02月07日・月
確定申告の準備。毎年のことながら、慣れもしないし、嫌さ加減が減ることもない。昨年はやり方を変えて、少しはやりやすいはずだし、少しずつやってもいたのだが、最終的にまとめるのは一気にやらざるをえない。ええいととりかかる。
##本日のグレイトフル・デッド
02月07日には1969年から1989年まで5本のショウをしている。公式リリースは1本。
1. 1969 Stanley Theatre, Pittsburg, PA
3.50、4.50、5.50ドル。7時と10時半の2回のショウ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドと The Fugs が前座。
早いショウは1時間弱。判明しているセット・リストでは〈Dark Star> St. Stephen> The Eleven> Turn On Your Lovelight〉というこの年の定番。遅いショウは1時間強。
2. 1970 Pacific High Recording, San Francisco, CA
テープが残っているのでリストアップされているが、ショウではなく、リハーサル。
3. 1970 Fillmore West, San Francisco, CA
4日連続の3日目。3.50ドル。開演7時。テープでは約1時間半強の一本勝負。前2日間が2時間近くやっているので、おそらく、録音されていない部分があるだろう。
冒頭3曲〈Green Green Grass of Home〉〈Sawmill〉〈Seasons Of My Heart〉で、ガルシアはペダルスティールを弾いた。
4〜6曲目〈China Cat Sunflower> I Know You Rider> High Time〉のメドレーが《Fillmore West 1969: The Complete Recordings》でリリースされた。
〈China Cat Sunflower〉はロバート・ハンターが最初にガルシアに送った詩の一つ。1968年01月17日にサンフランシスコで初演。1995年07月08日が最後。計560回演奏。第6位。スタジオ盤は《Aoxomoxoa》収録。'china cat' は「中国の猫」ではなく、「陶器の猫」つまり招き猫の置物のこと。
〈I Know You Rider〉は伝統歌で、1966年03月12日、ロサンゼルスで初演。1969年09月30日ニューヨーク以来、常に〈China Cat Sunflower〉に続けてペアとして演奏され、最後も同じ。548回演奏。〈China〉に次ぐ。スタジオ盤収録は無し。ペアとしては531回演奏され、〈Rider〉に次ぐ。この歌は1934年のアラン・ロマックスの American Ballads And Folk Songs に初めて出現すると言われる。モダンなヴァージョンとして Bob Coltman が整理、アレンジしたものが広まった。もっともデッドのヴァージョンは、さらに様々なヴァージョンから拾って組み上げたものらしい。最後の方の一節 "I wish I were a headlight of a north-bound train." は、ガルシアの聴かせところの一つになるが、この一節はこの歌の古いヴァージョンには見当らず、カレン・ダルトンの1962年の録音で初めて現れるそうで、ガルシアがどこからこの一節を持ってきたのかは不明の由。
デッドのレパートリィにはこうして元は別々の曲がペアまたはトリオとして演奏される例がいくつもある。この〈China> Rider〉や、〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉、〈Help on the Way> Slipknot!> Franklin's Tower〉、あるいは〈Lost Sailor> Saint of Circumstances〉などは、ほとんど常に一組として演奏された。これとは別に、決まった組合せが一定の期間に限って演奏されることもある。〈Dark Star> St. Stephen> The Eleven> Turn on Your Lovelight〉が典型だ。いずれもファンの人気は高いが、〈China> Rider〉と〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉は、演奏回数も多く、また長く、面白い名演を多数生んでいる。デッドを聴く醍醐味の一つをなす。
演奏回数が多いということは、バンドも演奏することを好み、また大いに楽しんだわけだ。スイッチが入らず、ダレていたショウが、こうしたペアを演奏することでスイッチが入ることもある。〈China> Rider〉は中でも最も古く、最も演奏回数が多く、そして最も人気が高い。当初は合わせて10分以内だったこのペアが30分を超える展開に成長してゆくのを聴くのは、デッドを聽いてゆく大きな楽しみでもある。この時期はまだペアとしての演奏が始まって間もないが、すでに組合せることによる面白さはよくわかる。
一般にデッドは組曲が好きである。〈That's It for the Other One〉のように最初から組曲として作られたり、〈Wharf Rat〉〈Terrapin Station〉のように組曲構造を持つ曲も少なくない。この3曲の場合のように複数の曲を途切れなしにつなげて演奏するのも、組み合わせることによる変化とつながりの面白さを追求していると見ることもできる。アイリッシュ・ミュージックにおける、ダンス・チューンの組合せに通じるところでもある。デッドのショウの楽しみには、次に何が来るかというスリルとサスペンスと、そしてカタルシスが大きな比率を占めていた。それはアーカイブ録音では体験しようもないが、トラック・リストを見ずに、次に何が来るかを思い出さないようにして聴いてみるのも面白い。
〈High Time〉はハンター&ガルシアの曲で、1969年06月21日、フィルモア・イーストで初演。1970年07月12日を最後に一度レパートリィから落ちる。1976年06月09日、ボストンで復活。その後は最後まで演奏されるが、あまり頻繁ではない。計134回演奏。スタジオ盤は《Workingman's Dead》に収録。
この曲と〈Black Peter〉のようなスローバラードがこの時期にレパートリィに入ってくる。"High Time" のところで、高らかなコーラスになるのが印象的で、ガルシアもほとんどソロをとらない、歌だけの曲。大休止後に復活した時も、やはり歌を聴かせる曲。こういうスローな歌をガルシアが好んだのは明らかだが、ソロをとりようがないことが、この曲があまり頻繁に演奏されなかった理由の一つかもしれない。ガルシアはどちらか一方だけでは満足できない。
4. 1979 Coliseum, Southern Illinois University, Carbondale, IL
この時期としては珍しくセット・リストがはっきりしない。
開演前、楽屋にいた男の一人がガルシアに何やら錠剤をさしだし、ガルシアはそれを3錠ぱくりと飲んでしまった。それはどうやら鎮静作用のあるクスリつまりダウナーで、ために第一部の出来はひどかった。休憩時に興奮作用のあるクスリつまりアッパーで前のクスリの効果を消したらしく、第二部は持ち直した。と、スティーヴ・パリッシュがその回想録 Home Before Daylight で書いているそうだ。該当箇所をまだ見つけられない。
5. 1989 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
開演7時。春節祝賀3日連続のランの最終日。前日は第二部冒頭で中華風パレードが行われたが、この日はマルディグラのパレードがあった。
バーロゥ&ミドランドの〈Just A Little Light〉が第一部でデビュー。1990年7月まで計21回演奏。スタジオ盤は《Built To Last》に収録。
3日間の中ではベストのソリッドなショウの由。(ゆ)

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