から消えて、XLD が読み込み、中身を示すウインドウが開きます。また CD が iTunes に現れます。

 CDから読み込む際のファイルの形式などは「環境設定」で設定します。

 一番左「一般」のタブ。
 「出力フォーマット」でファイルの形式を選びます。サウンド・ファイルの形式などについては、検索して勉強しましょう。

 というのも不親切なので主なものだけ簡単に書きます。

WAV ウィンドウズの標準形式。
AIFF Mac の標準形式。
 この二つは圧縮をしません。CDと同じファイル・サイズになります。
MPEG-4 AAC
 iTunes Store のデフォルト形式。不可逆圧縮です。
Apple Lossless
 可逆圧縮形式です。Apple が開発したものですが、今はオープン・ソースになっています。
FLAC = Free Lossless Audio Codec
 可逆圧縮です。はじめからオープン・ソースで開発されてます。ハイレゾ音源はこの形式が多いです。
 以上二つのファイル・サイズはCDのほぼ半分です。
Lame MP3
 MP3 の一種で、単純な MP3 より音が良いとされてます。

 ファイル形式については以前、簡単に書いたこともあります。ご参考までに。

 FLAC、AAC と MP3 でオプションをクリックするといろいろ出てきますが、わからなければデフォルトのままで十分です。

 「出力先」
 CDからリッピングする場合は「入力ファイルと同じ」にするとCDと同じになり、書込めないのでエラーになります。「指定」を選んで、「選択」ボタンをクリックして、ダイアローグからお好みの場所をどうぞ。

 「ファイル名の書式」は読み込んだファイルに名前をつけるルールです。はじめはデフォルトでかまわないでしょう。

 その下は始めはあまりいじる必要はありません。「30サンプル問題」は検索するといろいろ出てきます。「可能であれば変換後にファイルを iTunes に追加」は、iTunes が扱えるファイル形式を選んだときだけ有効です。

 次に5番目の「CD読み込み」のタブに移ります。
「読み込みモード」は「XLD Secure Ripper」を選びます。これが肝心。
 最近の Mac であれば、その下の「C2 エラーの情報を利用する」にチェックを入れます。より正確なリッピングができます。
 これに関連してMac 内蔵や Apple 謹製のドライブを使うかぎり、「読み込みオフセット訂正値」は「可能ならば自動的に設定」にチェックを入れれば、自動的に設定されます。
 「ドライブの速度制御」は最近ついたオプションで、読み込む際の速度を指定できます。遅い方がより正確と言われますが、ご自分でいろいろ試してみてください。
「AccurateRip データベースで整合性を確認する」もチェックします。

 AccurateRip は検索すればいろいろ出てきます。いわゆるセキュリティ・リッピングを可能にするデータベースです。このオプションをオンにすることで、より正確なリッピングができるようになります。

 後は難しいところはないとおもいます。

 設定が終わったら、環境設定を閉じます。
 なお、今設定したものはプロファイルのメニューで保存、管理ができます。複数のプロファイルを作って保存できます。

 CDの中身が出ているウィンドウで、そのままでよければ「読み込む」ボタンをクリックします。その前にタグを編集したい場合は、「タグを編集」をクリックします。

 普通はジャケットは示されません。メニュー・バーの CDDB をクリックすると、一番下に「カバーアートを検索」があります。Amazon を検索し、候補を示します。選んで画像をクリックすると読み込まれます。ただし、これを利用するには、Amazon Web Service のアカウントを作ることが必要です。その上で発行される Access Key と Secret Key を「環境設定」の「CDDB」のタブにある Amazon のコーナーに入力します。

 またこの CDDB は FreeDBMusicBrainz です。Gracenote のデータベースにアクセスするには、 iTunes を立ち上げて CD を読み込ませる必要があります。そこでデータが示されれば、XLD のメニューから「オーディオCDを開く」>「リストを更新」すると、iTunes のデータが XLD に反映されます。

 左側のメニューは、デフォルトでは「すべてのトラックのプリギャップを含める」になっています。各トラックが個別のファイルになります。

 「一つのファイル(+cue)として保存」を選ぶと、全トラックが一個のファイルになり、cue シートと log ファイルが別にできます。この方が音が良い、という説があります。また、全体のファイル・サイズも若干小さくなります。

 プレーヤーによって cue シートを受け付けるものと受け付けないものがありますので、お使いのプレーヤー・アプリによって選ぶのがベターです。OS X 用では Audirvana Plus はプレイリストに cue シートをドラッグ&ドロップすればOKです。Decibel も一応受け付けて、再生も問題ありません。iOS 用では GoldenEar は受け付けますが、FLAC Player はだめです。

 cue シートにすると普通のタグ・エディターではタグの編集はできません。XLD で開けば編集できます。

 「読み込む」ボタンをクリックすると進行を示す別ウィンドウが開きます。デフォルトでは環境設定で設定したスレッド数のトラックが同時にリッピングされます。iTunes からは CD が消えます。

 リッピングが終われば、アラートが鳴って、一応ログ・ファイルが示されます。そのまま保存もできます。再び CD が iTunes に表れます。

 なお、CD や cue シートは複数開くこともできます。


 XLD には再生機能もあります。メニュー「ウィンドウ」の下に「プレイヤーを表示」があります。これで表れるプレイヤーにトラックをドラッグ&ドロップします。最低限の機能だけで、プレイリストなど、専用プレーヤー・アプリではあたりまえの機能はありません。ただし、音はすばらしいです。Audirvana Plus などは別ですが、単に再生するだけなら、これで満足するオーディオ・ファンも少なくないんじゃないかというレベルです。

 ファイル形式の変換は、変換先のファイル形式を「環境設定」で選んでおき、変換したいファイルを、たとえば Dock の XLD アイコンにドラッグ&ドロップします。

 カーソルをウィンドウ内のアイコンなどに置くと Tips が表れます。

 まず、こんなところでしょうか。(ゆ)

2012-11-20 rev.