先日は台風24号が近付く雨のなかを、お越しいただき、ありがとうございました。
アイリッシュ・ミュージックのアナログ録音は1980年代末までで、最近のアナログ・ブームでも、アナログでのリリースはまだまだ少ないです。新しいところもそのうちレーザーターンテーブル+タグチ・スピーカーで聴いてみたいですが、この点では、スコットランドやイングランドの方が進んでいます。スコットランドも良い録音が多いので、チャンスがあれば、と願ってます。
当日かけた曲目のリストです。
01. Planxty, The Blacksmith from Planxty, 1973
アンディ・アーヴァインがリード・ヴォーカルをとり、アレンジも中心になっていて、後半は東欧風の曲調になります。もちろん、当時こんなことをしているのは、彼ら以外にはいませんでした。遙か後にアンディはデイヴィ・スピラーンと組んで《East Wind》を作ります。その布石にもなりました。《East Wind》はこれに参加していた Bill Whelan にも刺戟を与え、『リバーダンス』の東欧ダンスの曲に結実します。
02. Christy Moore, One Last Cold Kiss> Trip To Roscoff from Whatever Tickled Your Fancy, 1975
Christy Moore: vocal, bodhran
Donal Lunny: bouzouki, keyboards, vocal
Jimmy Faulkner: guitars
Kevin Burke: fiddle
Declan McNelis: bass
Robbie Brennan: drums
2曲のメドレーの1曲目はアメリカのバンド、Mountain のヒット曲。2曲めはトラディショナル。
03. Andy Irvine & Paul Brady, Arthur McBride
ポール・ブレディとアンディ・アーヴァインが作った名盤中の名盤。プロデュースはドーナル・ラニィで、ドーナル自身、数多いプロデュース作品の中でも最も印象が強いものと言ってました。メンバーは二人とドーナルにここでもケヴィン・バークがフィドルで参加。ただし、この曲はポールが一人でギターを弾き、うたっています。この歌の数多い歌唱のなかでも決定版と言われるもの。ポール自身、何度も唄い、録音しています。Transatlantic Sessions, Vol. 2 での歌唱はお薦め。
04. Mick Hanley & Micheal O Domhnaill, Biodh Orm Anocht from Celtic Folkweave, 1974
ボシィ・バンドの要、ミホールがボシィをやる前に、シンガー・ソング・ライターの Michael Hanley と作っていたアルバム。参加メンバーはリアム・オ・フリン、ドーナル・ラニィ、マット・モロイ、トゥリーナ・ニ・ゴゥナル、デクラン・マクニールズに、先ごろ亡くなったトミィ・ピープルズという布陣。プランクシティとボシィ・バンドの混成というのも面白いです。ただし、この曲はほぼ二人だけのヴォーカル。アイルランド語とスコティッシュ・ガーリックは親戚同士の言語ですが、ミホールたちの本拠ドニゴールはスコットランドと関係が深く、言葉も混合しているそうで、この歌はその混合した言葉でうたわれます。
05. Clannad, O bean a'ti, cenbuairt sinort from In Concert
初期クラナドの1978年のスイスでのライヴ録音。彼ら自身はこの頃をアマチュア時代と呼んでいますが、ぼくらにはこの頃こそが彼ら本来の音楽に聞えます。
06. Na Casaidigh, Fead An Iolair from Fead An Iolair
ドニゴールはグィドーア出身の Na Casaidigh 兄妹のバンドのセカンドのタイトル曲。
Aongus: bodgran
Fergus: guitar
Seathrun: bouzouki
Fionntan: fiddle
Odhran: uillean pipes
Caitriona: harp
07. Mairead Ni Mhaonaigh & Frankie Kennedy, Thios i dTeach a' Torraimh from Ceol Auaidh, 1983
同じくドニゴールはグィドーア出身のマレード・ニ・ウィニーがフランキィ・ケネディと作った最初のアルバムから、彼女の無伴奏アイルランド語歌唱。
08. The Chieftains, Round The House> Mind The Dresser from Live!, 1977
演奏能力では絶頂期のチーフテンズのライヴ録音から。この時期のチーフテンズのライヴを見たかった。
Kevin Conneff: bodgran
Michael Tubridy: flute, concertina, whistle
Sean Potts: whistle, bodhran
Paddy Moloney: uillean pipes, whistle
Sean Keane: fiddle
Derek Bell: harp
Martin Fay: fiddle
09. De Dannan, Love Will Ye Marry Me> Byrne's Hornpipe from Selected Jigs, Reels & Songs, 1977
Alec Finn: bouzouki
Frankie Gavin: fiddle
Charlie Piggot: banjo
Johnny Ringo McDonagh: bodhran
Johnny Moynihan: vocal
すみません、これ、順番がわからなくなったので、とりあえず、ここに入れときます。デ・ダナンは何をやってもすばらしいですが、ぼくはホーンパイプをやる時が一番好きです。後には「ヘイ・ジュード」をホーンパイプに仕立てたりもしました。
10. Dolores Keane, The Bantry Girl's Lament from There Was A Maid, 1978
第二次世界大戦後、現在にいたるまで、アイリッシュ・ミュージック最高のシンガーといえばこの人。その絶頂期の録音。バックのミュージシャンのクレジットがオリジナルのレコードにはありません。
11. Dolores Keane & John Faulkner, Mouth Music from Broken Hearted I'll Wander, 1981
こちらはイングランド人ジョン・フォークナーのプロデュースによる口三味線の録音。強烈にアイリッシュしてます。
12. Kevin Burke & Micheal O Domhnaill, Coinleach Ghlas an Fhomhair from Promnade, 1979
ミホールがボシィ・バンドの同僚ケヴィン・バークと作った、ボシィ・バンドとは対照的に静かな音楽。このコンビの録音はアルバムがもう1枚とライヴ・ビデオがあり、どちらもすばらしいです。
13. The Bothy Band, Music in the Glen from Old Hag, You Have Killed Me, 1976
静かな音楽を聴くと、やはりボシィ・バンドが聴きたくなるのは不思議。
14. 中村大史, July 22nd from Guitarscape, 2017
わが国を代表するアイリッシュ・ミュージシャンの中村さんのギター・ソロから、かれのオリジナル曲。
歌の歌詞などはまた後日。(ゆ)
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