ヒューゴーの編集部門、とりわけ Best Editor: Long Form について、マーティンがこれは事実上、生涯功労賞になっていると書いたら、そんなことはない、毎年ベストの編集者を選ぶのがタテマエだと食いついた人がいた。ルールの上ではそうだが、実際に前年の仕事を元に選ばれているわけではない、というマーティンの反論にはうなずける。誰が何を編集しているかは、どこかに発表されているわけではない。
そこで、マーティンは知合の編集者たちに呼び掛けて、昨年編集した本のタイトルを教えてもらい、ブログで発表している。一種のファン・サーヴィスではある。
さてヒューゴー賞事務局から PIN コードが送られてきた。候補作のノミネートと投票にはこのコードが必要になる。
候補作のノミネートの締切は3月末日23:59。2015年と1940年に発表された、または英語化された作品が対象。後者はレトロ・ヒューゴー賞だ。
それにしてもレトロ・ヒューゴーのカテゴリーも通常のヒューゴーと同じなのは、どうなんでしょうねえ。1940年にポドキャストがあった、というのはそれ自体サイエンス・フィクションだ。Best Graphic Story というのもなあ。アメコミはもちろんあったわけだけど、うーん『リトル・ニモ』も対象になるかなあ。Dramatic Presentation は『ファンタジア』で決まり、でしょう。
小説作品は『アスタウンディング』での「キャンベル革命」が実を結びはじめた頃だから、結構ありそうだ。ちょっとみると1月号にはハインラインの「鎮魂歌」が掲載されている。をを、『グレー・レンズマン』の連載最終回もあるぞ。でも、これ、本になるのは1951年だよな。こりゃあ、面白い。「レンズマン・シリーズ」本篇4冊は1937年から1948年にかけて雑誌連載されているのに、本になるのは1950年からなんだ。柴野さんが訳者あとがきにでも書いていたとしたら、見逃していた。おや、『銀河パトロール隊』は昨年のレトロ・ヒューゴーにノミネートされている。そう、ルールによればどんな形でも1940年に発表されたものが対象だから、『グレー・レンズマン』も今年候補になる資格がある。ちなみに『銀河パトロール隊』は受賞していない。この年のベスト長篇はT・H・ホワイトのアーサー王シリーズ ONCE AND FUTURE KING『永遠の王』第1部 THE SWORD IN THE STONE。
ふむ、レトロ・ヒューゴーの方は結構読んでいるかもしれない。アシモフ、クラーク、ハインラインはすでに活躍してるし、ブラッドベリも本格的に書きはじめている。(ゆ)
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