1011日・月

 田川建三さんの講座で軽井沢に往復。3ヶ月ぶり。中軽井沢正午前着。かぎもとやに駆けこむ。直後から客がどんどん。三度めにして大盛りとけんちん汁。このくらいの量でようやく蕎麦の旨さがわかる。汁の良いのも改めて味わう。1軒置いたならびの喫茶店、インドカレーをやっている。ナンもある。次に試すか。講座はイントロから徐々に本題に入ってきて、俄然面白くなった。


 往復、A4000+M11pro でデッドを聴いてゆく。音は良い。が、左耳が痛くなる。イヤチップは最小のものにしてあるのだが。イヤフォンはこれが問題。


 帰ると Grateful Dead, Listen To The River ボックス・セットが着いていた。輸入消費税1,200円をとられる。The Murphy Beds, Easy Way DownThe Irish Consort, Music, Ireland And The Sixteenth Century のCD着。




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本日のグレイトフル・デッド

 1011日は1968年から1994年まで9本のショウをしている。公式リリースは3本。


1. 1968 Avalon Ballroom, San Francisco, CA

 3日連続のショウの初日。ハガキが残っていて、共演者として Lee MichaelsLinn CountyMance Lipscomb の名がある。

 リー・マイケルズは1945年生まれ。ハモンド・オルガンの名手でソウルフルなシンガー、と Wikipedia にある。1971年に〈Do You Know What I Mean〉がトップ10ヒットとなる。

 リン・カウンティは1968年から1970年の間に3枚アルバムを出したブルーズ・ベースのロック・バンド。というのは Wikipedia で、Discog ではサイケデリック・バンド。アイオワ州リン・カウンティ出身で、後サンフランシスコに移る。

 マンス・リプスコゥム (1895-1975) はテキサス出身のブルーズ・シンガー、ギタリスト、ソングスター。1960年にファースト・アルバムを出し、1963年のモンタレー・フォーク・フェスティヴァルに出演。録音は多くない。自伝がある。


2. 1970 Marion Shea Auditorium, Paterson State College, Wayne, NJ

 昨日の Colden Auditorium, Queens College, New York, NY と間違えた。こちらが昨日の記述にあたるショウ。4ドル。大学の在学生は3.50ドル。夜7時開演。テープとセット・リストは残っていて、それによると1時間半の一本勝負。招聘に関わった人物によると、バンド・メンバーの半分が空港からタクシーでどこかへ行ってしまい、実際のスタートは夜11時を過ぎていた由。


3. 1977 Lloyd Noble Center, University of Oklahoma, Norman, OK

 前半9曲のうちオープニングの3曲〈Help On The Way> Slipknot!> Franklin's Tower〉、7曲目の〈Sunrise〉、ラストの〈Let It Grow〉が《Road Trips, Vol. 1 No. 2》で、後半8曲のうちオープニング2曲とラスト3曲が《Dick's Picks, Vol. 29》でリリースされた。ただし、後者は当初のCD版のみの収録で、後に出たダウンロード版には含まれていない。あたしはCD版は持っていない。

 さすがに1977年の公式リリース、ベストの時のデッドの精髄だ。〈Sunrise〉はドナ・ジーン・ガチョーの持ち歌で、この録音は歌いだしでマイクが外れているが、演奏は良い。


4. 1980 Warfield Theater, San Francisco, CA

 15本連続の13本目。オープナーの〈Dire Wolf〉と5曲目〈Deep Elem Blues〉が《Reckoning》で、第二部5、6曲目の〈Loser〉〈Passenger〉が《Dead Set》でリリースされた。

 〈Loser〉がすばらしい。最初にデッドにハマった時以来、この歌は大好きなのだが、これはまた一段と染み入る演奏。"I got no chance of losing this time" というキメのセリフの切なさが最高。これだけ負けつづけていれば、確率からして、次は負けるはずはない。むろん、かれは次も負ける。たぶん、本人もそれはわかっている。が、認めるわけにはいかない。ハンター&ガルシアはギャンプラーをよく歌の題材にとりあげるが、この歌はその中の最高傑作だと思う。このコンビの歌としてもベストの一つだ。


5. 1981 Club Melk Weg, Amsterdam, Netherlands

 ガルシアとウィアによるアコースティック・セットで、グレイトフル・デッドのショウには数えられていない。


6. 1983 Madison Square Garden, New York , NY

 2日連続の1日目。後半、Drums の後〈St. Stephen〉が1979-01-10のニューヨーク州ユニオンデイル以来4年ぶりに演奏され、デッドヘッドは狂喜乱舞した。しかしこの曲はこの後、2度、同じ月の内に演奏されて終りとなる。初演は1968年6月。計169回演奏。スタジオ盤は《Aoxomoxoa》。明らかにイングランド伝統歌をベースにしたメロディ、聴く度にガルシアはフェアポートを聴いていたのか、と思う。ブリッジではクラシックの換骨奪胎もやる。もっともこの通称 William Tell bridge は後期には演奏されなくなる。デッドヘッドにはなぜか人気があり、レパートリィから外れても繰返しリクエストされたが、バンドは「あの曲は忘れた」と言ってついに復活しなかった。

 それは別としても、ショウ全体としてもベストの一つだった由。


7. 1984 Augusta Civic Center, Augusta, ME

 2日連続の1日目。12.50ドル、午後8時開演。この2日間も良いショウだった由。この日後半の〈Playing In The Band〉は終っておらず、翌日に戻ることになる。


8. 1989 Meadowlands Arena, East Rutherford , NJ

 前半5曲目〈When I Paint My Masterpiece〉が《POSTCARDS OF THE HANGING》で、後半オープニングの〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉が2020年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。

 どちらも見事な出来。前者はこの歌のデッドのカヴァーのベストの一つ。


9. 1994 USAir Arena, Landover, MD

 3日連続の最終日。この日の Drums または Rhythm Devils にはガルシアも参加した。(ゆ)