皮膚科がようやく開いたので電話する。予想通り、なかなか通じないが、念力で通す。薬だけもらえないかと頼み、それなら今日でもOKというのですぐに支度をして出かける。無事、痒みどめの飲み薬と無くなりかけていた塗り薬をもらえてほっとする。

 慶福楼で昼食をとり、早速に痒みどめを飲んで、上京。ちょうどロマンスカーがあったので乗る。カネはかかるがこの方がソーシャル・ディスタンスがとれる。秋葉原のファイナル・ストアに試聴室の予約を入れておいた。新しく出たシルバーコート・ケーブルの HD600 シリーズ用を聴くためだ。愛用の HD414 で試す。ところが左チャンネルの音が出ない。比較のため持参したブリスオーディオの TOTORI や onso のケーブルでは問題がない。コネクタのきつさも TOTORI と同じくらい。念のため 2.5mm プラグのケーブルでも試すが、同じだ。左右を逆にするとやはり右からしか音が出ない。となると、この個体の左チャンネルのコネクタとケーブルのプラグが合っていないのだろう、とスタッフの熊五郎氏が言われるのは、その通りだろう。むむう、しかし、残念無念。

 試聴室に入ってまず TOTORI で聴いてみたのだが、その音の良さに驚いた。ソースは FiiO M11Pro で、Pure Music モードにして DSD 変換をオンにしてある。林正樹のバンド、間を奏でるのセカンド《Green Chorus》の中の〈櫂〉。録音優秀(MA Recordings の Todd Garfinkle による)、演奏もトップ・クラス、そして曲が面白い。アイリッシュ・ハープ、フィドル、エレキ・ベース、ピアノ、それに多彩なパーカッションという、音量も音の性質もかけ離れた楽器のアンサンブルで、試聴にはちょうどいい。TOTORI は試聴用に借りているもので、ここ数日聴き続けて、常用している onso との違いもわかってきていたが、この試聴室で聴くとまるで別物。これが実力か。防音ということもあるのだろうが、それだけでもない気もする。この試聴室が欲しくなる。これはヤマハ製の「マイルーム」で、家の中に造る形。サイトをみると工事費含めて60万ぐらい。オープン・タイプのヘッドフォンの場合は聴く環境もモノをいう。ヘッドフォンでも部屋は大事なのだ。本気でオーディオ・ルームを造ろうとすれば、ウン百万からかかるわけだが、ヘッドフォンなら数十万でできると考えればやはり安上がりか。

 せっかく来たので、イヤフォン・ケースの2を買って辞去。まっすぐ帰る。帰りも、うまくロマンスカーがあったので乗る。ここ数日、痒みでよく眠れず、ゆったりすわっているとうつらうつらしてあやうく乗り過ごしそうになる。

 FiiO M11Pro の Pure Music モードへの切替方法がどうしてもわからず、やむをえず輸入元のエミライに問い合わせた。どこの画面でもいいから、画面上端からのスワイプで出てくる Android モード切替で切替える。切り換えると FiiO Music のみ立ち上がり、他は一切操作できなくなる。ゲインの切替や DSD 変換のオン・オフを行う「設定」も出てこない。これをやるには Pure Music をオフにしなければならない。

 Pure Music モードへの切替の件は唯一付いているクイックスタート・ガイドにも、公式サイトのFAQにも、どこにも無い。再度エミライに問合せると、M11 のファームウェアの 1.0.6 へのアップデートの記事にある、との答え。見ると確かにあるが、ここにしかないのはいくらなんでも不親切。M11 を経由せず、M11Pro をいきなり買ったあたしのような人間は、旧機種の古いファームウェア・アップデートの注記なんぞ、見るはずがない。M11Pro は THX、Pure Music モード、DSD変換を備えて、現状最強の DAP、THXの無い M15 より上ではないかとすら思うが、とにかくマニュアルが無いのは困る。これの前に買った HiBy R5 もマニュアルがなく、沢山ある設定項目の半分は何を設定して、どうなるのか、まるでわからない。中国製品はモノは良いが、こういう周辺環境がマイナス。輸入元の人手不足か。

 DSD 変換は何でもかんでもこれにすればいいというわけでは無さそうだ。音楽のスタイルと録音の質を選ぶと思う。しかし THX と Pure Music モードはどちらも強力。後者は R5 も備えていると謳っているが、デフォルトで入っているのか、設定するスイッチはこれまたどこにも見当たらない。

 本厚木まで帰ってきて、いつも買うパン屋がすべて夏休みで閉まっているので、最近できた食パン専門店の Pan Pa Pan でパンを買ってみる。甘いのと甘くないのと2種類あるというので、もちろん甘くない方にする。が、こちらはまた味が無い。不味くもないが、旨くもない。見るといろいろ入ってもいる。「本厚木店」とあるから、チェーン店の一つだろう。検索すると「高級食パン専門店」のチェーンがブームになっているらしい。本厚木駅周辺にも二つもできるくらいだ。どちらのも食べてみたが、どちらもパンとは別のもので、これも一過性。(ゆ)