4月16日・金

 Asimov's の最新号が配信になって、早速ダウンロードして編集長巻頭言に眼を通す。と、なんと、F&SF の編集長に就任したばかりの Sheree Renee Thomas がアシモフ誌の書評担当になるという。こういうのアリか。たとえて言えば『文學界』の編集長が『群像』の書評を書くようなもんではないか。まさか、合併なんてないよな。

 Michelle West が4ヶ月ぶりに消息を出す。右肩をケガしたり、家の台所の水廻りの改修があったりでたいへんだったらしい。もちろんパンデミックの中でのことでもある。

 火曜日、日本時間水曜日にヒューゴーの最終候補が発表になっていた。長篇とノヴェレットは全部女性、他も圧倒的に女性が多いのはここ数年の傾向で、前世紀とは完全にひっくり返っている。それだけ女性の投票が増えたこともあるのだろう。

 長篇は予想の範囲内。スザンナ・クラークが入ったのはちょと意外ではある。ネビュラと両方ファイナルに入った。ネビュラと重なっているのは
 
Network Effect, Martha Wells 
The City We Became, N.K. Jemisin
Black Sun, Rebecca Roanhorse

受賞はずばり Rebecca Roanhorse と予想しよう。

Black Sun (Between Earth and Sky)
Roanhorse, Rebecca
Gallery / Saga Press
2021-06-29







 また
 
A Wizard’s Guide to Defensive Baking, T. Kingfisher

 がネビュラとヒューゴーの Young Adult 部門の賞 Lodestar に入っている。

Elatsoe, Darcie Little Badger

 がネビュラの YA 部門 Andre Norton と Lodestar に重複。

 ノヴェラはとうとう Tor.com Publishing で独占された。

 ノヴェレットにアリエット・ド・ボダールが入っているのは嬉しい。が、まあ受賞は無理だろうなあ。

 ヒューゴー最終候補で

“Helicopter Story”, Isabel Fall (Clarkesworld, January 2020)
“Monster”, Naomi Kritzer (Clarkesworld, January 2020)

 が Locus 推薦リストにない。しかもこの二つ、同じ雑誌の同じ号の掲載だ。

 ショート・ストーリィでは

“Metal Like Blood in the Dark”, T. Kingfisher (Uncanny Magazine, September/October 2020)

 が Locus 推薦リストにない。


 Best Series のうち存在を知らなかった The Daevabad Trilogy, S. A. Chakraborty は中東ベースの架空世界の話で、Netflix で映像化が予定されている。この人も女性で、名前からするとインド・パキスタン系か。

 Best Related Work に Lynell George のオクタヴィア・E・バトラーの伝記が入っているのが面白い。著者も若い黒人の女性。特にSFFのファンや関係者ではないらしいところが面白いんだが、ヒューゴーでの評価はどうか。今、ぼちぼち読んでるところで、カリフォルニア州サン・マリノにある Huntington Library 所蔵のアーカイヴにあるバトラーの遺品、草稿、メモなどを材料にして、ヴィジュアルと文章でバトラーの作家への歩みを浮かびあがらせる。 LOA のバトラーの巻の編者の一人 Gerry Canavan も薦めていた。獲れるといいな。LRB に書評があった。


 

 しかしこの部門の最終候補に上がっているタイトルは Locus Recommended に1冊も入っていない。これも面白い。

 Best Graphic Story or Comic にそのバトラーの Parable Of The Sower のグラフィック・ノヴェルがあるのにちょっと驚く。これは知らなかったから、買ってみよう。今やっているバトラーの Parable 二部作の第一部。ということは第二部の Parable Of The Talents も出るんだろうな。Sower の初稿は脱稿しているが、参考になるかな。アマゾンを見たら、Kindred もグラフィック・ノヴェルが出ていた。アメリカも増えてきたなあ。


 

 今回の世界SF大会 DisCon IIIは史上初のゲスト・オヴ・オナーの招待取消があったり、会場になるはずのホテルが倒産して、急遽新たな会場を探す羽目になったり、いろいろ大変だ。結局新会場は確保できたものの、日程が変更になった。いつもは8月で、ヒューゴーの発表は各種の賞のしめくくりだったが、今年は12月で、ほぼ1年遅れになるわけだ。


 散歩でインターバル速歩を本格的にやってみる。ゆっくりと速歩を3分交替で5本、30分。結構きつい。最後の速歩を終るとはーはーぜーぜー。その後、いつもの歩きにもどるまでかなりの時間を要する。今日は下りと平坦地でやってみる。次は登りも入れるか。(ゆ)