02月09日・水
あたしはあのソニーの音がどうにも好きになれない。精細かもしれないが、繊細でもあって、聴いていると、まるでヘタに触るとバラバラに砕け散る細工を見ている気分になる。今にも崩れないやしないかとハラハラしながら見つめているので、音楽を楽しむどころではない。そのスリルとサスペンスが娯しいのだ、とおっしゃる向きもあるのだろうが、あたしは音楽を聴きたいので、ソニーの音を聴きたいわけじゃない。
ソニーもどん底からひとまず脱けたようで、新しいと見えることをいろいろ打出している。グラン・ツーリスモ用 AI は面白い。もちろんゲーム内の環境はリアルなものとは次元が違うから、あれがそのまま役立つとも思えないが、自動運転へのアプローチの一つにはなるんじゃないか。
その勢いでオーディオでも音ではなく、コンセプトとして面白く、斬新なものを出してほしい。かつての CD やオリジナルのウォークマンのように。iPod だって、ウォークマンがあったればこそなんだし、ストリーミングは CD によるデジタル化があったればこそなんだから、今の音楽商売の状況を生みだしたのはソニーではないか。オーディオのモバイル化とか、音のデジタル化とか、それが出現するまでは、世間一般にはまったく思いもよらなかったことを、ソニーは生みだしたのだ。盛田や井深は偉大かもしれないが、二人が全部作ったわけでもない。DAP はもう後輩たちに任せて、その先を見せてほしい。
02月09日・水
##本日のグレイトフル・デッド
02月09日には1973年から1986年まで、3本のショウをしている。公式リリースは無し。
1. 1973 Roscoe Maples Pavilion, Stanford University, Palo Alto, CA
この年最初のショウ。Wall of Sound のデビュー。だが、最初の音が出たとたん、半分のスピーカーが吹飛んだ。ために、その後、PAは苦労した。一方、演奏は最高で、ベストのショウの1本の由。
会場はバスケットボール・コートで、床は固定ではなく、バネの上に乗っている。第二部5曲目の〈Truckin'〉の途中で床が波打ちだした。揺れはやがてステージにも伝わって、ステージはボートのように浮き沈みしだし、さらにその上のPAシステムが載った足場が左右にゆらゆら揺れだした。聴衆は起きていることを見てとり、さらに激しく飛びはねだした。とうとうバンド・メンバーも揺れる足場を見て、たがいに顔を見合わせ、全速力で逃げだすべきか、相談したようだった。結局誰も逃げださず、1時間後、全員無事で会場を後にした。と、Phil DeGuere が DeadBase XI でレポートしている。
2. 1979 Soldier's And Sailors Memorial Hall, Kansas City, KS
2日連続の初日。9.00と10.00ドル。指定席。開演7時きっかり、とポスターにはある。チケットには8時と印刷されたものもあったらしい。第二部が良い由。
3. 1986 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
このヴェニュー5本連続の2本目。春節記念。この年は寅年。16ドル。開演8時。第一部が短かいが、良いショウの由。(ゆ)
コメント