ささきさんの AirPods Pro 2 のレヴューは久しぶりの力作。最後の新約聖書からの引用(ヨハネ13章36節)が効いている。あちこちに分散している設定のリストはありがたい。

 ワイヤレス・イヤフォンの普及は iPhone からヘッドフォン・アウトをなくしたためだし、AirPods は決定的だった。これからはオーディオはプレーヤーと再生装置双方によるコンピュータ処理が前提というのもその通りと思う。AirPods Pro をあたしはイヤフォンというよりも、ノイズから耳を守るための ANC 装置として使っている。ZE8000 を買ってしまったから、今はそちらがメインになった。AirPods Pro 2 が iPhone とのペアで使うための汎用の製品なのに対し、ZE8000 はつなぐ相手は汎用だが、音は思いきりオーディオに振った製品、になろう。

 ヘッドフォンはどうだろう。AirPods Pro 2 が Max と同等なら、Max を買う価値はない。AirPods Max 2 はどうなるか。

 これはもはや装置の物理特性の範囲でじたばたするスピーカー・オーディオとはまったく別の世界になる。近いのは DAC 付きアクティヴ・スピーカーだが、部屋という要素が入るから、イヤフォンほどの細かいコントロールは効かず、したがってコンピュテーショナル・オーディオの効果もイヤフォン程には効かない、つまり従来オーディオとの違いが大きくないとも思われる。

 とはいえ、Airpulse はサウンド・ジュリアのような店でも音がいいと売れているようだから、いずれ、ネットワークプレーヤーと DAC 付きアクティヴ・スピーカーのペアという製品は出るだろう。そういえば、Airpulse は専用ドライバーをプレーヤー側で使うと音がよくなる、とサウンド・ジュリアが書いていた。これもコンピュテーショナル・オーディオの範疇だろう。プレーヤー側に入れた専用アプリとペアで使う DAC 付きアクティヴ・スピーカーがスピーカーのデフォルトになるか。(ゆ)