06月22日・水
湿度が高く、公民館の図書室への往復だけで汗びっしょりになり、散歩をする気が失せる。ぼんやり過ごしていたら、夜、デニス・カヒルの訃報に仰天。
%本日のグレイトフル・デッド
06月22日には1968年から1995年まで13本のショウをしている。公式リリースは4本。うち完全版1本。
01. 1968 Phoenix Travelodge Theater, Phoenix, AZ
土曜日。開演8時。Arizona Republic という新聞の1968年06月21日付に Jon Sargent が "Vibrations in the Valley" というコラムでこのイベントの告知をし、同月30日付けの同紙にそのレヴューを寄せているそうな。共演はテン・イヤーズ・アフターと地元の Thackeray Rocke。セット・リスト不明。
サージェントによれば、デッドの音楽はすばらしかったが、バンドが音楽にのめりこむほどに、出てゆく客が増えた由。
Thackeray Rocke はヴィンス・ウェルニクがメンバーだった、というのは奇縁であろう。
02. 1969 Central Park, New York, NY
日曜日。よく晴れた日の午後。近くを歩いていた、もうサイケデリックに見極めをつけていた人間をあらためて引きこんだ音楽。
2曲目で〈Casey Jones〉がデビュー。1980年08月26日まで計317回演奏。演奏回数順では37位。〈U. S. Blues〉より2回少なく、〈Scarlet Begonias〉より3回多い。大休止まではかなり頻繁に演奏されるが、大休止からの復帰後、がくんと頻度が減る。ハンター&ガルシアの曲だが、これには伝説の機関士ケイシー・ジョーンズを題材にした伝統歌の元歌があり、それを踏まえている。歌い出しはゆっくりだが、途中からだんだんテンポが速くなる。回数を重ねるほどに最後のトップ・スピードが速くなる。
03. 1973 P.N.E. Coliseum, Vancouver, BC
金曜日。05月05日のショウがキャンセルされた代替のショウ。
《Pacific Northwest》で全体がリリースされた。
04. 1974 Jai-Alai Fronton, Miami, FL
土曜日。このヴェニュー2日連続の初日。5.50ドル。開演8時。
第一部クローザーの〈Playing In The Band〉、第二部オープナーの〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉、クローザーに向けての3曲〈Eyes Of The World> Wharf Rat> Sugar Magnolia〉の計6曲が《Dave’s Bonus Disc 2020》でリリースされた。
ハイアライはバスク起源のスカッシュに似たスポーツ Basque pelota の一種で、フロントンはその競技施設。ふつうは屋外だが、ここは屋内。現在はカジノで、賭博の他、本来のハイ・アライやコンサートに使われている。収容人数6,500。
05. 1976 Tower Theatre, Philadelphia, PA
火曜日。このヴェニュー4日連続のランの2日目。8.50ドル。開演7時。
第二部オープナーから4曲〈Playing In The Band〉ではさまれたメドレーが《Download Series, Vol. 04》でリリースされた。
06. 1983 City Island, Harrisburg, PA
水曜日。10.50ドル。開演7時半。
前半がこの時期としてはひどく短かいが、機材がそろっていなかったらしい。ヴェニューのある場所に渡るには古い鉄道の橋しかなかった。
07. 1985 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
土曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。11ドル。雨天決行。開演時刻未定。
前日同様雨が降り、下は泥濘だった。ショウは前日よりも良いそうな。
08. 1986 Greek Theatre, University of California, Berkeley, CA
日曜日。このヴェニュー3日連続のランの楽日。開演3時。
第二部が〈Fire on the Mountain〉で始まるのは珍しい。この曲が単独で演奏されるのも珍しい。
アンコールの〈U. S. Blues〉が終り、バンドがステージを去り、客も帰りはじめてから、聴衆の一部が "Love is real NFA" とチャントしはじめると、それがたちまち場内に広がり、と思うとかたづけだしていたクルーがまた元にもどし、バンドが戻ってきて〈Box of Rain〉をやった。
09. 1988 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
水曜日。このヴェニュー4日連続のランの3日目。開演7時。
第二部4曲目で〈I Will Take You Home〉がデビュー。バーロゥ作詞、ミドランド作曲。スタジオ盤は《Built To Last》収録。1990年07月14日まで34回演奏。
ミドランドの娘のために書かれた曲で、しっとりとした味わいが深い歌。〈Blow Away〉と並ぶミドランドの代表曲。
10. 1991 Soldier Field, Chicago, IL
土曜日。27.50ドル。開演6時。ロジャー・マッギン前座。ブルース・ホーンスビィ参加。
第一部2曲目〈Shakedown Street〉が《All The Years Combine》ボーナス・ディスクでリリースされた。
ホーンスビィは〈Dark Star〉を演りたがり、ガルシアはその気分ではなく、せめぎあいが続き、Space の後、とうとうガルシアが折れた。
この年から1995年まで、毎年この時期にこのヴェニューでショウが組まれた。
11. 1992 Star Lake Amphitheater, Burgettstown, PA
月曜日。このヴェニュー2日連続の初日。24.50ドル。開演7時。
ショウはすばらしいが、ヴェニューや周辺の雰囲気は最悪だったようだ。
12. 1993 Deer Creek Music Center, Noblesville, IN
火曜日。このヴェニュー3日連続のランの中日。開演7時。
13. 1995 Knickerbocker Arena, Albany, NY
木曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。30ドル。開演7時。
古いデッドヘッドほど、デッドに対する期待値が高く、それが満たされない時の失望が大きいようだ。デッドの最低のショウでも、他のバンドの最高のコンサートをも凌ぐ、という意見もある一方で、こんなデッドは見たくないという声も根強い。
そうしたファンの期待がプレッシャーとなってガルシアに集中し、それに耐えるためにガルシアはドラッグに走る、という構図もある、と見えるのは、後知恵というものだろうか。(ゆ)
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