ミホール・オ・スーラウォーンが11月7日に67歳で亡くなったそうです。Irish Times の記事はこちら。より詳しい Journal Of Music の記事はこちら。 

 ショーン・オ・リアダの直弟子で、ピアニスト、作曲家、そして何よりも伝統音楽をアカデミズムの世界に導入した立役者でした。はじめ、コーク、後リマリック大学で伝統音楽のコースを作り、伝統音楽を学問として学び、研究できる環境を確立しました。このコースには世界中から学生が入っています。日本からも何人も留学しています。

 音楽家としては伝統音楽とクラシックの融合を、オ・リアダから受け継いで推進しました。今では伝統音楽のミュージシャンがクラシックの技法も学ぶのは珍しくありませんが、これもオ・スーラウォーンが礎石を据えたと言っていいと思います。

 伝統音楽をピアノで演奏することの開拓者でもありました。もっともピアニストとしてはクラシックよりもジャズが好きだったようで、かれの演奏はその点でもユニークです。伝統音楽からジャズの即興を展開し、また元の曲にもどる演奏はかなり面白いのですが、これといった後継者はまだ出ていないようです。むしろマーティン・ヘイズや Iarla O Lionaird がその精神を受け継いで展開しているようでもあります。

 ショーン・オ・リアダの Ceoltoiri Chualann での活動はパディ・モローニとチーフテンズが引き継ぎましたが、作曲と伝統音楽を学問研究の対象にする方を受け継いだのがオ・スーラウォーンでした。その意味で、こんにちのアイリッシュ・ミュージックの隆盛の一方を担った人であります。

 

 ご本人は来世の存在を信じていたそうで、そちらでまた音楽を楽しんでいることを祈ります。合掌。(ゆ)