今月号の本誌「クラン・コラ」読物篇の洲崎さんの記事は読みごたえがありました。京都 field でのセッションのすばらしい体験に、読んでいても、体が浮き上がる気がしました。その場にいれば、ほんとうに体が浮き上がっていたかもしれません。
そういうセッション体験がそうそうあるものではないことはすぐわかります。セッションは生きものであり、良いライヴが稀なものである以上に良いセッションは得難いものであります。
一方でセッションはアイリッシュ・ミュージックの土台、これを支える最も基本的な場でもあります。これなくしてはアルタンもダーヴィッシュも、そしてチーフテンズも生まれえなかった。アイリッシュ・ミュージックが世界に広まったことは、日々、世界中で、無数のセッションが開かれていることです。
そのセッションを良いものにするには、いささかコツが要ります。セッションはうまくいくよりも、いかないことの方が多いものでありますが、このコツを身につければ、うまくいくことの方が多くなる。かもしれない。(笑)少なくとも、うまくいかないことが減る可能性は高くなるでしょう。
そのコツをわかりやすく、説いた本が出ます。それが『アイリッシュ・ミュージック・セッション・ガイド』です。著者はアメリカ人のバリー・フォイ。シカゴに生まれ、アイルランドで腕を磨いたベテラン。セッションの何たるかをカラダで熟知しているだけでなく、これをアイルランド以外の地でアイリッシュ・ミュージックを楽しむのに必要なものが何かもよく知っている。そういう人が書いた本なら、試してみる価値はあるでしょう。


この本は単にアイリッシュ・ミュージックのセッションのうまいやり方を解説しているだけではありません。つまり、プレーヤー、ミュージシャンのためだけの本ではないのです。同時にこれは、アイリッシュ・ミュージックとはどういうものか、そのキモを、きっちりと説いた本でもあります。
そして何より嬉しいのは、読んで大笑いできること。これを読めば、アイリッシュ・ミュージックについて、少し深く入りこむことができるとともに、ココロもハレバレ、明日も生きようという意欲が湧いてきます。
著者の盟友でやはりアイリッシュ・ミュージックのミュージシャンだったロブ・アダムズの、とぼけたスケッチが、著者のユーモアに絶妙のボケをかましてくれます。
この次セッションに行く前に、さらっと眼を通した上でポケットに突っ込んで行けば、いつもとは違うセッションになる。かもしれません(^_-)。少なくとも、陰々滅々に落ち込んだり、怒り心頭に発していたりしていても、少しはそれがやわらいで、いいセッションになる。かもしれません。
チーフテンズの公演会場で先行販売します。来月頭には、一般発売されます。これが売れてくれないと、訳者のあたしは年が越せません。どうぞ、皆さま、買うてくだされ。(ゆ)
追伸
あたしが書いた Ashley Davis は今年はルナサを迎えて、クリスマス・ツアーをやるそうです。ルナサをバックにうたうというのも贅沢でしょう。そのうち YouTube に上がるかな。

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