クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

カテゴリ: Net

08月08日・月
 1330過ぎ、ネットがつながっていた。ルータの Active ランプが点灯しているのに気付いて試すと問題なくつながる。何も無しにいきなり切れたから、またいきなりつながるかと思い、電源を入れっぱなしにしておいたら、案の定であった。まったく原因不明。切れた時刻も復帰した時刻もほぼ同じ。ちょうど6日間。あるいはこのあたりのどこかの工事で何かでやらかしたのをこっそり直したのかもしれない。


%本日のグレイトフル・デッド
 08月08日には1982年に1本だけショウをしている。公式リリースは無し。

1982 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
 日曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。16ドル。
 第二部 drums> space にザキール・フセイン、クローザーの〈Not Fade Away> Wharf Rat> Good Lovin'〉にジョン・チポリーナが各々参加。
 前夜に勝るとも劣らない出来だそうだ。(ゆ)

08月07日・日
 水曜昼以来、WiFi がネットにつながらない件、無線ルータ回りをいろいろやってみる。VSDLモデムとつなぐケーブルを替えてみたり、あらためてプロバイダのパスワードを入れなおしてみたり、いじれる設定をいじれるだけいじってみるが、まったく変化なし。 ルータの ACTIVE ランプがぴかぴかと点滅しているのは同じで、これはつまりインターネットへの接続先からの応答が無いということだそうだ。NEC の Aterm サポートにメールを出してもみる。

 ネットには iPhone のテザリング経由で必要最小限だけつなぐ。

 総とっかえすることにしたが、開通までは2〜3週間というので、つなぎも兼ねて WiMAX の無料トライアルを申込む。


%本日のグレイトフル・デッド
 08月07日には1971年と1982年の2本のショウをしている。どちらも完全版が出ている。
 1966年にもこの日にショウをしていると DeadLists にあり、ポスターとチケットも残っているらしいが、DeadBase X でキャンセルとされている、との記載あり。DeadBase 50 とそこに含まれる XI にはまったく記載無し。

1. 1971 Golden Hall, San Diego, CA
 土曜日。南カリフォルニア3日連続のランの楽日。バルコニー3.50ドル、メイン・フロア4ドル。開演8時。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座。
 《Dick's Picks, Vol. 35》で全体がリリースされた。2時間少し超えるこの時期としては短かいショウ。
 この録音はいわゆる "The Houseboat Tapes" の1本。《Dick's Picks, Vol. 35》に収められた3本のショウの録音すべてがそうで、このショウは完全だったが、他の2本は一部テープが修復不可能で、ショウの全部ではない。
 "The Houseboat Tapes" は、1971年にキース・ガチョーが加わった際、ガルシアがキースに渡した一箱のテープでこの年夏のツアーの録音。デッドの音楽を研究するようにという意図だったが、キースはまったく聴かずに、両親のボートハウスにこれを置いた。2005年春になって、キースの兄弟ブライアンと息子のシオンがこのボートハウスの整理をしていて、テープの詰まった箱を見つけた。かれらはその箱をドナ・ジーン・ガチョー=マッケイに送った。ドナは中身を見て仰天し、デッドのアーカイヴィスト、デヴィッド・レミューに電話した。そこに含まれていたのは、1971年04月28、29日のフィルモア・イースト、08月14、15日の Berkley Community Theatre の全体など。前者は《Ladies And Gentlemen…》の一部として別の録音からすでにリリースされていたが、後者はまだ出ていない。

2. 1982 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
 土曜日。このヴェニュー2日連続の初日。
 《Dick's Picks, Vol. 32》で全体がリリースされた。ただし、CD2枚に収めるためだろう、drums, space とクローザー〈One More Saturday Night〉は編集されている。
 ヴェニューがあるのは近くには何もない田舎だが、マディソン、ミルウォーキー、ロックフォード、シカゴからほぼ等距離にあるので、動員力は大きい。1977年にオープンした37,000のキャパシティの屋外アンフィシアターで、7,500人分は屋根がある。アンフィシアターのサイズでは全米でも1、2を争う。デッドのお気に入りのヴェニューの一つで1980年08月23日から1989年07月19日まで、20回演奏している。1984年から89年まで毎年夏のツアーに組み込まれた。デッドヘッドはショウで踊りたい人間も多いから、こういう構造のヴェニューはファンにも人気がある。
 ショウ全体が公式リリースされているのはこれのみ。他に1981年07月11日から1曲が2012年の《30 Days Of Dead》、1989年07月17日と19日から1曲ずつが《Fallout From The Phil Zone》、07月19日からは他に1曲が《Beyond Description》、さらに3曲がビデオ《Downhill From Here》でリリースされた。(ゆ)

オープンしていました。

    興味深いのはコラムのコーナーで、これまで共演したり、関ってきたミュージシャンたちについて書いていくとのことで、城田さんにしか書けない話が読めるのでは、と期待します。
    
    サンフランシスコの The Stars and The Plough には想い出があります。もう15年前になりますが、サンフランシスコのケルティック・ミュージック・フェスティヴァルに一度だけ行ったことがあります。ドーナル・ラニィのバンド、クールフィンが2日間のトリを勤めるというので、プランクトンのKさんの誘いにのって、週末、金曜発ちの火曜帰りという強行軍で行きました。この時にはドーナルたちの他にも、キーラも出ていましたし、ポール・オショーネシィ、ブレンダン・ベグリーたちのビギニッシュや、ルナサのショーン・スミスの妹のブリーダ・スミス(ホイッスルがすばらしかった)が属していたラホーンズ、ケープ・ブルトンのウェンディ・マクアイザック&ジャッキィ・ダンなどもいました。もっとも何といっても凄かったのは、初めて見たマーティン・ヘイズ&デニス・カヒルのライヴではありました。
    
    たしかその二日目の晩、セッションがあるというので、 The Stars and The Plough にでかけました。セッションは「客演」のポール・オショーネシィが引張るかたちで、周囲の常連らしい人たちはオショーネシィが次から次へと繰り出すチューンが知っていると加わり、知らないときははずれる、という感じ。初老の男性がホイッスルでひとり互角に渡りあっていたのが印象的でした。
    
    セッションが始まってしばらくしてから、となりに座っていた若い女性がやおらアコーディオンを持ち出して加わりました。ジョセフィン・マーシュでした。べろんべろんに酔払っていて、大丈夫かいなと思って見ていたら、いざ演奏しだすと酒が入っている気配も見せません。あるいはいつもあんな様子なのか。
    
    その時には城田さんがこのパブでのセッションの常連とも知らず、というよりそもそも城田さんがアイリッシュのギターを弾いていることすら知りませんでした。 城田さんがあそこのセッションに通っていたのは、おそらくその少し前の時期と思われますが、一度現場を見たかったことであります。
    
    城田さんのギターは内藤さんとデュオでやるようになって、また1枚剥けたように思います。数多くの名手、天才と共演してきた城田さんが、この子にはそうした人たちと肩を並べるだけのものがある、と感じただけあって、内藤さんにも城田さんを刺戟するものがあるのでしょう。
    
    城田さんも言うように、ギターはアイリッシュ・ミュージックにあっては「はぐれ者」のところがあります。おそらく永遠に、とまではいかなくとも、当分の間は「はぐれ者」のままでしょう。だからこそ、ギターのアイリッシュ・ミュージックへの貢献は、他の楽器にはできないところがあります。他の楽器にはできない角度からアイリッシュ・ミュージックの面白さを浮き上がらせてくれます。
    
    城田さんのこのコラムからもそうした貢献、面白さが味わえるのではないか、とすでにアップされている記事を読むと思います。ギタリストだけでなく、他の楽器の演奏者にとっても、また演奏者だけでなく、リスナーにとっても、様々なヒントやインスピレーションの元が鏤められているはずです。(ゆ)

    毎年末年初恒例のアイルランドはドニゴールで開催されている「フランキィ・ケネディ・ウィンター・スクール」でのコンサートがインターネット・ラジオでストリーミング放送されているそうです。

    日本では早朝になってしまいますが、早起きまたは遅寝する価値はあるでしょう、たぶん。
   
    今年のヨーロッパは温暖化の影響による大寒波で、アイルランドも交通機関が大混乱だそうです。ドニゴールもさぞかし寒いことと思いますが、そんなことは吹き飛ばす熱い音楽が聞けることでありましょう。(ゆ)
   
   
Thanx!> 熊谷さん@ドニゴール

Three Score and Ten: A Voice to the People    ピーター・バラカンさんの NHK-FM 土曜朝の「ウィークエンド・サンシャイン」に出させていただきます。昨日収録があり、放送は今週土曜日12日朝07:15からです。「ケルティック・クリスマス」メイン・アクトの日の朝です。そういえば、明日、金曜日朝の InterFM のバラカンさんの番組にアルタンが生出演するそうです。
   
    今回のお題は「民衆のうたを伝えて70年——英国最古のインディーズ・レーベル Topic Records」。先日出た70周年記念ボックス《THREE SCORE AND TEN》を中心に、ふだん、メディアには流れないだろう音源をかけさせていただきました。フランキー・アームストロング(このカヴァーに映っている女性シンガー)とか、ジューン・テイバーとか、アーチー・フィッシャーとか、クリス・フォスターとか、かけられて、個人的には幸せでしたが、さてリスナーの反応はどうでしょうか。
   
    これはボックスというよりも、100ページ超のハードカヴァーの本に7枚のCDを組み込んだ形です。トピック70年のエッセンス、ということはアイルランド、スコットランド、イングランドの伝統音楽、ルーツ・ミュージックの戦後史でもあります。フィールド録音から、ばりばり最先端の同時代音楽まで。その広がりは時空を超えてゆきます。これについてはメルマガ本誌で精聴を試みていますので、そちらもどうぞ。最新号のバック・ナンバーはこちら。

    かけた曲のリストなどは番組のウエブ・サイトに載りますし、ここでも解説します。うたが多いので、歌詞と大意も放送後に載せます。
   
    まさか、一年に二度、出演できるとは思ってませんでした。バラカンさんには感謝感謝。(ゆ)

ダブリン在住のハーパー、村上淳志さんの動画。





この他にも〈Star above the Garter> Lonesome Jig〉もやっています。〈Take 5〉やマイケル・ナイマンのピアノ曲もやっていて、かなり意欲的。こういう挑戦はもっとどんどんやっていただきたい。


いやしかし、こういう人もいるんですね。(ゆ)


Thanx! > miyasun

    リズ・キャロルとジョン・ドイルのデュオが今年の聖パトリック・デイに、オバマ大統領の晩餐会に招かれて、大統領やアイルランド首相など、お偉方の前で1セット披露した件。

    そういえば、リズの故郷シカゴはオバマ大統領にとっても本拠地でした。(ゆ)





Thanx! > IrishArtsCenter@NY

    現役最高のオールドタイム・バンドと編集部が信じるカロライナ・チョコレート・ドロップスの先日のワシントン、DCでのライヴが、会場の国立アメリカン・インディアン博物館のサイトにあがっています

    全体は約80分のストリーミングで、CCD は前半分。実に実にサイコーのライヴ。画面を見ながら、思わず拍手してしまいます。これだけまとまって映像が見られるのは、初めてでしょう。
   
    先日亡くなったマイク・シーガーの名前も出して、今ぼくらがここでこういう音楽をやっているのはかれのおかげだとドムが言っていましたが、かれらこそは21世紀のニュー・ロスト・シティ・ランブラーズと呼ばれる資格は十分。そして汲みあげてくる源泉のヴァラエティの豊富なことでは、先輩たちを凌ぎます。マイク・シーガーたちはやはり白人がメインだったのではないか、とCCDを聞いていると思われます。黒人の文化に流れこんでいた、あるいはかれらが日常的に接触していた文化は、白人たちのものより実は遥かに多様で、幅広かったのでしょう。
   
    それを強く感じたのはリアノンがフィドルを持つときで、その際彼女が弾いたりうたったりする曲はあきらかに東欧やケルト系のメロディです。例えば冒頭から20分経過ぐらいから始まる、ジャスティンが手拍子と足拍子、ドムともう一人のゲストがそれぞれ両手にボーンズを持っての曲。
   
    もうひとつはドムが小型のパンパイプとブルース・ハープで披露した小品。声をアクセントに使う曲。こちらはアフリカにまっすぐつながっているようです。
   
    舞台さばきも堂に入ったもので、アンコール前の曲でのドムの「ドブロ回し」やリアノンのダンスも見せます。
   
    それにしても、出産のせいかリアノンが急に貫禄たっぷりになっていたのは少々びっくり。もっともその分、ヴォーカルに力が増すとともに深みが出て、いよいようたうたいとして成熟してきました。このライヴははじめから最後までハイライトの連続ですが、リアノンのうたはその中でも聞き物です。


    ちなみに後半はカナダ在住のインディアンがメンバーである4人組ブルース・バンド。良質の音楽を聞かせてくれますが、インディアンの伝統はほとんど感じられません。(ゆ)

    RTE One という番組でのライヴが YouTube に2曲あがっています。つい最近のものらしい。さすが、カメラ・ワークもこなれたものです。
〈The blacksmith〉
〈The plains of Kildare〉

    ほんとに年をとるにつれて良くなっていて、ふたりとも元気いっぱい。アンディのうたの間合のとりかたには脱帽するしかありません。〈The blacksmith〉後半のインスト部分のアレンジもまた変わっている。
   
    横にいるのはマレード・ニ・ウィニーですね。たぶん司会かなにかなんでしょう。
   
    なお、ネタ元はこちら

    やはり YouTube にある1977年のプランクシティのライヴとの比較です。(ゆ)

     金沢大学の粕谷さんからお知らせをいただきました。
   
    今週の木曜日、真っ昼間ですが、金沢の「えふえむエヌワン」に出演されて、アラブ音楽のお話をされるそうです。インターネットでも聞けるそうですので、ぜひどうぞ。粕谷さんのことなので、アラブのなかでもアルジェリアが中心にはなるでしょう。
   
    アラブ音楽はアイリッシュ・ミュージックとも地下水脈でつながっている、といわれてます。むろん、ひと口にアラブ音楽といってもおそろしく多種多様ですから、こういうモノのわかった方の案内についてゆくと迷子にならずにすむかも。もっとも、迷子になったらなったで、それもまた楽しいですが。

--引用開始--
    金沢のコミュニティラジオ、えふえむエヌワン 76.3mHz
http://fmn1.jp/
で4月2日(木)午前10時15分から11時15分の「ジャンおぢのソウルダイナマイト」にゲストとして出演、アラブ音楽を聞きながらお話させていただくことになりました。

    DJは金沢随一のCDショップ、レコードジャングル店主の中村政利さんです。生放送です。

    上記のサイトの右上のところから入ると、インターネットで放送を聴くことができます。
--引用終了--


    先日亡くなった Seamus Creagh の追悼とか、こないだ聴きにいった O'Jizo のライヴの感想とか、書きたいものも多々あるし、バーンズの歌詞対訳もしたいのですが、例によって浮気の虫がうずいて、なかなか進みません。しかも、今回は巨人、ハリボテではない、モノホンの巨人が相手なので、いつ帰ってこられるか(爆)。気長におつきあいのほどを。
   
    ひとつだけ、O'Jizo はすばらしいです。旬、だと思います。結構頻繁にライヴをやってますから、どこかで一度は体験することをお薦めします。


    そうそう、臨時収入があったので、Yuin G2A も注文しちまいました。今週中には着くでしょう。そちらの報告もいずれ。(ゆ)

聴いて学ぶ アイルランド音楽 (CD付き)    今朝 NHK-FM で放送されたピーター・バラカンさんの「ウィークエンド・サンシャイン」のトラック・リストです。個々のミュージシャン、音源についてはいずれ詳しく書きます。今、ちょっととりこみ中なので。

    今回は『聴いて学ぶアイルランド音楽』刊行記念ということで、本の内容にちなんだ選曲をしています。ページ数は本の該当ページです。





01. 025pp.,  The Hills Of Coor/ Junior Crehan's - Hornpipes, Anders Trabjerg & Tak Tamura, FOR THE SAME REASON, 2004, Junior Crehan
    本書冒頭のセッションを主宰するジュニア・クリーハン作曲のホーンパイプ。1曲めは故郷クーアを記念したもの。演奏するのはデンマーク人アコーディオン奏者と日本人フィドラー。アイルランドで出会ったふたりの共演。

    アナス・トラビェアはてっきりオランダ人と思いこんでいたので、番組中でもそう言っていますが、あらためて調べてみたらデンマーク人でした。お詫びして訂正します。


02. 030pp., The Drunken Gauger (Jig), Ronan Browne & Peter O'Loughlin, THE SOUTH WEST WIND, 1988, Trad.
    なかなか教えてくれない師匠から、ジュニア・クリーハンが友人の協力で「盗んだ」ジグ。フィドルとパイプの演奏。


03. 032pp., The Girl That Broke My Heart, Martin Hayes & Dennis Cahill, WELCOME HERE AGAIN, 2007, Trad.
    ジュニア・クリーハンが奥さんをくどいた曲。同じくクレアのマーティン・ヘイズの演奏。


04. 043pp., George Brabazon/ Planxty Hewlett, Anne-Marie O'Farrell & Cormac De Barra, DOUBLE STRUNG, 2005, Turlough O'Carolan
    カロランのハープ・チューンの現代的演奏。2台のハープによる形は新しい。


05. 045pp.,  Silent, O Moyle, Anuna, ANUNA 2002, 2002, Thomas Moore & Trad.
    ここからはしばらくうたを聴きます。まずは19世紀に出版され、後世に大きな影響をあたえたトマス・ムーアの代表曲。ムーアの曲はいわゆる「アイリッシュ・テナー」によってうたわれることが多いのですが、ここでは珍しく女性ヴォーカルで。

    この曲の下になったのはリアの娘フィヌーラの物語。フィヌーラは継母のイーファによって白鳥に姿を変えられ、アイルランドの川や湖を何百年もさまよわねばならなかった。その呪いを解いたのはアイルランドにやってきたキリスト教のミサを告げる鐘の音だった。

    これはアイルランドでは有名な伝説ですが、トマス・ムーアはこれをもとにして、英国からの解放の鐘が鳴るまで苦しみつづけるアイルランドの姿を白鳥に投影しています。
モイルはアイルランド北部アントリム州の北端バリキャッスル周辺の地域名。

Joanna Fagan: lead vocals
Denise Kelly: harp


06. 061pp., The Foggy Dew, The Alias Acoustic Band, 1798 - 1998 IRISH SONGS OF REBELLION, RESISTANCE & RECONCILIATION, 1998, Trad.
    歴史ぬきにアイルランド音楽は聴けません。最終的に英国からの独立につながった1916年のイースター蜂起のうた。

Ron Kavana: vocals, guitar
Andy Martyn?: slide guitar
Miriam Kavana?: fiddle
Brian McNeill?: mandolin
Tomas Lynch: uillean pipes


07. 113pp.,  The Grey Cock, Chris Foster, JEWELS, 2004, Trad.
    ここから著者が参加したゴーリーン・シンガーズ・クラブのセッションでうたわれたうたを再体験してみます。これは最初の若者がうたう「ナイト・ヴィジティング・ソング(夜這いうた)」の代表曲。うたうのはイングランドのシンガーですが、ソースはバーミンガムに住んでいたアイルランド移民セシリア・コステロ。


08. 119pp.,  Tá Bó Agam Ar An tSliabh (Away upon the mountain blow), Micho Russell, CEOL AGUS FOINN SCOIL SAMHRAIDH WILLIE CLANCY, 1990, Trad.
    アイルランド語と英語の歌詞を交互にうたうマカロニックのうた。うたうのはウィリー・クランシィとともに、クレアの寒村ミルタウン・モルベイを伝統音楽のメッカにしたマイコ・ラッセル。ウィリー・クランシィ・サマー・スクールでのライヴ録音。アイルランド語でもこういうユーモラスなうたもあります。


09. 119pp.,  Siúil A Rún, Hajime Chitose 元ちとせ, 蛍星, 2008, Trad.
    これもマカロニックの〈シューラ・ルーン〉。元ちとせがチーフテンズと共演した録音。

    アイルランドの伝統曲ではかなりの有名曲で、たくさんの人が歌っています。ピーター・ポール&マリーのヒット曲「虹に消えた恋」の原曲であり、こちらのカヴァーもたくさんあり、比較的最近ではボニー・レイットも歌っています。

    十七世紀末、名誉革命でイングランドを追われたジェイムズ二世がプロテスタント側のウィリアム王の軍とアイルランドで戦ったことを題材に成立した歌といわれます。その時ジェイムズ側に参戦したアイルランドの兵士が戦い破れて大陸に渡らねばならなくなり、その兵士の恋人が兵士への想いを歌うのがテーマ。リフレイン部分はアイルランド語で、タイトルの意味は「道中ご無事で」。この部分だけがアイルランド語のまま残っているのは、詩の美しさのゆえと思われます。


10. 120pp., Done With Bonaparte, Niamh Parsons, HEART'S DESIRE, 2002, Mark Knopfler & Trad.
    マーク・ノップラーの手になるナポレオン・ソング。うたうのはアイルランド現役最高のシンガーのひとり。彼女がこのうたを知ったのはゴーリーン・シンガーズ・クラブのジェリー・オライリィがうたうのを聞いたことによります。オライリィは本文にも出てくるテリィ・モイランから詞を見せられて、シェイマス・エニスが演奏していた伝統曲〈Valentia Island〉に乗せました。ここではそちらの版。

Niamh Parsons: vocals
Mick Kinsella: harmonica
Graham Dunne: gutiar


11. 147pp.,  The Parting Glass, Joe Holmes & Len Graham, A LIVING THING, 1979,  Trad.
    レン・グレアムとうた仲間のジョー・ホームズのデュエット。ユニゾンではなく、コーラスとも言いがたい、ふしぎな共演。後半はリルティングになります。

    アイルランドではパブの閉店の音楽として有名ですが、ふたりがうたっているのは他では聞いたことのない版で、レン・グレアムのライナーによれば、40年ぶりにカナダから帰ってきたアントリム出身の友人から教わった由。とすれば、カナダ版かもしれません。


12. 158pp., Riverdance, Brendan Power, PLAYS THE MUSIC FROM RIVERDANCE, 1997, Bill Whelan
    アイルランド音楽の最先端の例として、『リバーダンス』の音楽から。演奏するのはオーストラリア生まれのハーモニカ奏者。

Brendan Power: harmonicas
Des Moore: guitar
Jim Higgins: bodhran, percussion
Ken Edge: sax
John Hogan: sax
Geoff Castle: keyboards
Chris Haigh: fiddle
George Petrov: gadulka


13. An Mhaighdean Mhara (Mermaid), Shanachie, TIME BLUE, 2008, Trad.
    近年、急速に力をつけてきている日本人ミュージシャンのなかから、実例をふたつ。こちらは大阪の女性ばかりのカルテット。曲はアイルランド語のうたで、アルタンやアヌーナがとりあげて有名。

河原のりこ: vocal
みどり: fiddle
Aki: percussions (djembe, conga, cuiro, claves maracas, tamboruien)
上原奈未: synthesizer, organ, harp


14. Abbey Reel Set, Modern Irish Project, MIP LIVE, 2008, Trad.
    こちらは東京の、フィドル、ギター、ドラムスのトリオ。3曲のリールのセット。

大渕愛子: fiddle
長尾晃司: guitar
田嶋友輔: drums


15. 025pp.,  An Buachaill Caol Dubh (The Dark Slender Boy), Willie Clancy, The Pipering Of Willie Clancy, Vol. 2, 1973, 2:21, 17 / 24, , Trad.
はじめにかけたジュニア・クリーハンの親友で、ウィリー・クランシィ・サマー・スクールのもととなったパイパー/ホイッスル奏者/シンガーによるパイプ演奏でお別れ。曲は有名なスロー・エアで、ルナサのキリアン・ヴァレリィもよく演奏しています。

    日経の報道

    「ネットワーク音楽著作権連絡協議会」というのが、よくわかりません。サイトを見ても、2006年以降の活動実態がない。どうやら社団法人音楽電子事業協会が中心になっていたのかな。こちらは MIDI規格の管理団体のようですね。カラオケもからんでます。
   
    となると、これが YouTube その他、ネット上での利用にもかかわってくるのかはまだ不明。公取委の命令に関係あるのかもまだ不明。まあ、要注目、でしょう。
   
    新たな利権団体を生まなければいいんですが。あるいは既得権益を守ろうとするJASRACの「陰謀」か。

    米PBS の "Our State" という番組で放映されたカロライナ・チョコレート・ドロップスのすばらしい紹介ビデオがネットで見られます。



Our State - The Carolina Chocolate Drops from Pete Bell on Vimeo.

    ノース・カロライナの故郷のフェスティヴァルでのものを中心とした演奏シーンに、メンバーのインタヴューを重ねたもの。

    番組の末尾近く、リアノンがフィドルで聴かせる曲が興味深いです。これはまだCDとしては録音されていないはず。

    念のためつけ加えておくと、カロライナ・チョコレート・ドロップスはご覧のとおり全員黒人のオールドタイム・トリオ。全員が黒人というのはオールドタイムでは珍しい。たぶん、初めて。で、このリアノンが、名前からもわかるようにウェールズの血を引き、ジャスティン(眼鏡をかけていない方)の祖父はアイルランド移民です。

    カロライナ・チョコレート・ドロップスという秀逸な名前はかれらの発明とおもっていたら、なんと1920年代にテネシー・チョコレート・ドロップスというバンドがあったのだそうです。録音も残っていて、こちらで聴けます。

    "Hear the songs" をクリックするとミュージシャン名のリストが出ます。

    ちょいとおもしろいニュース

    ユーザ、つまり読者の側からすると、これは良いことである。この弁護士さんの言うとおり、「死蔵」されるよりも、どんどん検索・利用させてもらう方が、本も喜ぶというものだ。横断検索することで、従来考えられなかった発見もされるだろう。

    著作権料の徴収・支払いの体制もアメリカ主導で進むとすれば、ひょっとするとわが国の既存体制に風穴が穿く可能性も出てくるかもしれない。
   
    絶版本をアメリカに送って、検索対象にしてもらう、なんていう運動ないし商売はどうだろう。復刊希望を集めるよりもてっとり早く、中身が読めるようになるはずだ。「アメリカ国内」というのが、軍基地も含まれるならば、わざわざ本土にまで送る必要すらない。
   
    なかには、おれの、わたしの本は、絶対にそんなものの対象にはさせぬ、と頑張る著作権者がいてもいい。それはそれで貴重な存在になるかもしれない。世界のすべてがグーグルの傘下に入ることは問題だ。


2009-02-25 追記
    読売新聞も報道。

    こちらの方が内容がくわしい。全文検索は今のところアメリカ国内からしか利用できないらしい。
   
    三田誠広はあいかわらず後ろ向きのことを言ってますが、日本語の新刊がアメリカ国内でそんなにたくさん読まれると本当に信じているのかしらん。本当に読まれるくらいなら、もっと日本語の本が売れてもいいだろうし、翻訳もされるだろうに。タダで読めるようになれば、アメリカ人が急に日本語に興味をもつとか、読めるようになるとか言うんじゃないでしょうな。グーグルは著作権者には使用料を払うといってるんだから、そのまともな分配方法を確立するほうがよっぽど著作権者の利益になるはず。
   
    もっとも、この全文検索サービスもいずれは全世界に拡大はされるでしょう。その時のことを心配しているのかもしれんが、このネット時代、中身も見せないでソフトを売ろうという商売はもう不可能じゃないですか。ひと足先にネット販売が本格化しているAVソフトのほうでは、フリーのサンプルを視聴可能にするのはあたりまえになってる。
   
    時代錯誤のケチなことをしてると、日本語の本なんて誰も読まなくなるぜ。


2009-02-27 追記
    CNET Japan が「日本書籍出版協会、グーグル書籍検索問題に関して解説と翻訳文をサイトに掲載」として、さらに詳しい内容を報道してます。
   
    著作権者がとりうる選択肢として五つあげられてますが、実質的にはグーグルの検索対象になることを承諾するかどうか、でしょう。
   
    そして現状では、グーグルの検索対象に入らないことは、ネット上では存在しないことになります。それが良いか悪いかはまた別ですが、現状がそうなっていることは、認めざるをえません。ネット上で存在が認められなくても、小説などはかまわないでしょうが、その他のノンフィクションや各種の記録、資料、史料、学術関連、リファレンス等々では致命的です。結局、「ノー」と言えるのは、エンタメ系を中心とした一部のフィクションに限られるんじゃないでしょうか。
   
    もうひとつ、この騒ぎは「情報が媒体から解放」されたための余波のひとつでもあります。媒体から解放された情報の前には、国境は溶解してしまうんですね。著作権自体は昔からあるわけですが、その使われ方が劇的に変化している。そのことに著作権者側がついていけていない。この変化は今後どんどん進みこそすれ、後退することはないので、著作権者が意識を変えてゆくしかない。この「世界恐慌」でも、むしろ変化の速度が早まるかもしれません。

Robert Burns: The Complete Songs, Vol. 1 リン・レコードのロバート・バーンズ生誕250年記念《THE COMPLETE SONGS》からのフリー・ダウンロード、今週はこのうた

 なお  Canongate 版全詩集では〈The gardener wi' his paidle〉のタイトルになっています。1790年発表。"paidle" はスコットランド語で「鍬」のこと。鍬で触れるだけでなんでも肥料を入れる力を備えた男のうた。

 うたうのは、今は亡きトニィ・カフ (1954-2001)。かれは Alba、Jock Tamson's Bairns、Ossian の三つのバンドを渡りあるいて活躍。いずれも1970年代後半にスコットランド音楽を大いに発展させたグループです。アルバはハイランド・パイプを初めてフィーチュアしたアンサンブルで人気を博しました。あとの二つは80年代にかけて、スコットランドのうたをうたうバンドとして大きな業績を残しました。

 ハイランド・パイプを前面にたてたロック・バンドが近頃流行のようですが、その源はこのアルバです。ここにいたパイパーが移籍した The Tannahill Weavers が流れを受け継ぎ、発展させ、後には Battlefield Band、The Iron Horse、Deaf Shepherd と続きます。とこれは余談。

 カフはこの《THE COMPLETE SONGS》シリーズ立ち上げにもかなり貢献しているそうで、第1集、2集に10曲うたっています。この録音はシリーズ劈頭、第1集 (1995) の1曲めを飾りました。


 カフは参加できませんが、今月24日、バーンズ250回目の誕生日の前日に、グラスゴーで開かれる Celtic Connections のイベントのひとつとして、《THE COMPLETE SONGS》参加ミュージシャンたち60名以上が勢揃いしてバーンズのうたをうたうコンサートが開かれます。正午から真夜中まで12時間ノン・ストップという前代未聞、空前絶後のイベント。見るほうもたいへんですが、まさに一生に一度の体験でしょう。なんらかの記録はとられるはずですから、ライヴ盤も期待しましょう。(ゆ)


(歌詞対訳)
薔薇の皐月の花とともにやってきて
村の家々を一面明るい緑にかざるころ
それはそれは忙しくなるのが
鍬の手をもつあの農夫

水きよらかにながれ落ち
啼く鳥はみな愛をうたい
そよ風はかぐわしい薫りで包むよ
鍬の手をもつあの農夫

壮麗な朝に野うさぎがおどろくは
早くからの朝食にそっと忍びよられたから
すると朝露をかきわけて一心に耕すのは
鍬の手をもつあの農夫

日の西に沈むころ
カーテンを引いて自然が休むころ
最愛の妻の待つもとへと飛んで帰るよ
鍬の手をもつあの農夫も

 今月号を本日17時に配信しました。未着のかたは編集部までご一報ください。

 先月号にインタヴューを載せたブルターニュのデュオ Bugel Koar が今晩、NHK教育テレビのフランス語講座に出ます。放送は 23:30〜23:55。再放送は 10/25(土)06:00〜06:25。

 思い出させてくれてありがとうございます。>粕谷さん@金沢

 ありそうでなかったバラカンさんの公式ブログが立ちあがりました。

 『魂(ソウル)のゆくえ』の版元、アルテスパブリッシングの運営によるもの。バラカンさんがかかわるイベントや関連記事が載る予定。ご本人の日記などは今のところ予定無し。

 このブログ立上げのきっかけになったのはアルテスが仕掛け人の「出前ジュークボックス」というイベントは、かなり面白そう。いわばバラカンさんのラジオやDJをライヴで体験できるもの。リクエストも受けつけてますが、こういうのはバラカンさんが何を聞かせてくれるか、が楽しいです。

 『魂(ソウル)のゆくえ』は、アメリカのポピュラー音楽文化の歩みを「黒人音楽」という切口で鮮やかに見せてくれる快著。R&Bやソウルなどにほとんど全く無知な当ブログでさえ、これは聞いてみたいと思わせる話術が全開。「陽」の部分だけでなく、人種差別やサム・クックの殺害のような「陰」の部分も隠していません。それも、肩肘張らず、あくまでも一人の音楽ファンとしての節度を守るところがいい。一方で、自分の趣味に凝り固まらず、広く公平な目配りも怠らない。この辺のバランス感覚がバラカンさんの魅力です。(ゆ)


Thanx! > 鈴木さん@アルテスパブリッシング

 10月情報号を今日の正午指定で配信しました。着かない方や文字化けがあった方はご一報ください。

 カリフォルニア在住のイラン人シンガー、ママク・カデム Mamak Khadem の公式サイトに彼女が主催するペルシア音楽のワークショップの動画があります。これがちょっと面白いのは、生徒さんたちがハープ、フィドル、フルート、コンサティーナといった面々で、どうやらふだんはアイリッシュ・ミュージックをやっている人たちらしい。動画の後の方では、ここで練習したものをステージで披露するシーンがありますが、ペルシア音楽とアイリッシュ・ミュージックを融合させてるのがわかります。かなり面白いので、ぜひ、次のアルバムでは入れてもらいたいところ。

 なお、ママクのソロ・デビュー・アルバム《Jostojoo (= Forever Seeking)》は今月号の『CDジャーナル』で紹介しましたが、こちらで買えます。

 アマゾンで検索すると『バトルスター・ギャラクティカ』や『バフィー 〜恋する十字架〜』のサントラが出てきますが、同じ人です。これまではこういう映画やTVの仕事が多かったそうですが、このソロ・アルバムをきっかけに、自らの音楽を前面に出してゆくようです。めでたい。(ゆ)

 メルマガ本誌の配信は明日になります。

 そのメルマガから、容量の関係でこぼれた話題。

 カリン・ポルワート公式サイトの "Free Downloads" の頁に2曲、追加されています。

 頁に入るにはメール・アドレスと名前の登録が必要。

 〈Wells for Zoe〉はこの名前のアイルランドのチャリティ団体で、ウガンダの農村地帯で井戸を掘るプロジェクトのために作曲したもの。同題のチャリティ・アルバムがアメリカのコンパス・レコードから出るそうです。そちらではスチュアート・ダンカンの伴奏でティム・オブライエンがうたっている由。このチャリティ・アルバムにはシネィド・オコナー、カラン・ケイシィ、エミルー・ハリスなども参加の由。

 もう1曲〈Lovelines〉は、カナダのシンガー・ソングライターでナタリー・マクマスターのプロデューサーでもある Gordie Sampson との共作。サンプソンは現在ナッシュヴィルで売れっ子ソングライターになっており、この曲もカントリー風味。


 余談ですが、コンパス・レコードはグリーン・リネットを買ったのでしたっけ。Mulligan Records も買ったらしく、アイリッシュの名盤を続々復刻してます。Mulligan はCD化されていても手に入りにくくなっていたので、朗報でしょう。

ブログ通信簿というのができたというので試してみました。


 このブログは「一般生徒」で、年齢は38歳。をを、ずいぶん若く見られたものだ。

 ただ、あたしは自分の意見を言いはじめると収拾がつかなくなるのでねえ。バレエダンサーをめざしたくもないしなあ。(ゆ)

 もうすぐリリース予定の Firefox 3 が、

リリース後24時間以内にダウンロードされた数

の世界記録に挑戦するキャンペーンをしています。

 キャンペーンに参加してメール・アドレスを登録すると、リリースと同時に連絡が来る仕組み。
 各国別に参加者数が表示される地図もあります。リアルタイムで変わってます。

 なぜか、このページの「おもしろい記録いろいろ」に

「最も長いアイリッシュダンスの行列」

が表示されています。
ひょっとして、筆者用にパーソナライズされたものか。(ゆ)

 これってかなり凄いことではないか。というのも美空ひばりはものすごく乱暴に言ってしまうと、ドロレス・ケーンやノーマ・ウォータースンやレーナ・ヴィッレマルクやウンム・クルスームやマリア・デル・マール・ボネットやハリス・アレクシーウやエスマやトト・ラ・モンポシーナやリラ・ダウンズや、とにかくそういううたい手たちに肩を並べる人ではないか、と密かに思っているからだ。

 「乱暴に言う」ことの意味は、上にならべた人たちがうたっているような意味での「伝統音楽」とひばりのうたが同じ次元にあるとは、そう簡単には言えないことだ。とはいうものの、そのうたに無心に耳を傾けるならば、日本語の伝統から生まれて、その伝統を体現し、ひとつの時代を作って次の世代にとっての指標となった、うたい手としてそういう存在にまぎれもない。ひばりのうたは、第二次大戦後の日本語世界の「フォーク・ミュージック」にあって、せいいっぱい伝統音楽に近づいたものではなかったか。

 だから、ひばりのうたが世界に聞かれることは、海外にいる日本人や日系人だけが聞くわけではない。むしろ真の意味での「ワールド・ミュージック」として聞かれるチャンスになりうるはずだ。琉球や奄美とは違う、古典芸能とも違う、本土の日本語から生まれたワールド・ミュージック。そこが凄い。

 それにしても71曲という数字は生誕71周年に合わせたものと聞いて愕然としてしまう。52歳は本来全盛期の幕開きではないか。世紀末の、そして世紀が変わってからのひばりを聞きたかった。少しはこちらの耳もできた上で、聞いてみたかった。その意味では、同じ伝統音楽でも、むしろビリー・ホリディに近かったのかもしれない。(ゆ)


 1週間時間があいてしまいましたが、先日配信しました本誌160号の国内イベントの日付順の索引です。

 *印が付いているのは本誌配信後に入ってきた情報です。

04/30(水)トゥクトゥク・スキップ@渋谷 ダブリナーズ Irish Pub
05/01(木)上野洋子、芳垣安洋、内橋和久@at 大泉学園 in F
05/02(金)かとうかなこ@名古屋 パラダイスカフェ21
05/03(土)KBB(壷井彰久)@ProgSud 2008 (in France)
05/04(日)スウェーデン民俗音楽の集い(スペルマンス・ステンマ)@浦和コミュニティーセンター
05/04(日)トゥクトゥク・スキップ@吉祥寺音楽祭@吉祥寺駅北口ロータリー前
05/04(日)トゥクトゥク・スキップ@下北沢440 “MUSIC DAY in SHIMOKITAZAWA 2008”
05/04(日)〜06(水)9条世界会議@幕張メッセ
05/05(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
*05/06(火・祝)ソウル・フラワー・ユニオン@9条世界会議・関西、大阪・舞洲アリーナ
05/07(水)オールドタイム・セッション@京都 field(第1回)
05/09(金)Topo & Ariel@西荻窪・音や金時
05/09(金)安井敬@近江楽堂(初台:東京オペラシティ内)
05/09(金)岸本一遥@live-cafe AGAIN、武蔵小山
05/10(土)ハシケン×Saigenji@松山・ブエナビスタ
05/10(土)ピーター・バラカン「ソウル・ミュージックの名曲・名盤を聴こう!
    ──怒濤のファンク編」@タワーレコード渋谷店(無料)
05/10(土)フリー・セッション@京都 field
05/11(日)Pochakaite Malko(壷井彰久)@吉祥寺 Silver Elephant
05/11(日)Whistling Breeze@ザ・シャノンズ(大崎)
05/11(日)ハシケン×Saigenji@広島・横川シネマ
05/12(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
05/12(月)斉藤習治和風ブルースバンド(月岡祐紀子)@東京・目黒 MAPLEHOUSE
05/13(火)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
05/13(火)フリー・セッション@京都 field
05/15(木)鞴座@大阪市北区 雲州堂
05/16(金)ハシケン、河村博司(ソウル・フラワー・ユニオン)@京都・flowing KARASUMA
05/17(土)フリー・セッション@京都 field
05/17(土)「大地の歌〜地平線の彼方へ」トーク&ミニコンサート(内田兆史+アリエル・アッセルボーン)@セルバンテス文化センター東京
05/17(土)『DESIGN FESTA vol.27』(桃梨)@東京ビックサイト
05/17(土)『リバーダンス』@仙台サンプラザホール
05/17(土)ピーター・バラカン「ソウル・ミュージックの名曲・名盤を聴こう!
    ──熱気の南部編」@武蔵小山Live Cafe Again(満員売切)
05/17(土)亀工房@『ひとミュージアム』(長野市)
05/17(土)守安功&雅子@神戸市 神戸酒心館 酒蔵コンサート
05/18(日)『DESIGN FESTA vol.27』(桃梨)@東京ビックサイト
05/18(日)『リバーダンス』@仙台サンプラザホール
05/18(日)Era+難波弘之(壷井彰久)@渋谷 公園通りクラシックス
05/18(日)Ha-stle with じょん!(坂上真清)@クライネ ウィーン
05/18(日)ケルティック・ミュージックの夕べ(hatao)@赤穂ハーモニーホール
05/18(日)亀工房@『ナーサリーライム』(長野県下諏訪町)
05/18(日)守安功&雅子@愛知県 知立市
05/19(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
05/19(火)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
05/19(火)浜田隆史 & 前澤カツノリ ギターコンサート@松本 AQUA VITAE (アクア・ヴィーテ)
05/20(火)フリー・セッション@京都 field
05/20(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/21(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/21(水)トゥクトゥク・スキップ@渋谷 ダブリナーズ Irish Pub
05/22(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/23(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/23(金)aasian kukka@よるのひるね(杉並)
05/23(金)李浩麗SOHA+島田篤(山口智)@神戸・カフェ萬屋宗兵衛
05/24(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/24(土)aasian kukka@東久留米市・下里しおん保育園
05/24(土)Heathery Breeze@ザ・ラウンドストーン(天王洲アイル)
05/24(土)フリー・セッション@京都 field
05/24(土)藤原大輔+壷井彰久@大泉学園 in F
05/25(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/25(日)MINE@京田辺市立中央公民館
05/25(日)亀工房& aasian kukka@目黒 楽屋(らくや)
05/26(月)あらひろこ@横浜・大倉山記念館ホール
05/26(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
05/27(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/27(火)セッション練習会@京都 field
05/28(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/28(水)トゥクトゥク・スキップ@八王子 English Pub ザ・ガリバー
05/29(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/29(木)環境大問題フェスティバル『Peace Music Festa! From 辺野古 ‘08 プレイベント』@新宿 Naked LOFT
05/29(木)Syn Syn(坂上真清)@横浜市泉区民文化センター「テアトルフォンテ」
05/30(金)ミュージック from フィンランド(「Era+林正樹」)@新宿 PIT-INN
05/30(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/31(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/31(土)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
05/31(土)フリー・セッション@京都 field
05/31(土)民謡、そして日本の音 原田直之とともに・最高峰の仲間たち(つるとかめ)
    @埼玉・三芳町 コピスみよしホール
06/01(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/01(日)リコーダー三重奏コンサート(安井敬)@目黒 クライネ・ウィーン
06/02(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
06/03(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/03(火)ハシケン・怒濤の抱瓶ライヴ!!@東京 高円寺・抱瓶(だちびん)
06/03(火)Laforet Sound Museum@ラフォーレミュージアム原宿
06/04(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/04(水)Naarak(山口智)@和歌山市 バグース
06/04(水)Laforet Sound Museum@ラフォーレミュージアム原宿
06/05(木)アリエル・アッセルボーン&青木菜穂子@大泉学園・インエフ
06/05(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/06(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/06(金)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@越谷市
06/07(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/07(土)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@武蔵野市 武蔵野スイングホール
06/07(土)鹿島茂&かとうかなこ@神奈川 横浜区民センター かなっくホール
06/08(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/08(日)Whistling Breeze@ザ・シャノンズ(大崎)
06/08(日)アリエル・アッセルボーン@ギター文化館
06/08(日)ウキウキ雨期講座(月岡祐紀子)@東京・四谷 アートコンプレックスセンター
06/08(日)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@武蔵野市
06/08(日)つるとかめ@ギャラクシティ西新井文化ホール
06/09(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
06/09(月)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@浜松市
06/10(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/11(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/12(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/12(木)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@立川市立川朝日カルチャーセンター
06/13(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/13(金)Ha-stle with じょん!(坂上真清)@西荻サンジャック
06/13(金)Life Goes On 《YESTERMORROW VILLAGE》発売記念ライヴ@代官山 晴れたら空に豆まいて
06/14(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/14(土)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@本宮市鹿山邸
06/14(土)ピーター・バラカン「ソウル・ミュージックの名曲・名盤を聴こう!
    ──70年代シンガー・ソングライター編」@ジュンク堂池袋本店
06/15(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/15(日)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@仙台市
06/15(日)勝井祐二+壷井彰久@大泉学園 in F
06/後半   亀工房@北海道(道東方面)
06/17(火)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/18(水) ソウル・フラワー・ユニオン@名古屋・アポロシアター
06/18(水)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/19(木)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/20(金) ソウル・フラワー・ユニオン@大阪・心斎橋クラブクアトロ
06/20(金)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/20(金)ラーナリム@三重 松阪 サライ
06/20(金)ムスィーカ・バドル@西荻窪 音や金時
06/21(土)ラーナリム@大阪 すばるホール プラネタリウム
06/21(土)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/21(土)チャボロ・シュミット@東京 杉並公会堂 大ホール
06/22(月)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@橿原市
06/22(日)「ピース・ミュージック・フェスタ from 辺野古 ‘08」@上野・水上音楽堂
06/22(日)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/22(日)Naarak(山口智)@大阪
06/22(日)北欧の音楽フェスティバル2008(白夜祭)@兵庫県立芸術文化センター
06/23(月)チャボロ・シュミット@渋谷 DUO music exchange
06/23(月)ヨーラン・モンソン・バンド@大阪 南堀江 ネイブ
06/24(火)『リバーダンス』@新潟県民会館
06/24(火)ラーナリム@東京 代官山 晴れたら空に豆まいて
06/24(火)チャボロ・シュミット@名古屋クラブクアトロ
06/25(水)『リバーダンス』@新潟県民会館
06/25(水)チャボロ・シュミット@兵庫 兵庫県立芸術文化センター 中ホール
06/27(金)『リバーダンス』@富山オーバードホール
06/27(金)かとうかなこ@神奈川 グリーンホール相模大野 多目的ホール
06/28(土)『リバーダンス』@富山オーバードホール
06/28(土)Syn Syn(坂上真清)@国分寺「クラスタ」
06/28(土)オオフジツボ(壷井彰久)@西荻窪 音や金時
06/28(土)山口智@チャクラ・キャンドルナイト
06/29(日) ソウル・フラワー・ユニオン@東京・Shibuya duo Music Exchange
06/29(日)『リバーダンス』@富山オーバードホール
07/01(火)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/02(水)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/03(木)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/05(土)WORLD BEAT 2008@大阪・かわちながのラブリーホール
07/05(土)上野洋子 in Ayuo 「14色の夢の場面」@公園通りクラシックス
07/05(土)『リバーダンス』@倉敷市民会館
07/06(日)WORLD BEAT 2008@東京・日比谷野外大音楽堂
07/06(日)『リバーダンス』@倉敷市民会館
07/06(日)柴田智子のサラダ記念日コンサート w/あらひろこ@銀座王子ホール
07/06(日)李浩麗SOHA(山口智)@興願寺夏参りコンサート、高松市興願寺
07/07(月)李浩麗SOHA(山口智)@神戸新聞松方ホール
07/08(火)バルカン・ビート・ボックス@渋谷 DUO music exchange
07/08(火)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/09(水)つのだたかし+大萩康司+沖仁+アリエル・アッセルボーン@ハクジュホール
07/09(水)シンク・オブ・ワン with キャンピング・シャアビ@渋谷 DUO music exchange
07/09(水)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/10(木)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/10(木)かとうかなこ@埼玉 さいたま市文化センター 小ホール
07/11(金)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/12(土)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/12(土)Fairy Dance@西荻窪 ビストロ・サンジャック
07/12(土)かとうかなこ@埼玉 入間産業文化センター
07/12(土)ハシケン レギュラーライヴ『Hug』@東京 下北沢・440
07/13(日)Fairy Dance@中目黒 楽屋(らくや)
07/13(日)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/17(木)トニー・マクマナス@東京 Back In Town
07/18(金)トニー・マクマナス@横浜 Thumbs Up
07/18(Fri)桃梨☆結成10周年記念大感謝祭 !! @東京・吉祥寺 STAR PINE’S CAFE
07/19(土)トニー・マクマナス@大阪 May Theater
07/20(日)桃梨☆結成10周年記念大感謝祭 !! @水戸 90EAST
07/20(日)吉田隆一+小森慶子+壷井彰久@大泉学園 in F
07/20(日)トニー・マクマナス@名古屋 Tokuzo
07/21(月・祝)トニー・マクマナス@東京 Back In Town
07/25(金)桃梨☆結成10周年記念大感謝祭 !! @仙台 なごみ処くも
07/27(日)桃梨☆結成10周年記念大感謝祭 !! @秋田 BAREFOOT
08/16(土)守安功&雅子嬬恋村 二ノ宮邸
08/30(土)田村拓志@カフェ・万象房 町田
09/11(木)「ビクトル・ハラ もうひとつの9・11 」@東京・有楽町 よみうりホール
09/13(土) アントン・マガワン+守安功&雅子@つくば市 神谷森ログハウス
09/13(土)〜15(月・祝)万笛博覧会2008@神戸
09/13(土)〜15(月・祝)カンテレ・キャンプ 2008(予定)@北海道
09/14(日) アントン・マガワン+守安功&雅子@立川市 立川朝日カルチャーセンター
09/15(月・祝) アントン・マガワン+守安功&雅子@一宮市 尾西市民会館
09/17(水)スヴェング@三木市文化会館
09/18(木)アントン・マガワン+守安功&雅子@東京 西荻窪 ビストロ「サンジャック」
09/18(木)スヴェング@広島県民文化センター
09/19(金)スヴェング@西宮 県立芸術文化センター
09/20(土)アントン・マガワン+守安功&雅子@立川市 ロバハウス
09/20(土)スヴェング@吉祥寺スターパインズカフェ
09/21(日)アントン・マガワン+守安功&雅子@立川市 ロバハウス
09/21(日)スヴェング@船橋きららホール
09/23(祝)スヴェング@静岡 浜松楽器博物館
09/26(金)スヴェング@厚木 市民文化会館
09/27(土)スヴェング@札幌 生活支援型文化施設コンカリーニョ 
10/18(土)守安功&雅子@長野市
10/23(木)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/24(金)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/25(土)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/26(日)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/30(木)ショーン・ライアン+守安功&雅子@西荻窪 ビストロ「サンジャック」
10/30(木)〜11/10(月)フルック来日ツアー
11月       ショーン・ライアン+守安功&雅子@東京 立川朝日カルチャーセンター
11/02(日)ショーン・ライアン+守安功&雅子@つくば市 神谷森ログハウス
11月    ショーン・ライアン+守安功&雅子@文京区 カテドラル聖マリア大聖堂
11月        ショーン・ライアン+守安功&雅子@練馬区 OHANA CAFE
11/08(土)ショーン・ライアン+守安功&雅子@藤沢市
11/09(日)ショーン・ライアン+守安功&雅子@立川市 茶遊
11/10(月)ショーン・ライアン+守安功&雅子@九州
11/15(土)ショーン・ライアン+守安功&雅子@都城市 ウェルネス交流プラザ ムジカホール
11/16(日)ショーン・ライアン+守安功&雅子@九州
11/30(日)守安功&雅子@つくばみらい市 Green Bramble

 ふだん YouTube は封印してるんですが、
昨日紹介したビデオがあまりに良かったので、
おもわず、あるだけ見てしまいました。
この人の演奏はとにかく気持ち良い。
どこが良くてこうなるのかはよくわからないのですが、
CDでもとにかく終わってくれるなといつも思います。
気に入ったものをピックアップ。


 これはハープとの共演。
音楽と語りによる〈My farourite places〉。
ここでもエレクトリック・ハープで共演している
スコットランドの Corrina Hewatt との共作《The Sky Didn't Fall》に
入っている曲のライヴ版。
冒頭ではパイプ演奏の動きがよくわかります。

 コリーナはシーリスとカトリオナ・マクドナルドをつなぐ世代のハーパー。
ピアノの David Milligan と組んでいた
Bachue というデュオが良かったんですが、
今はビッグ・バンドの The Unusual Suspects などが忙しいとのことで
デュオは活動停止宣言してしまいました。


 こちらはダンス・チューン演奏
キャスリンはもっぱらフィドル。
間でエディ・リーダーがゲストにきて〈Ae fond kiss〉をうたってます。
すばらしい。
右側でギターを弾いてるのはブーかな。
後半の演奏ではブラスまで入ってますね。よく聞こえないけど。

 エディは例の TRANSATLANTIC SESSIONS 3 (TAS3) でも
あいかわらずすばらしいです。
本人のものもよいのだが、
カレン・マシスンとふたりでつけるコーラスのおかげで、
ポール・ブレディの〈Rainbow〉が一段と浮上してます。


 トロンボーンの入ったバンド演奏
後半は同郷のナンシィ・カーがゲスト。
ナンシィはフィドルを弾くとき、上半身は動かず、腰だけ振るんですな。
ちょっとベリーダンスかフラみたい。


 これはジェイムズ・フェイガンも入ってます。
はじめナンシィとふたりで、おなじみの曲。
なんだけど、とても新鮮。
なんだか、来日した頃よりうまくなってないか。
安定感が抜群。
後半、キャスリンたちも加わってトリプル・フィドル。


 スペインでのライヴ
どういう場所かよくわかりませんが、ステージの背景がいかにもスペイン。
他のビデオを見ると、客は床にすわってます。
アストゥリアスの曲らしい。
左端の兄さんが弾いてるのはアコースティック・ベースでしょうね。
しかし、このバンドは良いな。


 たぶん同じスペイン・ツアーの別の場所
こういうスローな曲をやらせると、この人は天下一品。
しかし、続くアップ・テンポのチューンが途中で切れるのは惜しい。


 10年前のテレビ
アコースティック・ギターとエレキ・ベースのトリオ。
くわつこいい。
パイプの指の動きのアップがうれしい。


 ノーサンバーランドの風景写真のスライド・ショー
キャスリンのパイプが重なるもの。
ここはほんとに平地が無いですねえ。


 音はお世辞にも良いとはいえませんが、
USB から Go-Vibe Petite 経由で聞くと
じゅうぶん楽しめます。
今日のヘッドフォンは KOSS KSC75
これも GVP で聞くとよく鳴ります。
とても実売2,500円以下のモノとほ思えません。
10倍の価格でもおかしくないんじゃないか。
もっとも、GVP の値段も合わせればそのくらいにはなりますが(爆)。

 英国のTV局 "Five"(昔の「チャンネル5」)が、イングランドのフォーク・ミュージックについての特集を組むそうです。

 イングランドのアーツ・カウンシルとの共同事業で、4人のミュージシャンにそれぞれ焦点をあてた番組 "My Music" が04/06から放映されます。

 4人はセス・レイクマン Seth Lakeman, ケイト・ラスビィ Kate Rusby, イライザ・カーシィ Eliza Carthy、アシーナ Athena。

 無知なので4人めは初耳ですが、ギリシア系の人らしい。この人かな。

 これは良いな。fRoots でも結構大きくとりあげてました。全然覚えてないんだが。

 イングランドにはギリシアからの移民も多いようで、数年前ロンドンに行ったときも、泊まったホテル近くのデリの従業員たちが話してたのはギリシア語に聞こえました。そこはお好みのサンドイッチをその場で作ってくれるタイプで、めっぽう美味しく、朝食はホテルではなくてそこで食べてました。イングランドの飯はまずいというのは昔の話で、移民のおかげでどこと比べても遜色なくなってました。ちょうど『ハリポタ』がブレイクした第3巻が出たばかりで、どこの本屋にも山積みになっていて、誰だ、こりゃあと驚いた頃のことです。

 というわけで「フォーク・ミュージックで最も成功している」4人に密着取材した1時間番組が4回。ナレーターは故ジョン・ピールの息子トム・レイヴンクロフト。

 英国のTVでイングランドのフォーク・ミュージックが取り上げられるのはこれが初めてではなく、昨年ノーサンバーランドのキャスリン・ティッケル Kathryn Tickell に焦点をあてた単発番組が、同じ Five で放映されている由。この番組が予想外の高視聴率(75万人が見たそうな)で、当時ゴールデン・タイムで放映されていた美術館巡り番組の倍だったことがきっかけで、この企画がもちあがったらしい。

 番組をオンラインで見られるのか、サイトを見てもちょっとわからないんですが、ご存知の方、ご教示ください。このキャスリンの番組も見たい。

 キャスリンて誰や、という方はまずこれをご覧あれ。

 中央でパイプを吹いてる美女(これだとわかりにくいですが、本当に美人)がキャスリン・ティッケルで、楽器はノーサンブリアン・スモール・パイプ。アイルランドのイルン・パイプと同じく、鞴で空気を吹きこみます。キャスリンはこの楽器の第一人者。フィドルの名手でもあり、そちらを演奏しているビデオもあります。

 演奏している曲はノーサンバーランドの伝統に則ったもの。テンポの異なる曲をつなげてメドレーにするのはやはりスコットランドの影響でしょう。それにしても、この演奏はすばらしい。ライヴ録音か DVD を出してほしい。

 北海道限定のようですが、カンテレのあらひろこさんが今度の日曜日にラジオに出演されるそうです。タイトルも

STV・ラジオスペシャル「カンテレの世界へ」

だそうです。

 やはり北国生れの楽器は北国の人びとに好まれるということでしょうか。

 あらさんの公式サイト

 MySpace

 先日、ラジオ番組内で私のアルバム《MOON DROPS》をご紹介いただい
たのがおかげさまでご好評いただいたそうで、あらたに、ラジオスペシャルと
して取り上げていただくことになりました。

 よろしければ、ラジオのダイヤルを合わせてみて下さい。

 STV・ラジオスペシャル「カンテレの世界へ」
 パーソナリティ:宮永真幸アナウンサー
 ゲスト:あらひろこ
     小野寺淳子(旅行ジャーナリスト)
 放送:01/27(日)21:30〜22:00 STVラジオ


Thanks! > あらさん

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