11月21日・日
シンプルな女声ヴォーカルの録音というので買ってあったのを思い出し、波多野睦美&つのだたかし《アルフォンシーナと海》を聴く。選曲、演奏、録音三拍子揃った名盤。
こういうのに出逢うと、手持ちの機器を総動員したくなる。聴き比べたくなる。機器の性格を露わにする音楽だ。これこそリファレンスにすべきもの。もっとも、こんな風に機材の長所短所がモロに出るのは、かえって都合が悪いこともあるかと下司の勘繰りもしてしまう。
まずイヤフォンを聴いてみる。最も気持ちのよいのは Tago Studio T3-02。ついで Acoustune HS1300SS。 声の質感が一番なのはファイナル A4000。A4000では2人をつのだの真ん前から見上げている感じになる。
前半はスペイン語圏の曲を並べ、ラヴェル、プーランクのフランスからヴォーン・ウィリアムスのイングランド、そして武満の2曲で締める。この流れもいい。
ベスト・トラックは〈Searching for lambs〉。波多野はこのイングランド古謡を原曲にかなり忠実に、真向から、虚飾を排して歌う。つのだがそれを支えるよりは、足許に杭を打ってゆくような伴奏をつける。波多野はその杭を踏みながら宙に浮かぶ。途中、波多野が高くたゆたうところで、つのだが低く沈んでゆくのにはぞくぞくする。聴くたびに歌の奥へと引きこまれるアレンジであり、演奏だ。
武満の2曲は録り方が変わる。それまでより一歩下がった感じ。言葉が変わって、響きも変わるからか。確かに、これくらいの距離がある方が快い。
##本日のグレイトフル・デッド
11月22日には1968年から1985年まで4本のショウをしている。公式リリース無し。
1. 1968 Veterans Memorial Auditorium, Columbus, OH
1時間半の1本勝負。ビル・クロイツマン病欠。クロイツマンが病欠したのはこの日と2週間後の12月7日の2回だけだそうだ。ハートが単独で叩いたのもこの2回のみの由。
〈St. Stephen〉の途中でウィアは歌詞をど忘れする。
2. 1970 Middlesex County Community College, Edison, NJ
セット・リスト不明。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座とされる。
3. 1972 Austin Municipal Auditorium, Austin, TX
セット・リスト以外の情報が無い。
4. 1985 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
15ドル。開演8時。秋のツアー千秋楽。後は2日間のオークランドでの年末年越しショウを残すのみ。
これも情報がほとんど無い。(ゆ)
コメント