9月11日・土

 駅前の皮膚科へ往復のバスの中で HS1300SS でデッドを聴いてゆく。このイヤフォンはすばらしい。MP3 でも各々のパートが鮮明に立ち上がってくる。ポリフォニーが明瞭に迫ってくる。たまらん。他のイヤフォンを欲しいという気がなくなる。FiiO の FD7 はまだ興味があるが、むしろ Acoustune の次のフラッグシップが気になる。それまではこの1300で十分で、むしろいずれケーブルを換えてみよう。



##本日のグレイトフル・デッド

 9月11日には1966年から1990年まで、10本のショウをしている。うち、公式リリースは1本。ミッキー・ハートの誕生日。だが、2001年以降、別の記念日になってしまった。


1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA

 単独のショウではなく、ジャズ・クラブのためのチャリティ・コンサート。"Gigantic All-Night Jazz/Rock Dance Concert" と題され、他の参加アーティストは John Hendricks Trio, Elvin Jones, Joe Henderson Quartet, Big Mama Thornton, Denny Zeitlin Trio, Jefferson Airplane, the Great Society そして the Wildflower。料金2.50ドル。セット・リスト無し。ジャンルを超えた組合せを好んだビル・グレアムだが、実際、この頃はジャズとロックの間の垣根はそれほど高くなかったのだろう。

 ちなみにデニィ・ザイトリンは UCSF の精神医学教授でもあるピアニスト、作曲家で、映画『SF/ボディ・スナッチャー』(1978年のリメイク版)の音楽担当。


2. 1973 William And Mary Hall, College Of William And Mary, Williamsburg, VA

 2日連続ここでのショウの初日。ここでは1978年まで計4回演奏していて、どれも良いショウのようだ。1976年と1978年のショウは各々《Dave's Picks》の Vol. 4 と Vol. 37 としてリリースされた。

 このショウでは前座の Doug Sahm のバンドからサックスの Martin Fierro とトランペットの Joe Ellis が一部の曲で参加している。マーティン・フィエロはジェリィ・ガルシアの個人バンドにも参加している。またブルース・ホーンスビィが一聴衆として、おそらく初めて見ていたそうだ。


3. 1974 Alexandra Palace, London

 2度めのヨーロッパ・ツアー冒頭ロンドン3日間の最終日。このショウの前半から6曲が《Dick’s Picks, Vol. 07》に収録された。が、ほんとうに凄いのは後半らしい。

 とはいえ、この前半も調子は良いし、とりわけ最後で、実際前半最後でもある〈Playing in the Band〉は20分を超えて、すばらしいジャムを展開する。この日の録音ではなぜかベースが大きく、鮮明に聞える。アルバム全体がそういう傾向だが、この3日目は特に大きい。ここでは誰かが全体を引張っているのではなく、それぞれ好き勝手にやりながら、全体がある有機的なまとまりをもって進んでゆく。その中で、いわば鼻の差で先頭に立っているのがベース。ガルシアはむしろ後から追いかけている。この演奏はこの曲のベスト3に入れていい。

 それにしても、この3日間のショウはすばらしい。今ならばボックス・セットか、何らかの形で各々の完全版が出ていただろう。いずれ、全貌があらためて公式リリースされることを期待する。


4. 1981 Greek Theatre University of California, Berkeley, CA

 2日連続このヴェニューでのショウの初日。ここでの最初のショウ。前売で11.50ドル、当日13ドル。

 この日は、開幕直前ジョーン・バエズが PA越しにハートに「ハッピー・バースディ」を歌ったそうだ。


5. 1982 West Palm Beach Civic Center, West Palm Beach, FL

 後半冒頭 Scarlet> Fire> Saint> Sailor> Terrapin というメドレーは唯一この時のみの由。


6. 1983 Downs of Santa Fe, Santa Fe, NM

 同じヴェニューの2日め。ミッキー・ハート40歳の誕生日。


7. 1985 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA

 地元3日連続の中日。80年代のこの日のショウはどれも良いが、これがベストらしい。


8. 1987 Capital Centre, Landover , MD

 同じヴェニュー3日連続の初日。17.50ドル。6年で6ドル、35%の上昇。デッドのチケットは相対的に安かったと言われる。


9. 1988 The Spectrum, Philadelphia, PA

 4本連続ここでのショウの3本め。前日の中日は休み。


10. 1990 The Spectrum, Philadelphia, PA

 ここでの3本連続の中日。(ゆ)