05月09日・月
母の家に緊急連絡装置をとりつけるのに立ち会う。介護保険で使えるサーヴィスの中に、警備会社につながる緊急連絡装置を置けるのがある。装置のボタンを押すと警備会社にアラートが行き、警備員が駆けつけるとともに、登録した連絡先、この場合、あたしに連絡が行く。警備会社には鍵を預けておく。
訊いてみると預っている鍵は都心の一部を担当するその支社だけで数千本は下らないそうだ。預かった鍵は専用の袋に入れて管理番号を書いたシールで封印する。管理番号のコピーが預り証に貼って渡される。
こちらが母の近くに住んでいないための措置で、本人がボタンを押す必要があるから、いざという時、どこまで役に立つかわからないが、無いよりはずっとマシだろう。緊急連絡のシステムにはオプションで、たとえばトイレなどにセンサーをとりつけ、一定時間、使用されないとボタンを押すのと同様のアラートが発せられるようにもできるそうだ。もっともそれを入れようとすると、介護保険からははずれる。
テレビのリモコンに入れる電池でそれをやるのもあるが、サブスクリプションでまだ高いと感じる。アマゾンの Ring という手もあるが、WiFi が要るし、人間、たとえ家族による善意のものであっても、監視されるのは嫌なものだ。
##本日のグレイトフル・デッド
05月09日には1968年から1987年まで8本のショウをしている。公式リリースは2本、うち1本が完全版。
1. 1968 Electric Circus, New York, NY
木曜日。このヴェニュー3日連続のランの楽日。早番、遅番のショウをしたが、セット・リスト不明。
2. 1969 Hall Of Flowers, San Mateo County Fairgrounds, San Mateo, CA
金曜日。DeadBase XI は5曲のセット・リストを挙げている。
3. 1970 Worcester Polytechnic Institute, Worcester, MA
土曜日。第一部はアコースティック・セット。その4曲以外のセット・リスト不明。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジも出た模様。
4. 1977 Buffalo Memorial Auditorium, Buffalo, NY
月曜日。開演7時半。
全体が《May 1977: Get Shown The Light》でリリースされた。
すばらしい〈Help on the Way> Slipknot!> Franklin's Tower〉で始まるが、その後の第一部はぐんとタイトではあるものの、飛び抜けたところはあまりない。〈Tennessee Jed〉でのガルシアのソロはとぼけた味でユニークだ。こういうユーモラスなギターは他にはほとんど無いんじゃないか。ザッパでもなかなかこうはいかない。それが、クローザーの〈The Music Never Stopped〉に来て大爆発。性能のいいバネにでも載ったように、弾む弾む。ガルシアのソロは一音一音がきらきら輝いている。どんどんと登りつめ、そのままどこまでも行くかと見える。ようやく降りたかと思うと、まだやめない。
第二部はその勢いのまま、しかしゆったりと余裕をもって悠々と進む。そして熱気。まさにホットな熱演が続く。〈Ship of Fools〉は転覆沈没した船を腕一本で引き揚げられそうだ。〈Estimated Prophet〉から止まらなくなり、〈The Other One> Drums> Not Fade Away> Comes a Time> Sugar Magnolia〉まで1時間近い。要所要所でガルシアのソロが冴えわたり、バンドもそれに反応して、すばらしい集団即興をくり広げる。〈Comes a Time〉のガルシアのソロ・ギターの音色には哀しみと歓びが同居している。ドナのハーモニーもすばらしく、うーん、この歌のベスト・ヴァージョン。抒情したたるこのギターは、ガルシア一世一代と言いたくなる。この日のこの曲は05月08日の〈Morning Dew〉に肩を並べる。キースのピアノとともにそれを優しくそっと収めてガルシアが軽く示唆して遷移。しばし、ゆるやかに序奏した後、歌が始まるとビートが通る。〈Sugar Magnolia〉のガルシアのソロはむしろ軽やかに、足取り軽く、ワルツのステップでも踏むよう。切れ味鋭いフル・バンドのどん、どんに乗って、ウィアとドナがむしろそっと歌いだし、だんだんとバンドが入ってくる。この2人が声を合わせる Sunshine Daydream の輝きはデッド史上最高だ。アンコール〈Uncle John's Band〉もこの歌のベスト・ヴァージョンと言いたくなる。
一度だけタイムマシンが使えるとすれば、この1977年05月のデッドの一連のランに飛んでゆきたい。
5. 1978 Onondaga Auditorium, Syracuse, NY
火曜日。オープナー〈Franklin's Tower〉が2012年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
アンコールの〈Werewolves Of London〉で、ウィアが狼の頭をすっぽりかぶっていた。
6. 1979 Broome County Arena, Binghamton, NY
水曜日。非常に暑い日だったが、エアコンが効かないかオンになっておらず、場内は蒸し風呂。上半身裸になる者が男女を問わず多数、失神する者も相次いだ。
演奏はまず第二部オープナーで〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉がほぼ4年ぶりに、ミドランドが入って初めて復活したことが大きく、全体としても熱気のこもったもの。とりわけ第二部の〈Truckin'〉の切迫感にはすさまじいものがあった。
レシュがどこかでマイクに近寄り、着ていたフランネルのシャツを示して、「これはピグペンのシャツだよ」と叫んだ。
7. 1981 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, NY
土曜日。このヴェニュー3本連続のランの楽日。10.50ドル。
8. 1987 Laguna Seca Raceway, Monterey , CA
土曜日。20ドル。開演正午。このヴェニュー2日連続の初日。共演ブルース・ホーンスビィ&ザ・レンジ、ライ・クーダー。
このショウの後、〈Touch of Grey〉のビデオ撮影が行われ、多数の客が残って見ていた。撮りなおしが何度もおこなわれ、録音された〈Touch of Grey〉を40回ほども聴かされた後、おしまいとなった。(ゆ)
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