グレイトフル・デッドの《Blues For Allah (50th Anniversary Deluxe Edition)》のアナウンスが出ました。全てのフォーマットが9月12日発売。
形態は CD3枚組、アナログが2種類、ファイル・ダウンロード2種類。それに今回はブルーレイ・ディスク版が出ます。これには Dolby Atmos 5.1、ハイレゾ・ステレオ、そしてカラオケ用ミックスのファイルが収められます。これのみ Dead.net ではなく、Rhino のサイトでの販売。3,000セット限定。
アナログ・ディスクは、ピクチャー・ディスクが7,500セット限定。カラー・ディスクの方にはオリジナルの歌詞カードの精巧な複製、英語とアラビア語訳が付録。3,000セット限定。
ファイル・ダウンロードはいつもと同じ flac と alac。flac はハイレゾ。
CDとファイルの中身はオリジナル・アルバムのリマスタリング版に加えて
1975-08-12, Great American Music Hall, San Francisco, CA Soundcheck/Rehearsal
1975-03-23, Kezar Stadium, San Francisco, CA
1976-06-21 & 06-22, Tower Theater, Upper Darby, PA
からの音源が収録されます。
グレイト・アメリカン・ミュージック・ホールでのショウは招待客のみの聴衆にこのアルバムのお披露目をしました。ショウ本体の全体は《One From The Vault》1991でリリースされています。
ケザー・スタジアムでのショウは、この年4本だけ行なったショウの最初のもので、2004年のボックス・セット《Beyond Description》のボーナス・ディスクでリリースされています。
タワー・シアターでのショウはここでの3日連続のランの最初の2日間。この2日間からは2005年の《Download Series, Vol. 4》で一部がリリースされていますが、それらとの重複は無い模様。
アナログとブルーレイ・ディスク版にはオリジナル・アルバムのみ収録です。
デッドは新曲をまずライヴでデビューさせ、ライヴで何度も演奏することで揉んでからスタジオ盤に収録するのが常でした。中にはスタジオ盤にはとうとう入らなかった定番曲も少なくありません。
《Blues For Allah》収録曲はデッドでは唯一、全曲、このアルバムのために書かれ、アルバムでデビューしています。ライヴではこれ以前には演奏していません。
タイトル曲はデッドが得意とし、大好きでもあった組曲形式ですが、わずか3回の演奏、それも1975年中だけで終りました。つまりはライヴで演奏するのが面白くならなかった、ということでしょう。むろんそういうことはこれが初めてではなく、最後でもありません。ただ、この曲の失敗から学ぶことによって〈Terrapin Staiton〉が生まれた、というのがあたしの見立てです。デッドの場合、失敗も後から見ると実に面白い、というのもまたデッドを今聴く醍醐味の一つではあります。(ゆ)

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