12月03日・金
今年の《30 Days Of Dead》はトータル*トータル 7:44:08で、これまで最長の2019年の7:03:44 を大きく上回った。以下基本データ。
*今回初めて公式リリースされたショウ
1972-07-16
1973-05-26
1973-10-25
1973-11-23
1976-10-01
1977-04-22
1984-04-21
1985-04-04
1988-04-03
1989-10-12
1991-03-18
1994-10-19
*今回 30 Days で初めてリリースされた曲
ナシ
*最古
1969-11-07, Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
*最新
1994-10-19, Madison Square Garden, New York, NY
*最短
Cumberland Blues 05:00 1970-02-11, Fillmore East, New York, NY
*最長
Dark Star> Eyes Of The World> Stella Blue 47:53 1973-10-25, Dane County Coliseum, Madison, WI
*年別本数
1966
1967
1968
1969 1
1970 1
1971 1
1972 2
1973 4
1974 1
1975
1976 1
1977 1
1978
1979 1
1980 1
1981
1982
1983 1
1984 2
1985 1
1986 1
1987 1
1988 3
1989 1
1990 2
1991 1
1992 1
1993 1
1994 1
1995
1973年の4本、それに1980年代後半が目立つ。この時期はこれまで公式リリースがごく少ない。サウンドボード録音(SBD)がカセットにされていて、長いジャムが途中で切れることが多いためとされているが、最近の公式リリースではサウンドボードでは足らないところを聴衆録音(AUD)で補うこともあたりまえになってきたから、これから増えることを期待する。
*今回はスタジオでのリハーサルなどは無し。
*ダブリ
第4日〈Loose Lucy, Black-Throated Wind〉; 13:01; 1974-07-25, International Amphitheatre, Chicago, IL
〈Loose Lucy〉は2019年の、〈Black-Throated Wind〉は2016年の《30 Days Of Dead》でリリース済。
第8日〈Wharf Rat〉; 10:47; 1972-11-15, Oklahoma City Music Hall, Oklahoma City, OK
《Dave’s Picks, Vol. 11》でリリース済。
第9日〈Mississippi Half-Step Uptown Toodeloo〉; 07:42; 1973-03-26, Baltimore, MD, Baltimore Civic Center
2011年の《30 Days Of Dead》でリリース済。
ショウを当てるクイズに答えられるのはアメリカ国内在住者に限られる。応募フォームに海外の項目がない。
以下、各トラックについてのメモ。
01. Bird Song; Jack Straw, 20:39
1989-10-12, Meadowlands Arena, East Rutherford , NJ
いきなりの大盤振る舞い。
02. Berta, 06:07
1971-11-14, Texas Christian University, Fort Worth, TX
第二部全部と第一部の3曲が《Road Trips, Vol. 3 No.2》のボーナス・ディスク、第一部の2曲が昨年の《30 Days Of Dead》でリリースされている。全体の半分強が出たことになる。
03. Scarlet Begonias> Fire on the Mountain, 19:20
1980-10-14, Warfield Theatre, San Francisco, CA
第一部の4曲が《Reckoning》、第二部クローザーの〈The Music Never Stopped〉が《So Many Roads》でリリースされている。これで全体の2割、7曲が出たことになる。
04. Loose Lucy, Black-Throated Wind, 13:01
1974-07-25, International Amphitheatre, Chicago, IL
ダブリ。
この日のショウからはクローザー前の〈U.S. Blues〉が2015年の、アンコールの〈Ship Of Fools〉が2020年の各々《30 Days Of Dead》でリリースされている。もうそろそろ、全体を出してくれ。
演奏はすばらしい。ドナのコーラスがどんぴしゃ。
後者、ベースが近く、大きい。ガルシアG左、ピアノ右。
ウィアのヴォーカルの裏でガルシアがいいギターを弾く。ベース、面白い。
05. Box of Rain, 05:02
1973-05-26, Kezar Stadium, San Francisco, CA
レシュのヴォーカルはどうしても音が外れて聞える。ガルシアはスライド・ギターでいいソロを弾く。
この歌としては確かにベスト・ヴァージョン。
06. Dire Wolf, My Brother Esau, 10:03
1987-09-16, Madison Square Garden, New York, NY
または 1984-06-10, Cal Expo Amphitheatre, Sacramento, CA のどちらか。おそらくは前者。
当り。
07. Playing in the Band, 21:39
1984-10-15, Hartford Civic Center, Hartford, CT
ウィアのヴォーカルは酔っぱらっているような歌い方。歌詞はちゃんと歌っているし、呂律がまわらないわけでもないが、明らかに正常ではない。かれはドラッグもほとんどやらなかったはずだ。インストになっても、ノイジーなコードをがちゃがちゃやっていることが多い。全体としての演奏はすばらしい。段々ビートがなくなっていって、ハートが途中から木琴のような音を出しつづけ、やがてドラムスに以降して、フェイドアウト。
前半4曲目〈Bird Song〉が2018年の《30 Days Of Dead》でリリース。
08. Wharf Rat, 10:47
1970年代半ば。ソロ・ドラムスだから1974あたり。
1972-11-15, Oklahoma City Music Hall, Oklahoma City, OK
ダブリ。
09. Mississippi Half-Step Uptown Toodeloo, 7:42
これも1970年代初め。キースのピアノが元気、コーラスにドナがいるから1972年、73年あたり。テンポがやや早いから72年か。1972-07-16の初演から間も無い頃。
1973-03-26, Baltimore, MD, Baltimore Civic Center
2日連続でダブリ。
10. Feel Like A Stranger, 10:30
1994-10-19, Madison Square Garden, New York, NY
オープナー。
"Long long crazy night" のフレーズが出て、90年代後半とわかる。ウェルニクはオルガンでやはり奮闘している。この頃になると、すっかり溶けこんでいる。
ワウワウをかけたガルシアのギターの音が小さい。
11. Cold Rain and Snow, 7:29
70年代後半。
1988-04-03, Hartford Civic Center, Hartford, CT
外れ。
12. Help On The Way> Slipknot> Franklin's Tower, 24:26
1984-04-21, Philadelphia Civic Center, Philadelphia, PA
すばらしい。ガルシアのヴォーカルはちょと気怠げ、適度に投げやり。Slipknot! が凄い。
予想はほぼ当り。
13. He's Gone> The Other One, 34:29
1979-12-05, Uptown Theatre, Chicago, IL
この日は第二部オープナーの〈Shakedown Street〉が2019年の《30 Days Of Dead》で出ている。
12-03から始まる3日連続のランで、初日は《Dave's Picks, Vol. 31》で全体が、2日目は同じ《Dave's Picks, Vol. 31》で3曲リリースされている。
ごく遅いテンポ。〈He's Gone〉のジャムはガルシアがひどくシンプルな下降するフレーズを繰返す。むしろ静謐な演奏。テンポが急になって〈The Other One〉。2番の歌の後のジャムが凄い。ガルシアとミドランドとクロイツマンが残って、延々とジャムを続ける。ハートが金属製の何かを叩きつづける。こういうすかすかの、小さい音を連ねるジャムは初めて。なかなか良い。
14. Cumberland Blues, 5:00
左にヴォーカルが集まり、各々のパートが左右に完全に別れているので1969年頃。
1970-02-11, Fillmore East, New York, NY
この日からは Early Show の〈Black Peter〉が2012年、アンコールの〈Uncle John's Band〉が2010年、2013年の《30 Days Of Dead》でリリースされている。
15. Estimated Prophet> Crazy Fingers, 19:45
ミドランド。80年代後半か。前半かも。ウィア熱唱。
94-07-16
90-10-13
90-07-14
88-06-28
この曲順でやるのはこの4回。ガルシアの腑抜けのヴォーカルからすると、90年のどちらかで、やはりミドランドに聞えるから07-14。ガルシア、ヴォーカルはまあひどいが、ギターは絶好調。ラストの方、Spanish jam になる。その後さらに崩れる。長さからすると、88年とどちらもありえる。いずれにしてもすばらしい。
1988-06-28, Saratoga Performing Arts Center, Saratoga Springs, NY
この日からは前半ラストの〈Victim Or The Crime〉と〈Foolish Heart〉が2016年の《30 Days Of Dead》で出ている。
16. Stagger Lee, 6:18
1980年代前半。ガルシアのマイクが入らず、歌っているのはわかるが、声はほとんど聞えない。ギターも遠いが、まだちゃんと聞える。キーボードの一部も半分切れているようだ。曲が終ったところで、オルガンがどんと入る。
演奏は良い。この歌はこういうはずむような、お茶目な歌が本来だろう。
1990-02-25, Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA
前半としたのははずれだった。この日は8曲目の〈Cassady〉が《Without A Net》で出ている。
17. Looks Like Rain, Box Of Rain, He's Gone, 24:39
これくらいまとまるとかなり絞られる。
1987-04-10, UIC Pavilion, University of Illinois, Chicago, IL
1993-03-29, Knickerbocker Arena, Albany, NY
このどちらかのようだ。
コーラスがウェルニクなので後者。
やはり1993。この日は2016〜18と2020 の《30 Days Of Dead》で3曲リリースされていて、これで6曲。前半1曲、後半の Drums 前とアンコール。
それにしてもレシュのうたはひどい。ヘタなどというレベルですらない。この人、絶対音感があるはずだが、それと歌がうたえるかどうかは別なのだろう。メロディになっていない。自分で作ったはずなのに。久しぶりに歌うからか。この時期、この歌が復活するのは、ガルシアが歌えなくなって、その穴埋めのためと推測する。これだけ歌になっていなくてもご愛嬌ということか。
18. Touch Of Grey; New Minglewood Blues; Ramble On Rose, 26:30
今年は大盤振る舞い。続きではなく、いずれも一度終る曲のまとまりが多い。こういうのは当てやすい。
1991-03-18, Capital Centre, Landover, MD
オープニングの3曲。曲間にかなりの時間がある。次の曲を決めるのに時間がかかっているのだろう。
19. Blow Away, 7:08
ミドランドの最も有名な曲、になろうか。歌が終ってから後半ぐんと盛り上がる。ガルシアがすばらしいスライドを弾く。
1988-07-29, Laguna Seca Raceway, Monterey , CA
この日は第二部4曲目〈Playing in the Band〉が《So Many Roads》でリリースされている。
20. Scarlet Begonias, 11:27
今年2回目の登場。
単独かつハートがいるので1976年のどれか。
すばらしい。
1976-10-01, Market Square Arena, Indianapolis, IN
21. High Time, 7:35
右チャンネルに細かくプチプチプチとノイズが入っている。途中でテープが切れて、また始まる。これはCDでは出せない。それともこういうのでも、AUD があればつなげるのか。
1969年のどこか。初演間も無い頃。1970年ではないだろう。
1969-11-07, Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
この日は《Dick's Picks, Vol. 16》と《30 Days Of Dead》2014 で1曲ずつリリースあり。
22. Peggy-O, 6:57
ウェルニク。ホーンスビィもいるらしい。となるとこのウェルニクの鍵盤の感じからして、1991年。
1992-03-21, Copps Coliseum, Hamilton, Ontario, Canada
残念。ちょと違った。この日は 第一部ラストの〈So Many Roads〉が2017、2019の《30 Days Of Dead》で出ている。
23. The Wheel> Terrapin Station, 18:12
1977-04-22, The Spectrum, Philadelphia, PA
このショウのラスト。時間もぴったり。最後にウィアが "Thank you" とも言う。
14:30あたり、テープの損傷か、音が急にふにゃけて録音が途切れる。惜しい。
当り。
2021-11-24
24. Lost Sailor> Saint Of Circumstance> Deal, 22:36
この組合せは結構多い。この音源はミドランド時代。
1985-04-04, Providence Civic Center, Providence, RI
25. Stella Blue, 10:25
シングル・ドラマーだし、ピアノが真ん中、ガルシアのギターが左、他が右という配置はたぶん1972年。
1972-07-16, Dillon Stadium, Hartford, CT
06-17に初演でこれが2回目の演奏。06-17 はピグペンが最後にデッドのショウに出た日。06-17 はヨーロッパ・ツアーから帰って初めてのショウで、そこからこの日までは休み。この日から夏のツアーに出る。
26. Playing In The Band> China Doll> Jam, 21:33
1983-08-31, Silva Hall, Hult Center for the Performing Arts, Eugene, OR
この日からは第一部クローザーの2曲〈Cassidy; Don't Ease Me In〉が2010年の《30 Days Of Dead》で出ている。
なかなか良い演奏。とりわけ、〈China Doll〉の後のジャムがいい。
27. Far from Me, 5:55
1990-06-23, Autzen Stadium, University of Oregon, Eugene, OR
この日はオープナー〈Feels Like a Stranger〉が2017年の《30 Days Of Dead》で出ている。
ミドランドはシンガーとしては一級だが、ソングライターとしてはB級以下。
28. Cassidy; Tennessee Jed, 15:44
ミドランド時代。前者中間の無気味なムードのジャムがいい。途中、ガルシアがまちがえたか、ウィアが途中で歌うのをやめて歌詞をとばす。
ミドランドの時代でこの2曲をこの順番でならべてやっているショウ。
1981-09-12, Greek Theatre, University of California, Berkeley, CA
1981-11-30, Hara Arena, Dayton, OH
1982-04-05, Spectrum, Philadelphia, PA
1982-05-22, Greek Theatre, University of California, Berkeley, CA
1984-04-01, Marin Veterans Memorial Auditorium, San Rafael, CA*
1984-10-30, Berkeley Community Theatre, Berkeley, CA
1986-04-01, Providence Civic Center, Providence, RI*
1989-02-06, Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
1990-07-12, Robert F. Kennedy Stadium, Washington, DC*
演奏・録音は1980年代後半の感じ。1989年か86年。
1986-04-01, Providence Civic Center, Providence, RI
この日は第二部オープナーの〈Shakedown Street; Estimated Prophet; Eyes Of The World〉という並びが昨年の 《30 Days Of Dead》で出ている。
29. Weather Report Suite, 15:16
組曲の形で演奏されたのは1973-09-08から1974-10-18までの1年あまりだけだが、これは難しい。演奏はかなり良いが、この期間ならどこでもこれくらいはやっていそうだ。どちらかというと、1974年だろうか。いやむしろ1973年秋か。最後にウィアが休憩宣言しているから、第一部クローザー。
1973-10-21, Omaha Civic Auditorium, Omaha, NE
1973-11-01, McGaw Memorial Hall, Northwestern University, Evanston, IL
1973-11-23, County Coliseum, El Paso, TX
公式未発表ではこの3本。これ以上の絞り込みはテープを聴いていないと無理。
3番目の11-23でした。
30. Dark Star> Eyes Of The World> Stella Blue, 47:53
ラストは大盤振る舞い。
ヒントからすると
1973-10-25, Dane County Coliseum, Madison, WI
に決まり。
やはりそうであった。
ウィアのギター以外が左に寄っている。曲が進むにつれて、ベース、ピアノ、ドラムスが右に移る。いい感じにゆるい。
##本日のグレイトフル・デッド
12月03日には1979年から1990年まで4本のショウをしている。公式リリースは2本。うち完全版1本。
1. 1979 Uptown Theatre, Chicago, IL
9.50ドル。開演7時。第二部オープナーの〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉が2018年の《30 Days Of Dead》でリリースされた後、全体が《Dave’s Picks, Vol. 31》でリリースされた。
のったりして、レゲェのビートに近い。ガルシアの声正面ですぐ前。ドラムスを聴くとそれほどゆっくりではないが、遅く聞える。ウィア左でスライド・ギター。ガルシアのソロよりも面白いことをやっている。ガルシアのGは FOTM の方が良い。珍しく、隅々まで神経を働かせたガルシアの歌唱。
2. 1981 Dane County Coliseum, Madison, WI
アンコールの〈It's All Over Now, Baby Blue〉がデッドのディラン・カヴァー集《Postcards Of The Hanging》でリリースされた。
セット・リスト以外の他の情報無し。
3. 1990 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA
23.50ドル。開演7時。
セット・リスト以外の他の情報無し。
4. 1992 McNichols Arena, Denver, CO
25.80ドル。開演7時。
セット・リスト以外の他の情報無し。(ゆ)
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