05月29日・日
 合間を見て、Folk Radio のニュースレターで紹介されているビデオを視聴する。AirPods Pro は便利だ。

 まずはこのカナダはブリティッシュ・コロンビアの夫婦デュオ。新譜が Folkways から出るそうで、昨年秋、ブリティッシュ・コロンビアの本拠で撮ったビデオ2本。オールドタイムをベースにしているが、そこはカナダ、一味違う。旦那は使うバンジョーに名前をつけているらしく、歌の伴奏は「クララ」、インストルメンタルは「バーディー」。それにしても夫婦の声の重なりの美しさに陶然となる。新譜は買いだが、Bandcamp で買うと Folkways は FedEx で送ってくるから、送料の方が本体より高くなる。他をあたろう。

Pharis & Jason Romero - Cannot Change It All (Live in Horsefly, BC)



Pharis & Jason Romero - Old Bill's Tune (Live in Horsefly, BC)




 次に良かったのがこれ。
Lewis Wood - Kick Down The Door; Kairos (ft. Toby Bennett)



 イングランドのトリオ Granny's Attic のフィドラーのソロ・アルバムから。踊っているのはクロッグ・ダンシングのダンサー。クロッグは底が木製の靴で踊るステップ・ダンスでウェールズや北イングランドの石板鉱山の労働者たちが、休憩時間のときなどに、石板の上で踊るのを競ったのが起源と言われる。クロッグは1920年代まで、この地方の民衆が履いていたそうな。今、こういうダンサーが履いているのはそれ用だろうけれど。
 もうすぐ出るウッドの新譜からのトラックで、場所はアルバム用にダンスの録音が実際に行われたサウサンプトンの The Brook の由。
 ウッドはダンサーに敬意を表してか、裸足でいるのもいい感じ。
 Granny's Attic のアルバムはどれも良い。

Kathryn Williams - Moon Karaoke



 曲と演奏はともかく、ビデオが Marry Waterson というので見てみる。ラル・ウォータースンの娘。この人、母親の衣鉢を継ぐ特異なシンガー・ソング・ライターだが、こういうこともしてるんだ。このビデオはなかなか良いと思う。こういう動画はたいてい音楽から注意を逸らしてしまうものだが、これは楽曲がちゃんと聞えてくる。
 その楽曲の方はまずまず。フル・アルバム1枚聴いてみてどうか。


Tamsin Elliott - Lullaby // I Dreamed I was an Eagle



 ハープ、シターン、ヴィオラのトリオ。曲はハーパーのオリジナル。2曲目はまずまず。これもアルバム1枚聴いてみてどうかだな。

 今日はここまでで時間切れ。


%本日のグレイトフル・デッド
 05月29日には1966年から1995年まで7本のショウをしている。公式リリースは無し。

1. 1966 California Hall, San Francisco, CA
 日曜日。「マリファナ禁止を終らせよう」運動ベネフィット・ボールと題されたイベント。シャーラタンズ共演。2ドル。開演9時。セット・リスト不明。

2. 1967 Napa County Fairgrounds, Napa, CA
 月曜日。DeadBase XI 記載。Project Hope 共演、とある。セット・リスト不明。
 Project Hope は不明。

3. 1969 Robertson Gym, University Of California, Santa Barbara, CA
 木曜日。"Memorial Day Ball" と題されたイベント。Lee Michaels & The Young Bloods 共演。開演8時。
 テープでは70分強の一本勝負。クローザー前の〈Alligator〉の後、1人ないしそれ以上の打楽器奏者が加わって打楽器のジャムをしている。ガルシア以外のギタリストがその初めにギターの弦を叩いて打楽器として参加している。途中ではガルシアが打楽器奏者全体と集団即興している。また〈Turn On Your Lovelight〉でも、身許不明のシンガーが参加しているように聞える。内容からして、この録音は05-11のものである可能性もあるらしい。
 内容はともかく、どちらもポスターが残っているので、どちらも実際に行われとことはほぼ確実。

4. 1971 Winterland Arena, San Francisco, CA
 土曜日。2ドル。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座。
 4曲目で〈The Promised Land〉がデビュー。1979-07-09まで434回演奏。演奏回数順で11位。オープナー、クローザー、アンコール、第一部、第二部、どこにでも現れる万能選手。記録に残るものではこれが初演だが、The Warlocks 時代にも演奏されたものと思われる。原曲はチャック・ベリーの作詞作曲で1964年12月にシングルでリリースされた。キャッシュボックスで最高35位。1974年02月、エルヴィス・プレスリーがリリースしたシングルはビルボードで最高14位。The Band がカヴァー集《Moondog Matinee》に入れている。ジェリー・リー・ルイスが2014年になってカヴァー録音をリリースしている。その他、カヴァーは無数。

5. 1980 Des Moines Civic Center, Des Moines, IA
 木曜日。14ドル。開演7時。

6. 1992 Sam Boyd Silver Bowl, Las Vegas, NV
 金曜日。このヴェニュー3日連続のランの初日。23.50ドル。開演2時。
 第二部3曲目〈Looks Like Rain〉が異常に長く、終る頃、本当に雨が降ってきた。非常に良いショウの由。数えた人によれば、この5月、7本のショウで97曲の違う曲を演奏している。このショウだけでも、それ以前の6本では演奏しなかった曲を8曲やっている。ショウ全体では Drums, Space を入れて19曲。ニコラス・メリウェザーによればこの年のレパートリィは134曲。デッドはステージの上でその場で演る曲を決めている。つまり、いつでもその場でほいとできる曲が134曲だった。

7. 1995 Portland Meadows, Portland, OR
 月曜日。28ドル。開演2時。このヴェニュー2日連続の2日目。チャック・ベリー共演。前日よりも良いショウの由。(ゆ)