01月14日・金
HiFiMAN のニュースレターで Edition XS のアナウンス。値段が半分以下になって中身はアップグレードというのは、いったい何がどうなっているのか。公式サイトの系統図で言えば、これはど真ん中の幹の最新モデルになる。スペック的にはインピーダンスが18Ω、というのは最低記録か。能率はいつも通り92dB しかないから、実力を発揮するにはアンプは必要だろう。試みにストアで送料を調べると34ドル。トータル533USD=60,634.08円。国内価格は7万弱か。HE-400i を愛用しているけれど、そろそろ換え時かのう。それにしてもこれは「エディション・テン・エス」か、「エックス・エス」か。どうも後者に見える。
それにしても、あそこのサイトの重いこと、重いこと。
##本日のグレイトフル・デッド
01月14日には1966年から1979年まで、5本のショウをしている。公式リリース無し。
1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
ビル・グレアムの仕切りで、San Francisco Mime Troupe のためのベネフィット・イベント。「ダンス・コンサート」と銘打たれている。寄付金名目で2ドル。開演9時、終演?時。共演は The Great Society、Mystery Trend、Sam Thomas & the Gentlemen's Band。デッドは Formerly The Warlocks とされていて、かれらだけポスターに写真が無い。セット・リスト不明。
San Francisco Mime Troupe は1959年に結成された劇団で、1960年代、政治的諷刺劇(必ずしも無言劇ではなかった)をゴールデン・ゲイト公園はじめ、市内いたるところでゲリラ的に無料で演じた。これは違法とされていたから、警察との摩擦が常態となる。ビル・グレアムは当初の役者志望から演劇の制作に転じ、マイム・トゥループとも仕事をする。グレアムがアシッド・テストからコンサートのプロデュースをするようになって、ロック・シーンとのつながりが生まれる。ゲリラ公演で逮捕されたり、起訴されたりしたメンバーやスタッフの保釈や訴訟費用捻出のために、グレアムはベネフィット・コンサートを組んだ。デッドはマイム・トゥループの活動、姿勢に共感して、何度かベネフィット・コンサートに出ている。
The Great Society は1965年から66年に活動したバンド。ベイエリアのロック・シーンの黎明期にシーンの起ち上げに貢献。グレース・スリックの最初のバンドとして知られる。当時の夫の Jerry Slick がドラムス、その兄弟 Darby Slick がギター。1966年秋、グレースがジェファーソン・エアプレインに入るため抜けて解散。
Mystery Trend は1964年にサンフランシスコで結成した5人組。サンフランシスコ最初のバンド・ブームから生まれたものの一つ。中心の Ron Nagle(キーボード、ヴォーカル)と Larry Bennett(リード・ヴォーカル)の二人がリズム&ブルーズの大ファンで、サイケデリック・ロックに流れる他のバンドと一線を画したサウンドだった。1967年にシングルを1枚出したのみ。
Sam Thomas & the Gentlemen's Band の名前はこの頃のサンフランシスコ・シーンに散見されるが、実体は不明。トーマスは黒人。
2. 1967 Polo Field, Golden Gate Park, San Francisco, CA
有名な"Human Be-In"。サンフランシスコ・ヒッピー文化の頂点の一つ。「サマー・オヴ・ラヴ」への序章。この日の午後、ゴールデン・ゲイト公園に2万から3万と言われる人々が集まり、アレン・ギンズバーグ、ゲイリー・スナイダー、ローレンス・ファーリンゲッティ、アラン・ワッツ、ティモシー・リアリーなどの講演、パフォーマンスを見聞し、ロック・コンサートや飲食を楽しんだ。イベント自体は無料。
コンサートはポロ・フィールドに駐車したトラックの荷台がステージで、出演はデッドの他、ジェファーソン・エアプレイン、クィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス、カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ、シャーラタンズ、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー、ブルー・チアーなど。
デッドの演奏の一部のテープが残っており、中の1曲〈Good Morning Little Schoolgirl〉に、チャールズ・ロイドがフルートで参加している。
3. 1967 Fillmore Auditorium, Berkeley, CA
昼間、上記 Be-In に出て、夜は2日連続でこのヴェニュー。共演も同じ。セット・リスト不明。
4. 1978 Bakersfield Civic Auditorium, Bakersfield, CA
6.50ドル。開演7時半。開始早々、サウンド・エンジニアのダン・ヒーリィが逮捕されたかして、連れだされた、というのだが、エンジニア不在でショウはできないはず。詳細不明。
5. 1979 Utica Memorial Coliseum, Utica, NY
前年12月02日の振替え。外はブリザードで、終演後に出てみると15センチ新たに雪が積もっていて、車を見つけるのに3時間かかった。オープナーは〈Cold Rain And Snow〉。会場の音響がひどかった。第二部オープナーは〈I Need A Miracle〉。
ユーティカはニューヨーク州のアップステートの街。マンハタンからハドソン河で真北に180キロ上るとオルバニー。そこからほぼ真西に向かって、エリー運河沿いにユーティカ、シラキューズ、ロチェスター、バッファローと並ぶ。ユーティカでは4回、ショウをしていて、これは3回目。シラキューズでは11回、ロチェスターでは15回、バッファローでは7回、各々ショウをしている。シラキューズから南に70キロほど下ったコーネル大学のあるイタカも含めて、この辺りはデッド・カントリーの一つ。(ゆ)
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