11月17日・水
書庫に積みあげてある荷物をあちこち動かして、倉庫に運ぶものを確認する。とりわけ下敷になっていた段ボール箱の中身。子どもたちの本や、展覧会の図録などの大型本、古い手帳、書類などなど。未使用のノートが詰まった箱がひとつ出てくる。やれやれ。もう、どこかに寄付するか。
紙類の詰まった箱はどれもこれも重くて、腕が痛くなる。腰は気をつけて、しっかり入れるようにしているし、インターバル速歩のおかげで、今のところ問題なし。
チーフテンズ60周年ベスト盤ライナーのゲラが来て点検。原稿として書きあがったときにはまずうまく書けた、と思うのだが、こうしてゲラになって読みかえすと嫌になって、全部書きかえたくなるのは毎度のこと。
##本日のグレイトフル・デッド
11月17日には1968年から1985年まで7本のショウをしている。公式リリースは4本。うちなんと3本が完全版。それも1971、72、73年と連続。すべて《Dave's Picks》。意図的かもしれない。どれもすばらしいショウなので、文句を言うわけではない。
1. 1968 Eagles Auditorium, Seattle, WA
Nisqually 川流域の Frank's Landing で伝統的な入漁権を主張するインディアンたちの支援のためのショウ。1854年の Medicine Creek 条約で保証された権利を主張して漁をするインディアンたちを「違法」として取り締まる州との係争に関連して、保釈金や没収された漁網の買換えのための資金集め。デッドは "tribe" 文化を作っているとして選ばれたらしい。料金2ドル。12歳以下の子ども無料。日曜日の午後3時と9時の2度、ショウをした模様。セット・リスト不明。
2. 1971 Albuquerque Civic Auditorium, Albuquerque, NM
全体が《Dave’s Picks, Vol. 26》でリリースされた。ニュー・メキシコ州で初のショウ。この州では1983年まで合計5回演奏している。
3. 1972 Century II Convention Hall, Wichita, KS
前売5ドル、当日5.50ドル。開演8時。全体が《Dave’s Picks, Vol. 11》でリリースされた。
ウィッシュボーン・アシュが前座。
1972年はピークの年だが、この11月はその中でもピークと言われる。その頂点がこのショウ、と Peter Lavezzoli が DeadBase XI で言明している。
4. 1973 Pauley Pavilion, University of California, Los Angeles, CA
4ドル。開演7時。安いのは学生向けか。
2曲目の〈Here Comes Sunshine〉が2012年の《30 Days Of Dead》でリリースされた後、全体が《Dave’s Picks, Vol. 5》でリリースされた。
ここは UCLA のバスケットボール・チーム Bruins の本拠で、学生チャンピオンを1972、1973年と連覇、88連勝の記録を作った際のリーディング・プレーヤーで「世界一のっぽのデッドヘッド」と言われるビル・ウォルトンがライナーを書いている。ウォルトンは1972〜74年、最優秀学生選手にも選ばれている。高校生の1967年以来のデッドヘッド。ヴェジタリアン。
ショウのハイライトは〈Playing in the Band> Uncle John's Band> Morning Dew> Uncle John's Band> Playing in the Bande〉のメドレー、と John W. Scott は DeadBase XI で書く。
5. 1978 Rambler Room, Loyola University, Chicago, IL
Bob Weir and Friends として行われたアコースティック・ショウ。メンバーは SetList.com によれば
ボブ・ウィア
Bobby Cochran: guitar, vocals
Rich Carlos: bass
John Maucer: drums
ジェリィ・ガルシア: guitar
ミッキー・ハート: drums
ハートは4曲目以降に参加。JerryGarcia.com ではガルシア、ウィア、ハート、レシュとしている。夜は前日と同じ Uptown Theatre に出ているので、昼間の公演だろう。アコースティック・セットは久しぶりで、次は1980年秋のサンフランシスコ、ニューオーリンズ、ニューヨークのランになる。
2曲目〈Tom Dooley〉と4曲目〈Deep Elem Blues〉 が《Reckoning》の2004年拡大版でリリースされた。
どちらもガルシアのヴォーカル。後者でのガルシアのソロがいい。
会場はかつては学生の集会室のようなところだったらしい。今は多目的室として使われている。収容人数は最大300。この大学での演奏はこの時のみ。
ここは1870年イエズス会が設立したカトリック系大学で、名称はイエズス会創設者イグナチオ・デ・ロヨラにちなむ。メイン・キャンパスはミシガン湖畔。ランブラー・ルームもここにある。1914年に共学化、1970年にイエズス会と正式に分離、2016年、初の女性学長を選出。
6. 1978 Uptown Theatre, Chicago, IL
開演7時半。突出したところのないショウ、らしい。
7. 1985 Long Beach Arena, Long Beach, CA
水準に届かないショウらしい。メンバー間の意思疎通もうまくいかず、後半〈He's Gone〉の後、他のメンバーを無視して、ウィアが〈Spoonful〉を歌いだしたので、この曲が終ってからガルシアは引っこんでしまった。次の〈Never Trust a Woman〉には不在。秋のツアーも終りに近づき、ややお疲れ気味のようだ。(ゆ)
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