次のショウは 1991-03-24, Knickerbocker Arena, Albany, NY で、今回2回リリースされているので、14日リリースの〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉と21日リリースの〈Looks Like Rain> He's Gone〉を一緒に聴きます。この4曲は第二部冒頭からこの順番での続きで、この後は Drums。なお、〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉は2017年の《30 Days Of Dead》でリリース済です。《30 Days Of Dead》は未発表ライヴ音源を謳ってますが、回を重ねて重複も増えてきました。
またオープナーのメドレー〈Help On The Way> Slipknot!> Franklin's Tower〉が2016年の《30 Days Of Dead》でリリースされています。
ああ、そうそう、デッドの世界ではショウの年月日は 03-24-91 または March 24, 1991 と表記するのが習慣です。アメリカの習慣ですね。UK はじめアメリカ以外の英語圏なら 24-03-91 と書くところでしょう。いずれにしてもリストにしてソートする時に不便なので、あたしは1991-03-24 と書いています。
ショウはセント・パトリック・ディの03月17日にメリーランド州ランドーヴァーで始まった春のツアー二つ目の寄港地ニューヨーク州オルバニーでの三連荘の中日。開演午後7時半。料金は22.50ドルから。次はロングアイランドでまた三連荘してノース・カロライナ、ジョージア、フロリダと回ります。
ヴェニューは1990年代、毎年前半に回ったところです。1990-03-24に初めて出て、1995-06-25まで13回、ここで演奏しています。1990年01月30日にオープンした屋内多目的アリーナで、コンサートでは定員15,400弱。満杯に詰めると17,500入。カレッジ・スポーツとプロレスによく使われています。柿落しはフランク・シナトラで、コンサート会場として人気があり、デッドの他、ローリング・ストーンズ、U2、ブルース・スプリングスティーン、ポール・マッカトニー、ガース・ブルックス、ジャスティン・ティンバーレイクなどなど。現在は Times Union Center という名称。
〈China Cat Sunflower〉後半のジャムがまずすばらしい。ウェルニクがガルシアをうまくサポートしています。最後にビートが速くなるのもカッコいい。〈I Know You Rider〉に入ってもガルシアがギターを弾きやめません。歌も歌の後のジャムもいい。好演ヴァージョンと思います。一度曲は終り。
〈Looks Like Rain〉はバーロゥ&ウィア・コンビのベストの1曲。あたしはちょっとジャクソン・ブラウンに通じるところを感じます。西海岸の歌。この曲ではウィアのヴォーカルの裏で弾いてるガルシアのギターがいつも聞き物。ここでもウェルニクのサポートがいい。このショウにはブルース・ホーンスビィはいませんが、立派にアンサンブルの一角を支えてます。コーダに向けてのウィアのアドリブ的な歌唱がハマってます。ここは空回りすることも時にありますが、この日はいい。
曲は一度終りますが間髪を入れず、ガルシアが〈He's Gone〉のリフを始めます。かなりゆったりしたテンポ。ガルシアの歌唱はハリがあります。"Nothing gonna bring him back" のリピートのところで、ウェルニクが遠くで叫ぶのが面白い。そこから移るインストルメンタルのジャムも面白い。ウェルニクのソロ。ジャズですなあ。ウィアのギターの応答が粋。その後、おそらくガルシアはステージを去り、ドラムスが前面に出ますが、Drums に移行する前のジャムもまだまだいい。ウェルニクも引っこんで、残る4人でしばらく演るのは珍しいかも。
続く Drums ではハートの叩く大太鼓の低音が SBD でも割れています。こういう音は生で聴かないとわからないでしょう。おそらく耳だけでなく、カラダに響いてくるはず。
Space ではガルシアが MIDI でトランペットやフルートやの音を出すのが面白い。サウンドを変えるとまたインスピレーションが湧くらしい。
第二部後半もスイッチは切れず、とりわけクローザーの〈Standing On The Moon〉から〈Good Lovin'〉のメドレー。〈Standing On The Moon〉ではガルシアの歌唱もギターもエモーショナル。こういう感情たっぷりで感傷すれすれの演奏は90年代に入ってからのように思われます。それがやがて〈So Many Roads〉で極まりますが、ここではまだそこまではいかない。あたしはむしろ感情控えめの方が好きではあります。
〈Good Lovin'〉は、少し遅めのテンポでたっぷりしたタメをとって、前の曲とは一転して、いかにも楽しげ。ここもウィアのアドリブ歌唱がいい。この日のウィアのアドリブは冴えてます。(ゆ)
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