「今日は1日ケルト音楽三昧」に放送前にいただいていたリクエストのうち、用意しながらかけられなかったものの一部について書いておきます。
#zanmai
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まず、Mick Hanly, Farewell Dearest Nancy。
1976年のソロ・ファースト《A Kiss In The Morning Early》冒頭のトラックですが、CD化されてません。これに限らず、Mulligan の初期はCD化されていないのは残念であります。アナログ自体も手許にはありませんでした。
リクエストでは「Mick Hanlyでなく、おすすめのアーティストでも可」ということで、オーストラリアのバンド Trouble In The Kitchen が《When The World Was Wide…》(2003) でとりあげています。演奏自体はたぶんハンリィのものをお手本にしてます。こちらのシンガーは女性。
あらためて聴いてみると、これはどちらも名曲名演で、どうしてもっと唄われないのか、不思議なくらい。
ミック・ハンリィはリムリック出身。クリスティ・ムーアやドーナル・ラニィと同世代のシンガー・ソング・ライターで、Moving Hearts でムーアの後継者としてリード・シンガーを務めました。ソングライターとしては、ジミィ・マカーシィ、ノエル・ブラジル、ドナ・ロングなどと並んで、今やアイルランドを代表する一人です。
歌の代表としては〈Past the Point of Rescue〉があります。1988年にメアリ・ブラックがカヴァーしてアイルランドでヒット。1992年にはアメリカのハル・ケチャムが唄って、カントリー・チャートでゴールド・ディスクを獲得する大ヒットになりました。この曲のハンリィ自身の録音は《All I Remember》(1989) 収録。今でも元気で、最近はドーナルとツアーしています。この人の経歴と歌はなかなか面白いので、いずれあらためて。
以下は楽曲のみで、ミュージシャンの指定が無かったもの。
〈Hector the Hero〉
スコットランドの James Scott Skinner の曲。スキナー (1843-1927) はスコットランド特有のビートであるストラスペイの名曲を多数作り、The King of Strathpey と呼ばれ、またスコットランドのフィドル奏法を一新したと言われる人ですが、この曲はストラスペイではなく、ゆったりとした名曲。
John Cunningham が Celtic Fiddle Festival の《Encore》(1998) でギターと二人だけで演奏しているのも捨てがたかったのですが、ティム・エディがソロ・アルバムで Charlie McKerron と二人で演っているのがとびきりの名演です。ここではエディはギターだけでなくアコーディオンも聞かせます。
〈Road to Lisdoonvarna〉
有名なアイリッシュ・リールで、名演がたくさんあります。選んでいたのは
わが国のハマー・ダルシマー、ギター、バゥロンのトリオ Hammerites がデビュー作《Hammerism》(2017) でやっているもので、〈Butterfly> Road To Lisdoonvarna> Swallowtail〉というメドレー。
〈The coming of spring〉
アイリッシュのジグで、選んでいたのは Dave Flynn が《Draiocht(魔法)》(2006) で〈Drowsy Maggie> The Coming of Spring〉のメドレーでやっているトラック。フリンは昨年正月に来日しているアイルランドのギタリスト。その時のレポートはこちら。伝統音楽からジャズ、クラシックまでカヴァーする幅の広い人です。この録音はギター・ソロで、アイルランドではこういうことをしている人は他にはほとんどいません。
〈Jolly Tinker〉
これも有名なアイリッシュ・リールで、たくさん録音があります。選んでいたのは、Michael McGoldrick が《Wired》(2006) に収めているもの。例によってすっとんだ演奏。これも後にメドレーで続きますが、今、CDが手許になく、すみません、これも後日。
放送中にいただいたリクエストは NHK でリストアップしてますが、多すぎて、もう少し時間がかかりそうです。(ゆ)
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