1002日・土

 仕事で横浜に出る。自主ロックダウンが解けた最初の週末、天気も上々とて、人手はたくさん。訪問先がホテルだったので、結婚式らしい振袖姿の女性も複数いる。解除を見越していたのか。

 今年2月、人間ドックのために泊まった新宿のホテルはがらがらで、値段はパンデミック前の半分に下がっていて、さらにチェックインの時、満室なので部屋をアップグレードさせていただきます、と言われる。一方で高級と言われるホテルは逆にパンデミック以前の倍あるいはそれ以上に値段を上げているそうな。それで稼働率3割の方が、半分にして満室にするより、利益率は高いし、高くても来る客は付属のレストランなどでカネを落としてくれるという計算。客が少なければサーヴィスの質を上げられて、来た客はよりいい気分になれるから、また来る。なるほど。

 とはいえ、人間ドックの時は、朝早くて、朝食抜きだからホテルを使ったけど、普段は使うあてもないのよねえ。それ以外にこれまで都心のホテルに泊まったのは、仕事を除けば、自分たちの結婚式の時と、義父が年とってから年末年始をかみさんの一族と一緒に過ごした時だけだ。


##1002日のグレイトフル・デッド

 1966年から1994年まで10本のショウをしている。公式リリースは4本。

1. 1966 Commons, San Francisco State College, San Francisco, CA

 トリップ・フェスティヴァルの3日目。この日、午後3時まで、ということになっていた。この日の録音は残っている。また、この日、Merry Pranksters の放送があり、ガルシアはそこでオルガンを弾いたようだ。

2. 1969 Boston Tea Party, Boston, MA

 Bonzo Dog Band とのダブル・ビル。会場は1967年から1970年まで運営されたコンサート会場で、DeadBase XI によれば定員1,500。この時期、名の通ったロックやブルーズのアクトは軒並ここに出ている。フィルモア・イーストのボストン版というところ。このヴェニューは元々の場所が火事にあったため、この時期はかつてのライヴァル The Ark の場所に移っていた。デッドがこの年4月に出た同じ会場で、今回はヴェニューの名前が変わっていたわけだ。ここにはこの10月と年末ぎりぎりの2度、どちらも3日連続で出ている。

 当時のライヴ評によればガルシアはペダルスティールを弾き、トム・コンスタンティンがオルガンを弾いている。

 ちなみにボンゾ・ドッグ・バンドはまだ『モンティ・パイソン』が放映されていなかったアメリカでは、まっとうに受けとめられなかったらしい。

03. 1972 Springfield Civic Center Arena, Springfield, MA

 秋のツアー前半の最終日。前半5曲目〈Bird Song〉が2012年の、後半2曲目の〈He's Gone〉が2018年の《30 Days Of Dead》で、各々リリースされた。

 どちらも見事な演奏。とりわけ後者。ブリッジのハーモニーがよく溶けあっている。始めのうち、トラブルかウィアのギターが聞えないが、コーラスには参加している。後半、演奏を延々と続け、コーラスが再度入る。この2度のコーラスをはさんでガルシアのソロが三度。どれも愉しい。

 後者、演奏の前に、後ろから押されて前の方の客が潰されそうになっている、と言って、ウィアがおれが Step と言ったら、みんな一斉に一歩下がってくれ、とアナウンス。バンドのバックとともに掛け声を出す。後に、"Step back game" と名付けて、恒例の行事となる。座席がなかったり、あるいは聴衆が座席を無視して、前に押しかけていたのだろう。

04. 1976 Riverfront Coliseum, Cincinnati, OH

 後半オープナーの〈The Music Never Stopped〉が2016年の、後半の後半〈The Other One> Stella Blue> The Other One> Sugar Magnolia〉の30分を超えるメドレーが2017年の《30 Days Of Dead》で、各々リリースされた。

 いずれも質の高い演奏で、この日は調子が良い。いわゆるオンになっている。

05. 1977 Paramount Theatre, Portland, OR

 2日連続の2日目。この2日間の録音は Betty Board tapes の一部。ということは、今後公式リリースされる可能性が大きい。

 〈Casey Jones〉でガルシアがブリッジを歌いだすタイミングをとりそこね、長いジャムをやって再度ガルシアが入るところへもどったため、この歌のベスト・ヴァージョンの一つが生まれた、そうだ。

06. 1980 Warfield Theatre, San Francisco, CA

 15本連続の6本目。第三部、エレクトリック・セットの後半2〜4曲目〈Comes A Time> Lost Sailor> Saints of Circumstances〉が2016年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。

 この秋の一連のレジデンス公演からは《Reckoning》《Dead Set》の二つのライヴ・アルバムが作られ、アコースティック・セットもエレクトリック・セットもともに非常に質の高い演奏であることは明白だ。全貌をボックス・セットの形でなるべく早くリリースしてもらいたい。と、この3曲のメドレーを聴くとあらためて思う。この2枚の50周年記念は2030年なわけで、それまで生きているかどうか、自信は無いのだ。

Reckoning
Grateful Dead
Arista
1990-11-27

 
デッド・セット
グレイトフル・デッド
BMGインターナショナル
2000-09-06

07. 1981 Rainbow Theatre, London, England

 ロンドンでの4本連続の初日。

08. 1987 Shoreline Amphitheatre, Mountain View, CA

 3日連続の初日。後半冒頭からの3曲〈China Cat Sunflower> I Know You Rider; Man Smart, Woman Smarter〉の映像が《All The Years Combine Bonus Disc》でリリースされた。

 このボックス・セット、数年前に買ったまま、今だに見ていない。これを機会に見ようとしたら、再生装置が無かったのだった。つくづく、あたしは映像人間ではない。 

09. 1988 Shoreline Amphitheatre, Mountain View, CA

 3本連続の最終日。

10. 1994 Boston Garden, Boston, MA

 6本連続の5本目。前日の余韻はまだあったようだ。(ゆ)