5月21日・金

 朝から雨。夕刻、止んだように見えたので散歩に出る。出るとぱらぱら降っていて、歩いているとだんだん強くなり、風もあって川縁に出ると横殴り。それほど激しくはない。他にも散歩している人たちがちらほら。インターバル速歩のノルマを果たしただけでとっとと帰る。雨は帰りつく頃に止む。

 マイケル・ビショップ『時の他に敵なし』見本着。なかなかインパクトがある。装幀も厚さも値段も。まんまの邦題だけど、こうしてみると案外決まっている。ネビュラのご利益がありますように。

nebtsmpl


 散歩で聴いていたグレイトフル・デッド Dave's Picks Bonus Disc 2021 収録の 1973-09-07, Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, NY、があんまり良いので、夜、久しぶりにヘッドフォン・アンプをかまして聴いてみる。Eye of the World のジャムが半端じゃない。尋常ではない時のデッドの中でも尋常ではない。歌が終ってまずベースのソロがすばらしく、その後のガルシアのギター。ガルシアはテクニシャンではないからギタリストとしての人気投票では上位に来ないが、意表をついてあふれ出てくる楽想は、ジャズの即興も含めて右に出る者はいない。一見誰にでも弾けそうな、ごくシンプルなメロディ、フレーズを重ねて、この世の則を超えてゆく。この Eyes of the World はそういう中でも抜きんでている。ガルシアを押しあげているのがキースの鍵盤で、この頃のキースは積極的にジャムにからんで、ガルシアと対話もする。そしてベースとドラムス。ハートが不在の単独の時期だけど、クロイツマンはハートの穴を埋めようとしてか、むしろ鬼神のごとくに八方破れに暴れまわる。ウィアのギターの音が小さい。1973年は前年の影で目立たない印象だったけど、こうなるとちゃんと聞きなおしてみよう。(ゆ)