10月14日・木

 FiiO M17 予告。うーん、しかし、本家のサイトからは消えていて、まあ、出ることは出るんだろうけれど、年内に出れば、というところか。M11Pro はまだぴんぴんしてるし、何度も落として、あちこち傷だらけで売れそうにないし、こいつはとことん使い倒すつもり。それよりは FD7 + FDX用ケーブルかなと思ったりもする。


##本日のグレイトフル・デッド

 1014日は1967年から1994年まで9本のショウをしている。公式リリースは4本。うち完全版1本。


1. 1967 Continental Ballroom, Santa Clara, CA

 共演に The Powers Of Evil Om

 サンタ・クララはサンフランシスコ湾南端のすぐ南の町で、サンフランシスコに行くルートとオークランドに行くルートが別れるところ。西隣がクパティーノ。会場はここのローラースケート・リンクを改装したもので、フィルモア・ウェストやアヴァロン・ボールルームに相当するものとして1967年にオープン。柿落しはビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーとクィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス。デッドはここで1966-12-21以来5回演奏し、これが最後。セット・リストは DeadBase XI に4曲挙げられている。


2. 1976 Shrine Auditorium, Los Angeles, CA

 2日連続の初日。この2日間でこの年のツアーは完結し、後は大晦日の年越しショウのみとなる。そのツアーの完結篇として、前半はトロトロで、後半の後半からスイッチが入り、翌日は大爆発、だったそうだ。


3. 1977 Hofheinz Pavilion, University of Houston, Houston, TX

 7.50ドル。午後7時半開演。

 前半2、3曲目〈Mississippi Half-Step Uptown Toodeloo〉〈El Paso〉、後半4曲目〈Playing In The Band〉とその返りが《Road Trips, Vol. 1 No. 2》で、前半6曲目〈Loser〉が同ボーナス・ディスクでリリースされた。〈Playing In The Band〉の返りはアンコールの2曲目、最後の最後で、こういうことをやるのは調子が良い証。

 しかし、こういうショウの部分だけリリースするということを、一体誰が思いついたのか。恨めしい。いつか、このショウの全体が公式リリースされることはあるのか。あたしの生きているうちに。生きて、耳が聞えているうちに。

 全体にテンポが遅めで、ゆっくり演奏する時のデッドは調子が良く、演奏の質も高い。それがよく現れているのはここでは〈Loser〉。〈Playing In The Band〉のジャムはこの時期になるとガルシアのギターとドラムスの対話になる。なぜかレシュがあまり積極的ではない。いわばフツーのロック・ベースに近いことをやっている。かれとしては、だが、デッドの中ではそうすると引込んでしまう。


4. 1980 Warfield Theater, San Francisco, CA

 15本連続の千秋楽。まず訂正しなければならない。このレジデンス公演は当初12本連続として発表され、チケットが発売された。しかし、売行が良かったために、さらに3本追加された。もっとも、こういう場合、当初から15本で計画されていたはずではある。ショウは3日やって1日休み、2日やって1日休み、また3日やって休み、というローテーションで3週間で15本。ロビーにはプロモーターのビル・グレアムが集めた1960年代サンフランシスコの思い出の品や写真が展示された。

 ショウも千秋楽にふさわしいものだったそうだ。そして、最後にグレアムが聴衆全員にシャンパンをふるまい、バンドがステージにまた現れ、グレアムの音頭で場内全員が乾杯。一行は3日あけて、ニューオーリンズに移動する。

 第一部アコースティック・セットの4、5、7、9曲目〈Cassidy〉〈I've Been All Around This World〉〈China Doll〉〈Bird Song〉が《Reckoning》で、第2部ラストの〈The Music Never Stopped〉が《So Many Roads》でリリースされた。

 〈Cassidy〉でのガルシアの、メロディから思いきり外したソロが粋。〈China Doll〉ではミドランドはハープシコードを弾いている。これはシンセではなく、ちゃんと楽器を持ちこんでいた。〈The Music Never Stopped〉ではウィアがやや声を嗄らしていて、そのせいか肩の力が抜けているのが良い感じ。


5. 1983 Hartford Civic Center, Hartford, CT

 2日連続の1日目。12.50ドル。夜7時半開演。《Dick’s Picks, Vol. 06》で全体がリリースされた。

 トレイ・アナスタシオがメタルヘッドからデッドヘッドに転向したのは、このショウでデッドを初体験したためだそうだ。野球のバットで頭をぶんなぐられたようだった、と言う。


6. 1984 Hartford Civic Center, Hartford, CT

 これも良いショウだった由。あまりに長くなったので、ラストの〈Not Fade Away〉が終る前に客電が点灯された。が、バンドは演奏を続けた。NFA が終ったところでレシュ、ウィア、ミドランドはステージから降りかけたが、ガルシアが〈Turn on Your Lovelight〉を演りはじめた。これが終ったところで、ガルシアはそのまま建物を出ていった。


7. 1988 Miami Arena, Miami, FL

 18.50ドル。夜7時半開演。このショウについては情報が無い。この会場で演奏するのはこれが初めてで、1994年春まで計6回演奏している。1988年にオープンし、2008年7月に閉鎖された屋内アリーナ。NBA のマイアミ・ヒートの本拠地だった。収容人員17,000


8. 1989 Meadowlands Arena, East Rutherford , NJ

 5本連続の中日。20ドル。夜7時半開演。良いショウだった由。

 この日、聴衆の一人 Adam Katz が会場を離れた後、死体で発見された。当初、事故と思われたものは、司法解剖の結果、他殺に変わり、犯人としては会場の警備員が疑われた。しかし、逮捕・訴追はついにされなかった。このこともあってか、バンドはこのレジデンス公演を最後にここでは演奏していない。


9. 1994 Madi)son Square Garden, New York, NY

 6本連続の2本目。《Ready Or Not》で後半5曲目〈Corrina〉とアンコールの〈Liberty〉がリリースされた。

 良いショウだったようで、とりわけ後半オープナーの30分を超える〈Scarlet Begonias> Fire on the Mountain〉は圧巻だそうだ。(ゆ)