6月5日・土
 
 Washington Post Book Club に紹介されていた、グーテンベルクから現代までのタイポグラフィーに関する本の展覧会。こういう本には何時間でも浸っていられそうだ。ここには近代朝鮮語の印刷についての本があるけど、日本語の印刷についての本を見たい。トッパンの印刷博物館も再開したようだし、また行ってみるか。ちょうど面白そうな展示をしているし。


 今日の DNB のフリー配信 George Henry Chatham [nicknamed Taters] (1912–1997), thief。ロンドンのフラム生まれ。18歳で初めて盗みで有罪となる。金持ちや贅沢品の販売店ばかり狙い、基本単独で実行。最も派手なのはヴィクトリア&アルバート博物館からウェリントン公爵の宝剣二振りを盗んだこと。これでは捕まらなかった。というより、晩年、衰えるまで、ほとんど捕まっていないらしい。その盗みは犯人不明のままマスメディアで喧伝される。仇名の Taters は cold のライミング・スラング taters in the mould からで、その冷静沈着なことからついた。生涯に盗んだ総額は推定100万ポンド、刑期35年に相当すると言われた。70代半ばまで「現役」。どうしようもないギャンブル中毒で、それだけ稼ぎながらすべて注ぎこみ、しかもいかさま賭博で巻きあげられ、ほとんど常に無一文。ヴィクトリア朝ならいざ知らず、20世紀にこんな泥棒が実在したとは驚き。標的にされた連中も含めて、実にイングランドだ。こういう項目がちゃんとあるのもさすが DNB。(ゆ)