08月13日・土
Yiyun Li の新作 The Book Of Goose。FSG のニュースレターから PW のレヴューを読む。1996年、中国からアメリカに移住。ウィキペディアに記事があり、邦訳も5冊ある。エリザベス・ボゥエンが書評している第2次大戦後にフランスでいっとき流行った十代の著者による小説の1本に引っかかり、この本にまつわる話をネタとして書いた架空の歴史小説。ボゥエンが評した実在の本の著者の少女は文盲であることが後に判明する。リーの小説ではこれを巧妙にアレンジしている。面白そうだ。完全に第二言語で小説を書く、という点ではコンラッドの後継の一人。ユキミ・オガワもそうだな。
八木詠美の『空芯手帳』が Diary Of A Void として英訳されたのも PW の starred review にある。原書は筑摩で各国語版の版権がどんどん売れているらしい。いろいろな意味で国境は薄れている。
%本日のグレイトフル・デッド
08月13日には1966年から1991年まで6本のショウをしている。公式リリースは2本、うち完全版1本。
1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
土曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。共演ジェファーソン・エアプレイン。セット・リスト不明。
2. 1967 West Park, Ann Arbor, MI
日曜日。午後のショウで、あるいはフリー・コンサートか。詳細、セット・リスト不明。
3. 1975 The Great American Music Hall, San Francisco, CA
開演9時。この年4本だけ行なったグレイトフル・デッドとしてのショウの3本目。少数の招待客を相手に、翌月リリースの新譜《Blues For Allah》の全曲を演奏した。曲順はアルバム通りではなく、全体に散らされた。〈King Solomon's Marbles〉は第一部クローザー、〈Blues for Allah〉が第二部クローザー。
全体が《One From The Vault》でリリースされた。このアーカイブ・リリースはショウの全体が丸々公式にリリースされた初めてのもの。
FM放送されたため、早くからブートレグがあり、テープも広く出回っていた。
第一部4曲目で〈The Music Never Stopped〉がデビュー。
バーロゥ&ウィアの曲で、1995年06月28日まで233回演奏。演奏回数順では58位。〈Dark Star〉より3回少なく、〈Dire Wolf〉より6回多い。タイトル通り、デッドの音楽は止まらないことを象徴する1曲で、セットやショウのクローザーまたはオープナーになることが多い。
デッドの曲はまずライヴでデビューして最低でも1、2年は揉まれてからスタジオ盤に入ることが多いが、これは珍しく、レコードのために書かれている。
《Blues For Allah》全体が、白紙状態でスタジオに入ってから曲を作るという手法で制作されたので、このアルバムの曲はどれもライヴで練られてはいない。そのせいか、レパートリィに残った曲も他のレコードに比べて少ない。
オープナーの〈Help on the Way〉はヴォーカル入りではこれが初演。
ヴェニューは収容人員470のコンサート・ホール。元は1907年に建てられたホールで Blanco's という名称。一時、Misic Box と呼ばれた。1972年、改修されてこの名前になる。ロックだけではなく、ジャズ、フォーク、カントリー、レヴュー、バーレスクなど演し物は幅広い。当初はジャズが多かった。この日デッドとして出る前にガルシアはマール・ソーンダースやリージョン・オヴ・メアリ、ジェリィ・ガルシア・バンドでも出ている。
4. 1979 McNichols Arena, Denver, CO
月曜日。このヴェニュー2日連続の初日。9.35ドル。開演7時。
レッド・ロックスで3日間の予定だったが、雨が降りやまず、使えなくなって会場が変更になった。
アンコール〈Sugar Magnolia〉が2011年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
5. 1987 Red Rocks Amphitheatre, Morrison, CO
木曜日。このヴェニュー3日連続のランの楽日。17ドル。開演7時。
珍しくもアンコールに3曲。
6. 1991 Cal Expo Amphitheatre, Sacramento, CA
火曜日。このヴェニュー3日連続のランの中日。22.50ドル。開演7時。
出来は良いようだ。一度は聴く価値があるとのこと。(ゆ)
コメント