XLD の使い方は当ブログでダントツの人気記事ですが、先日久しぶりに追加の記述をしてみたら、さすがに10年以上経ち、あちこちずれてきていたので改訂しました。
XLD は多機能なアプリなので、これで全部というわけではありません。ここに書いたのは基本的なところですし、ぼくが自分で「発見」したもので、作者に確認したわけではありませんので、まっとうな使い方からははずれたところもある可能性があります。ご了承願います。
まず、これは Mac OS 専用のアプリです。10.4 以降で使えます。今は XLD64 という名称です。無料です。でも、恩恵を感じたらメニューの左端「XLD」の下にある「寄付」からいくらかでも寄付しましょう。
公式サイト。下の方のダウンロードの欄にある dmg ファイルをクリック。SourceForge に跳んで、自動的にダウンロードが始まります。
終わったら、ディスク・イメージをダブル・クリックします。ディスクが開きます。その中の XLD64.app を「アプリケーション」フォルダにコピーします。
他の場所に置いても動作するかもしれませんが、OS X ではアプリは「アプリケーション」フォルダに置くのが基本です。他のところに置くといろいろめんどうなことが起きたりします。
アプリを起動します。
かつてはセキュリティのため、ほんとうに開いていいかどうか、たずねるダイアローグが開いたり、あるいは起動できなかったりしましたが、今はだいぶ仕組みが変わってます。macOS の「システム設定>「プライバシーとセキュリティ」の下の方、セキュリティのところ「アプリケーションの実行許可」で「App Store と既知のデベロッパ」を選択しておくと特に面倒はないでしょう。
XLD を起動しても、メニュー・バーが変わるだけで、画面に変化はありません。起動は一瞬ですんでしまうので、メニュー・バーや Dock に注意してください。
CD リッパーとして
CDを入れると、デフォルトでは「ミュージック」が立ち上がるでしょう。CDの中身が ミュージック に出たら、XLD に移ってメニュー・バーの「ファイル」メニューから「オーディオCDを開く」を選択。「オーディオCDが見つかりません」と出ていたら、その下の「リストを更新」を選択してから、もう一度CDを開きます。
「リストを更新」しても「オーディオCDが見つかりません」が出たら、入れたディスクがオーディオ CD ではない可能性があります。または Mac と CDリーダーの接続をやりなおしてみてください。
すると CD が デスクトップから消えて、XLD が読み込み、中身を示すウインドウが開きます。
CDからリッピングする際のファイルの形式などは「設定」で設定します。
一番左「一般」のタブ。
「出力フォーマット」でファイルの形式を選びます。サウンド・ファイルの形式などについては、検索して勉強しましょう。
というのも不親切なので主なものだけ簡単に書きます。
WAV ウィンドウズの標準形式。音は良いといわれますが、メタデータをファイルに埋込めないのは要注意。
AIFF Mac の標準形式。
この二つは圧縮をしません。CDと同じファイル・サイズになります。通常CD1枚約640MB。
ALAC = Apple Lossless Audio Codec
Apple が開発したものですが、今はオープン・ソースになっています。
FLAC = Free Lossless Audio Codec
はじめからオープン・ソースで開発されてます。ハイレゾ音源はこの形式が多いです。
以上二つは可逆圧縮形式、つまり元のCDのファイルに戻せます。ファイル・サイズはCDのほぼ半分です。
MPEG-4 AAC
iTunes Store のデフォルト形式。
Lame MP3 MP3 の一種で、単純な MP3 より音が良いとされてます。
この2つは不可逆圧縮です。
この2つは不可逆圧縮です。
FLAC、AAC と MP3 でオプションをクリックするといろいろ出てきますが、わからなければデフォルトのままで十分です。
「出力先」
CDからリッピングする場合はデフォルトの「入力ファイルと同じ」にするとCDと同じになり、書込めないのでエラーになります。「指定」を選んで、「選択」ボタンをクリックして、ダイアローグからお好みの場所をどうぞ。
その下は始めはあまりいじる必要はありません。「30サンプル問題」は検索するといろいろ出てきます。「可能であれば変換後にファイルを iTunes に追加」は、iTunes が扱えるファイル形式を選んだときだけ有効です。
2番目の「ファイル名」のタブは、リッピングしたファイルに名前をつける形式の指定です。以前は「一般」のタブにありました。一番上、「ファイル名の書式」で「指定」を選び、枠の中にカーソルを置くと記号とその意味の一覧が出ます。
5番目の「CD読み込み」のタブに移ります。
「読み込みモード」は「XLD Secure Ripper」を選びます。これが肝心。その下の「C2 エラーの情報を利用する」にチェックを入れます。より正確なリッピングができます。
「読み込みオフセット訂正値」で「可能ならば自動的に設定」にチェックを入れれば、自動的に設定されます。
「ドライブの速度制御」は読み込む際の速度を指定できます。遅い方がより正確と言われますが、ご自分でいろいろ試してみてください。
「AccurateRip データベースで整合性を確認する」もチェックします。AccurateRip は検索すればいろいろ出てきます。いわゆるセキュリティ・リッピングを可能にするデータベースです。このオプションをオンにすることで、より正確なリッピングができるようになります。
なお、今設定したものはプロファイルのメニューで保存、管理ができます。複数のプロファイルを作って保存できます。
CD のメタデータすなわちタイトル、アーティスト、各トラックの名称、作曲家、ジャンル、発表年などの付属データを編集したい場合は左から4番目の「メタデータ」のタブでできます。
CDの中身が出ているウィンドウで、そのままでよければ「読み込む」ボタンをクリックします。
CD のタイトル、アーティスト、各トラックの名前が出ていない場合、「メタデータを取得」をクリックすると出てくる場合があります。ここで「このディスクは CDDB にありません」と出たら、一度ウィンドウを閉じ、「ミュージック」アプリに移るか、起動します。そちらで左側の CD アイコンをクリックすると CD の中身が出ます。初めはやはり情報がありませんが、少し待っていると出ます。自主製作盤などでないかぎりは、たいてい出てきます。出たら「ミュージック」を終了させるか、XLD に移って、「オーディオ CD を開く」をクリックすると、今「ミュージック」で情報を読みこんだ CD のタイトルが出ています。それを開きます。
XLD がアクセスしている CDDB は MusicBrainz と FreeDB です。どちらを優先するかは「設定> CDDB」でできます。
「ミュージック」でも「CDDB にありません」と出たら、諦めて手入力します。
ジャケットが出ていなかったら、メニュー・バーの CDDB をクリックすると、一番下に「カバーアートを検索」があります。Amazon を検索し、候補を示します。選んで画像をクリックすると読み込まれます。ただし、これを利用するには、Amazon Web Service のアカウントを作ることが必要です。その上で発行される Access Key と Secret Key を「環境設定」の「CDDB」のタブにある Amazon のコーナーに入力します。ただ、ぼくの環境ではある時期からこれが使用できなくなりました。今は、ブラウザで検索して画像をコピペしています。
画像をペーストするには、ジャケットの欄を Ctrl を押しながらクリックします。
CD内容を示すウィンドウ上端左側のメニューは、デフォルトでは「すべてのトラックのプリギャップを含める」になっています。各トラックが個別のファイルになります。
「一つのファイル(+cue)として保存」を選ぶと、全トラックが一個のファイルになり、cue シートと log ファイルが別にできます。この方が音が良い、という説があります。また、全体のファイル・サイズも若干小さくなります。
プレーヤーによって cue シートを受け付けるものと受け付けないものがありますので、お使いのプレーヤーやアプリで確認しておきましょう。
cue シートにすると普通のタグ・エディターではタグの編集はできません。XLD で開けば編集できます。
「読み込む」ボタンをクリックすると進行を示す別ウィンドウが開きます。デフォルトでは設定したスレッド数のトラックが同時にリッピングされます。ただ、設定できるのは「最大スレッド数」なので、条件によってその数以下のスレッドになります。デスクトップからは CD が消えます。
リッピングが終われば、アラートが鳴って、ログ・ファイルが示されます。そのまま保存もできます。デフォルトでは CD が自動的に排出されます。
なお、CD や cue シートは複数開くこともできます。いくつまで同時に開けるかは不明です。ぼくは20枚ほど開いたことがあります。
ファイル形式の変換
変換先のファイル形式を「設定」で選んでおき、変換したいファイルを、たとえば Dock の XLD アイコンにドラッグ&ドロップします。
CD 1枚まるごと変換することもできます。たとえばリッピングするのは AIFF でやり、DAP 用のマイクロSDカードに入れる際に flac に変換したりする時です。
1. ファイル・メニュー > フォルダをディスクとして開く……をクリック。
2. ダイアログで開きたい対象のフォルダを選択。
3. XLD でフォルダが開かれたら、ファイル・メニューの XLD> 設定> 出力フォーマットでファイル・フォーマットを選択。
4. その下の「出力先」で目標のフォルダを選択。
5. 設定ウィンドウを閉じて、ディスクのウィンドウの上端右側に並んでいるアイコンの一番左、「変換する」をクリック。
5. で設定ウィンドウを閉じなくても結果に違いはないようですが、ぼくは念のため閉じてます。
開く対象のフォルダの中身が AAC ファイルの場合、そのままでは XLD で開くことができません。Source Forge の XLD のページからプラグイン・ファイル
XLDAacDecoder-20231005.zip
をダウンロードし、zip ファイルを解凍します。解凍してできた bundle の拡張子のファイルを
/Users/(user name)/Library/Application Support/XLD/PlugIns
に入れてから XLD を立上げます。
再生機能
XLD には再生機能もあります。メニュー「ウィンドウ」の下に「プレイヤーを表示」があります。これで表れるプレイヤーにトラックをドラッグ&ドロップします。cue シートをドラッグ&ドロップすると、CD1枚全部再生できます。最低限の機能だけで、プレイリストなど、専用プレーヤー・アプリではあたりまえの機能はありません。ただし、音はすばらしいです。単に再生するだけなら、これで満足するオーディオ・ファンも少なくないんじゃないかというレベルです。
世の中はすっかりストリーミングで、CD もいつまであるか、という状況ではあります。Bandcamp で買えば、ファイルのダウンロード権もついてきて、しかもハイレゾ・ファイルだったりします。とはいえ、CD は案外根強く残っています。CD が生き残っているうちは XLD の出番もまだまだありますね。お楽しみを。(ゆ)

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