そうそう、こうこなくちゃ。ホーンパイプがたくさん聴けて幸せ。
そりゃ、気持ちはわからないでもない。ジグやリールでがんがん攻めれば、ウケはいいし、やってる方もラクではあるかもしれない。だけどやはりしっかり演奏されるホーンパイプほど気持ちのよいものは、アイリッシュ・ミュージックのなかでもそう多くない。と、ぼくは思う。だいたい、ホーンパイプはアイルランドの専売特許のようなものだ。リールはスコットランドにもシェトランドにもあるし、ジグはイングランド人だってやる。ホーンパイプこそは、一発でああ、アイルランドだ、とわかる。それに、ホーンパイプは良い曲が多い。というより、良い曲しか残れなかったのだろう。たしかに伝統音楽は自然淘汰が行われるから、良い曲しか生き残ってこれないが、ホーンパイプはその中でも特に名曲ばかりが残っている気がする。
このバンドには精進をかさねて、まずは日本一のホーンパイプ・バンドになってほしい。むろん究極の目標は世界一である。
フルートの須貝知世、フィドルの中藤有花、ハープの梅田千晶のトリオ Nabana の、これが2回めのライヴだそうだ。先日の野と花と二度目が続くのは偶然か、なにかのはからいか。ちなみに次ももう決まっていて 08/03、高円寺の由。
マズルカやマーチやストラスペイ、あるいはオリジナルの子守唄など、ゆったりまったり、いい気持ちになる。肩の力が抜ける。胸の奥のしこりが溶ける。日曜の午後の昼下がり。高野文子の初期の作品を思い出す。ジグやリールも、むしろスピードは抑え、メロディを際立たせる。いいなあ、これはいいよ。
須貝さんはリマリックに一年留学されて、昨年秋帰られたそうな。まだどこか心ここにあらず、というと言い過ぎか。向こうでは勉強にいったということもあって、あまり楽しい思い出がないと言われるが、留学が続いているような気配だ。
梅田さんのハープは先日八王子でのゲーム・ミュージック・ライヴ以来二度目だが、今回はほとんど目の前で弾いているので、音も明確だし、表情やしぐさもよくわかる。ビートを刻んだり、メロディをうたったり、ハーモニーをつけたり、かなり多彩な音を出す。アレンジもされるそうで、そういえば、須貝さんと中藤さんがメロディを奏でても、ユニゾンではなく、ハーモニーを作っている時がある。
先日の野と花の時も思ったが、中藤さんのフィドルが今日もすばらしく、アンサンブルの核だ。何より音色がいい。たっぷりとふくらんで、ほのかな艶も帯び、ちょっとたまらない音である。この音の質を録音で捉え、再生するのは至難の技ではないか。
後半はゲストにバゥロンとうたの岡本千佳さんが入る。うたをうたおうという人が出てきたのは楽しみ。〈ダニー・ボーイ〉の例の高くなるところもちゃんと出ていたから、正規の訓練を受けているのだろう。もっとも伝統歌謡をうたうときには、そういうものは一度忘れた方が良い結果が出ることが多い。MCの声はうたう時の声よりずっと低かったから、あの声域でうたわれるのも聞いてみたい。アイルランドやブリテンの伝統音楽のすぐれたうたい手たちは声が低いのだ。
ふだんのアイリッシュ・ミュージックのライヴとは選曲が違いますが、とMCで言われていたが、お客さんにそういう人はむしろ少なく、地元の人や店についているお客さんたちが多かったようだ。会場は八幡宮の二の鳥居を右折、つきあたりを左折して少し行ったところで、2階建て。2階の客席をかたづけて椅子がならべてある。小さなピアノもあるから、野と花のライヴもできそうだ。日曜の鎌倉はすっかり観光地。若いアベックのデートコースになっているらしい。
ミュージシャンたちが店の美しい中庭で記念撮影していたけれど、夕食の支度をしなくてはならなかったから、終演後はすぐに失礼した。
会場で拾ったチラシのライヴ。どれも行きたいが、うーむ、全部はムリだな。(ゆ)
07/07(月)Open 19:00/ Start 19:30
長尾浩司×小松優衣子×須貝知世@Grapefruit Moon、三軒茶屋
予約2,300円 当日2,800円(ドリンク別)
w/ Spiral=erie×江部聖也×森島玲×丸茂睦
Opening Act やのかじ=矢野あいみ×かじみなみ
予約はこちら
☆ギター×コンサティーナ×フルート
07/23(水)Open 18:30/ Start 19:30
須貝知世×小松優衣子×中藤有花×長尾晃司@maruchan、田端
1,500円(ドリンク別)
予約、問合せはこちら
☆フルート×コンサティーナ×フィドル×ギター
07/25(金)Open 19:00/ Start 19:30
須貝知世×梅田千晶@さんさき坂カフェ、千駄木
投げ銭+オーダー
予約、問合せはこちら
☆フルート×ハープ
07/29(火)Open 19:00/ Start 19:30
北川有里×奥貫史子×梅田千晶@homeri、四谷三丁目
2,000円(+1オーダー)
☆パーカッション×フィドル×ハープ
そりゃ、気持ちはわからないでもない。ジグやリールでがんがん攻めれば、ウケはいいし、やってる方もラクではあるかもしれない。だけどやはりしっかり演奏されるホーンパイプほど気持ちのよいものは、アイリッシュ・ミュージックのなかでもそう多くない。と、ぼくは思う。だいたい、ホーンパイプはアイルランドの専売特許のようなものだ。リールはスコットランドにもシェトランドにもあるし、ジグはイングランド人だってやる。ホーンパイプこそは、一発でああ、アイルランドだ、とわかる。それに、ホーンパイプは良い曲が多い。というより、良い曲しか残れなかったのだろう。たしかに伝統音楽は自然淘汰が行われるから、良い曲しか生き残ってこれないが、ホーンパイプはその中でも特に名曲ばかりが残っている気がする。
このバンドには精進をかさねて、まずは日本一のホーンパイプ・バンドになってほしい。むろん究極の目標は世界一である。
フルートの須貝知世、フィドルの中藤有花、ハープの梅田千晶のトリオ Nabana の、これが2回めのライヴだそうだ。先日の野と花と二度目が続くのは偶然か、なにかのはからいか。ちなみに次ももう決まっていて 08/03、高円寺の由。
マズルカやマーチやストラスペイ、あるいはオリジナルの子守唄など、ゆったりまったり、いい気持ちになる。肩の力が抜ける。胸の奥のしこりが溶ける。日曜の午後の昼下がり。高野文子の初期の作品を思い出す。ジグやリールも、むしろスピードは抑え、メロディを際立たせる。いいなあ、これはいいよ。
須貝さんはリマリックに一年留学されて、昨年秋帰られたそうな。まだどこか心ここにあらず、というと言い過ぎか。向こうでは勉強にいったということもあって、あまり楽しい思い出がないと言われるが、留学が続いているような気配だ。
梅田さんのハープは先日八王子でのゲーム・ミュージック・ライヴ以来二度目だが、今回はほとんど目の前で弾いているので、音も明確だし、表情やしぐさもよくわかる。ビートを刻んだり、メロディをうたったり、ハーモニーをつけたり、かなり多彩な音を出す。アレンジもされるそうで、そういえば、須貝さんと中藤さんがメロディを奏でても、ユニゾンではなく、ハーモニーを作っている時がある。
先日の野と花の時も思ったが、中藤さんのフィドルが今日もすばらしく、アンサンブルの核だ。何より音色がいい。たっぷりとふくらんで、ほのかな艶も帯び、ちょっとたまらない音である。この音の質を録音で捉え、再生するのは至難の技ではないか。
後半はゲストにバゥロンとうたの岡本千佳さんが入る。うたをうたおうという人が出てきたのは楽しみ。〈ダニー・ボーイ〉の例の高くなるところもちゃんと出ていたから、正規の訓練を受けているのだろう。もっとも伝統歌謡をうたうときには、そういうものは一度忘れた方が良い結果が出ることが多い。MCの声はうたう時の声よりずっと低かったから、あの声域でうたわれるのも聞いてみたい。アイルランドやブリテンの伝統音楽のすぐれたうたい手たちは声が低いのだ。
ふだんのアイリッシュ・ミュージックのライヴとは選曲が違いますが、とMCで言われていたが、お客さんにそういう人はむしろ少なく、地元の人や店についているお客さんたちが多かったようだ。会場は八幡宮の二の鳥居を右折、つきあたりを左折して少し行ったところで、2階建て。2階の客席をかたづけて椅子がならべてある。小さなピアノもあるから、野と花のライヴもできそうだ。日曜の鎌倉はすっかり観光地。若いアベックのデートコースになっているらしい。
ミュージシャンたちが店の美しい中庭で記念撮影していたけれど、夕食の支度をしなくてはならなかったから、終演後はすぐに失礼した。
会場で拾ったチラシのライヴ。どれも行きたいが、うーむ、全部はムリだな。(ゆ)
07/07(月)Open 19:00/ Start 19:30
長尾浩司×小松優衣子×須貝知世@Grapefruit Moon、三軒茶屋
予約2,300円 当日2,800円(ドリンク別)
w/ Spiral=erie×江部聖也×森島玲×丸茂睦
Opening Act やのかじ=矢野あいみ×かじみなみ
予約はこちら
☆ギター×コンサティーナ×フルート
07/23(水)Open 18:30/ Start 19:30
須貝知世×小松優衣子×中藤有花×長尾晃司@maruchan、田端
1,500円(ドリンク別)
予約、問合せはこちら
☆フルート×コンサティーナ×フィドル×ギター
07/25(金)Open 19:00/ Start 19:30
須貝知世×梅田千晶@さんさき坂カフェ、千駄木
投げ銭+オーダー
予約、問合せはこちら
☆フルート×ハープ
07/29(火)Open 19:00/ Start 19:30
北川有里×奥貫史子×梅田千晶@homeri、四谷三丁目
2,000円(+1オーダー)
☆パーカッション×フィドル×ハープ
コメント