クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

カテゴリ: Net

 「『著作者に無断でアップロードされた動画、音楽のダウンロード』について、
著作権法30条に定められた『私的使用』の範囲から外し、違法とすべき」
という方向性が、
著作権法改正について検討する
文化庁長官の諮問機関
文化審議会著作権分科会の私的録音録画小委員会でまとまりましたが、
この方向性についての是非を考えるシンポジウムを、
MIAU(Movements for Internet Active Users:
インターネット先進ユーザーの会」)が
12月26日に開いたそうで、
その要旨をまとめた記事が出ています。

 この方向性がはらむ問題点については
上記の記事に簡潔にまとめられていますが、
これは「レコード輸入権問題」と同じか、
それ以上に大きな問題だと思います。

 権利者死後の著作権有効期間の延長問題もそうですが、
基本的に、文化庁は著作権に関しては、
使用者側ではなく、
権利者側に立った姿勢が目立ちます。
このことは明治以来の我国中央官庁の癖で、
たとえてば、
「私的使用」のこのような形の制限は
「薬害エイズ」や「薬害肝炎」に相当する
と言えるのではないでしょうか。

 著作物は利用されて初めて価値が出るので、
だれも利用できないように囲い込めば、
著作物は死にます。
制限をしても利用する人間は多い
つまり商売として成りたつだけの数の人間は
制限を超えて利用すると
権利者側は思い込んでいるのでしょうか。

 「儲け」を重視するあまり、
著作権を神棚に祭り上げれば、
著作権のシステムそのものが崩壊する可能性を
デジタル技術ははらんでいると思います。(ゆ)

 クリスマスも過ぎ、
心静かに新しい年を迎えたいところですが、
そうは簡単に問屋が卸してくれません。
せめて、こういうものでつかの間の息抜き。

 東京公演の「ミート・ザ・バンド」の「起こし」も読めるようになっています。

 個人的には
デンマークとノルウェイの両親のもと、
スウェーデン南端に生まれたという
アレ・メッレルの出自が目鱗でした。
たがいに異なる音楽をつなぐかれの位置が
すとんと納得されました。

 フリーフォートももちろんすばらしいのだけれど、
アレの仕事としては
近年のアレ・メッレル・バンドが出色。
北欧とアフリカとバルカンを中心に
これぞ真の「世界音楽」。
しかも、いいかげんな混ぜあわせではなく、
それぞれの素材の味を生かしながら、
全体として新しい味を作っています。

 今年でたセカンド《DJEF DJEL》は基本になってる「出汁」の取り方と
「鍋奉行」たるアレの采配の妙で、
稀に見る旨い音楽です。


Thanx!>やまだまさん

 惜しくも活動を停止してしまった (e) Shuzo Band のリーダー、豊田さんの公式サイトが立ちあがっています。

 ライヴ・スケジュール等は、"Weblog" にどうぞ。

 「半音上げセッション」というのがあるんですね。
確かダーヴィッシュが地元でよくやってるんじゃなかったでしたっけ。
確かに半音上げると、音が華やかになって、聞いている方も気持がいいです。
プロのステージでも使われてるみたいです。
もっとも、それなりに技術がいるので、そう簡単にはできないとも聞きました。

 西の hataoさん、東の豊田さん、のフルートは元気ですなあ。
 フィドルだと、西はクヌギさんかな、東は誰だろ。北海道の小松崎さんかな。
 蛇腹は?
 パイプはいるのか?(ゆ)

 もう来日まで1週間をきったフリーフォート動画が、もう一つ追加されてます。

 3人によるポルスカの演奏ですが、
もう1曲よりも遙かにリズムの変化が大きく、もうたまりません。
いや、三拍子であることは変わらないので、
これは何が変化する、というべきか。
これぞ、ビート?>洲崎さん

 パートが変わるところで確かに「伸びたり縮んだり」してるんですが、
しかし、よくもまあ、こんなにうまくそろうもんだ。
これは打合わせとか、そういうレベルでは無く、
どこかとんでもなく深いところで3人の波長が合っているんでしょう。
飛び抜けた力量のミュージシャンが、おたがい相性が良く、
しかも永年やっていることで到達する境地、でしょうか。

 それにしても気持がいい。
このうねり。
このグルーヴ。
特にマンドーラをある時はかき鳴らし、ある時はメロディを追いかける
アレ・メッレル(一番手前)の体の動き。

 こういううねるリズムないしビート、グルーヴは、
ケルト系ではちょっと味わえません。
ロックン・ロールとかレゲエとか、ドラムスが入るポピュラー音楽でもダメ。
いま話題のトランス系でもまず無い。
東欧であるかな。
偶数拍子だと難しいんじゃないですか。
三拍子とか五拍子とか、奇数でないと。
アラブ音楽にはありそうですね。
それにしても、こういうゆったりとうねる感じは、
スカンディナヴィアならではだと思う。
ポルスカの快感というのは、これなんだな、きっと。

 同じうねりは、
こちらももうすぐ来る、じゃない、もう来てるヴェーセンにも、
ラーナリムにも、
ハウゴー&ホイロップにもあります。
マリ・ボイネや先日来たアイヴォールのような
シンガーにもある気がします。

 さあ、明後日はヴェーセンだ。(ゆ)

 いよいよ来日の迫ったフリーフォートの動画が追加されています。
 いずれも前のと同じ、一昨年の来日の時の「ミート・ザ・バンド」の模様。

 ひとつはアレ・メッレルの角笛。女性が声でやるところを、男性はこの角笛を使って、山の上の放牧地で連絡をしたり、家畜を集めたりした由。

 しかしこれがアレの手にかかると、立派な楽器として妙なる音楽を奏でてしまいます。

 もう一つは、アレのハーモニカとペール・グドムンドスンのフィドル。ハーモニカはやはりアコーディオンの代わりとして使われていたようです。ブルース・ハープはハーモニカの中の特定の種類を指すそうですが、これはどうかな。


 しかし、まあ、アレはなんでもうまいなあ。最初のソロはワン・マン・バンドで、すべての楽器を一人でやってましたが。


Thanx! > やまだまさん@音楽を聞く仲間の会

 これはすばらしい。

 もうすぐやってくるフリーフォートのリード・シンガー、レーナ・ヴィッレマルクがお得意の牛飼い唱法を披露しているムービー

 前回、一昨年の来日の時、神戸のライヴの前にファンとの交流会「ミート・ザ・バンド」で披露したクゥーラの映像です。

 クゥーラというのは、元々はスカンディナヴィアの山岳地帯で、牛や羊の番をしていた女たちが、その牛や羊を呼びあつめる時にうたったもの。動物とのコミュニケーションだけでなく、牛飼い、羊飼い同士の通信にも使われたらしい。いわばアナログ版のケータイですな。

 今回は東京でも「ミード・ザ・バンド」があります。ワークショップもあるのかな。そのうち、また、こういう方法が必要になるかもしれないし。(ゆ)

 来月来日するノルディック・ルーツ音楽の最高峰、スウェーデンのフリーフォートのライヴ音源が、来日専用サイトに追加されています。

 今回追加されたのは例のとんでもない高音を駆使する牛飼いの唱法〈クゥーラ〉と有名なバラッド〈魔法にかけられた妊婦のバラッド〉の2曲。

 この録音は記録のためにとっておいたライン録りなので、クゥーラの高音が教会堂の高く広い空間に響きわたる様は聞こえませんが、ライヴの感じはよくわかります。

 こういうバラッドを聞くと、レーナ・ヴィッレマルクはフィドルもすばらしいけれど、やはり、シンガーとして得難い存在ですね。


 フリーフォートのライヴ映像は北欧のルーツ音楽映像専用サイトにいくつか上がっています。1999年のものなので、ちょっと古いですが。

〈Agram/Polska efter Roligs Per

〈Forgaves / Polska

〈Tjugmyren

 ECMから出たレーナとアレ・メッレルの「ノルダン」プロジェクトの2枚目、夏をテーマにした《AGRAM》の後です。このプロジェクトのライヴも生で見たいですが、もうやらないのかなあ。


Thanx! > やまだまさん@音楽を聴く仲間の会

 今年のクロップレディ・フェスティヴァルでは、フェアポート・コンヴェンションのオリジナル・ラインナップによる《LIEGE AND LIEF》全曲のライヴ演奏が行われたわけですが、その模様をBBCが録音し、現地時間今日10日夜7時からの Mike Harding Show で放送されるそうです。

 番組はネットでもリアルタイムで聞くことができますし、以後1週間、BBCのサイトの "Listen Again" のコーナーで聞くことができます。

 なお、ライヴで亡きサンディ・デニーの代役を務めたのはクリス・ホワイルでした。


 今月10日(日)現地時間19:30 (日本時間翌日02:30)から、フリーフォートラジオ放送があるそうです。今年02/24の Umefolk 07 でのライヴ。

 画面右上のスピーカーマークをクリック。放送後、しばらく(1週間?)は聴くことが可能の由。

 なお「サイトに掲載されている写真は2005年に神戸ジーベックでYO−RIさんが撮影したもの」だそうな。


Thanx! > やまださん@音楽を聴く仲間の会

 かつて東京・渋谷のロック喫茶「ブラックホーク」を根城にした「ブリティッシュ・トラッド愛好会」の創設メンバーで、わが国有数のハイランド・パイパーであり、特に「ピブロック」については第一人者でもある森能文さんが、その愛好会結成以前の「ブラックホーク」での「トラッド」体験について、ブログと掲示板を始められています。

ブログ「パイパー森・My Roots Music
経過について
専用掲示板


 この時期はわが国にブリテンのルーツ/フォーク・ミュージックが紹介され初めた頃で、「ブラックホーク」の「お皿回し」だった故松平維秋氏がその仕掛け人だったわけですが、かれの仕掛けに応えて、これを支えたのが森さんなどの少数の熱心なファンでした。それが本国での盛上りに感応する形で1977年の「愛好会」結成として実を結びます。そのあたりのことやそれ以前のわが国での「トラッド」をめぐる状況、ご本人の思い入れなどが、語られています。

 その頃はミュージシャンの来日など考えられもせず、一にも二にもレコードを聞くことしかできませんでしたから、ブログも当然、様々なレコードを中心に書かれています。

 English World Music を標榜するイングランドのビッグ・バンド Bellowhead の MySpace に〈Fire Marengo〉のライヴ録音があがっています。この曲、シー・シャンティ(帆船上での作業のための仕事唄)なんですが、実にファンキィなアレンジ。われかがシカラムータに強力なシンガーがいて、列島の伝統歌をやったらこうなるか。あるいは沖縄のサルサ・バンド、Kachimba 1551 が一番近いか。

 同じ録音はかれらの公式サイトを開いても自動的に始まります。こちらの方が音が良いかも。

 あー、ライヴが見たい。

 ダーヴィッシュがアイルランド代表として出場するユーロヴィジョン・ソング・コンテストの本選が05/12にヘルシンキでおこなわれます。

 エントリー用の歌はRTEテレビの特別番組での視聴者による投票で〈They can't stop the spring〉と決まっています。この番組の模様やエントリー用のプロモ・ビデオが YouTube にいくつもあがっています。"Dervish" で検索するとどどどっと出てきます。エントリー用のビデオはユーロヴィジョン・コンテストの公式サイトでも見られます。

 残念ながら日本からは投票できませんが、ヨーロッパの参加国におられる方は、ぜひ、本選での投票をとダーヴィッシュも呼びかけています。なお、アイルランドに住んでいると、アイルランドのエントリーには投票できません。アイルランド国外でなおかつユーロヴィジョン・ソング・コンテストの参加国にいる方が投票できます。

 かつてはアイルランドがこのコンテストで何度も優勝をさらっていたのに、ここ数年、成績が悪いために起死回生の切り札としてダーヴィッシュが代表に選ばれたわけですが、まあ、どちらにしても、ダーヴィッシュとしてはこれ以上はないパプリシティにはなっていることを祈ります。

 EMIが楽曲の音楽配信からコピー防止技術をはずしたそうです。アップルのスティーヴ・ジョブズが各レコード会社は音楽配信から DMR をはずすべきだと訴えたのに、最初に応えたのはEMIでありました。最後まで抵抗するのがソニーかな。


後刻
 まだオマケがありました。この配信は 256kbps の高音質 AAC ファイルで行われるそうです。

 今 iTune Store で販売されているのは 128 kpbs ですから、単純に考えれば2倍の情報量になります。iTunes でカスタムで指定できるのは最高 320kbps で、256kbps はそのひとつ下のランク。例えばFMトランスミッターでカーステに飛ばして聞くケースのように、128 ではまだ音質に不満がある場合もありますが、256 ならば文句の無いところでしょう。むろん、あくまで音質を追求するするなら話は別ですが(^_-)。

 販売価格もその分高くなりますが、20セントのアップなら、リーズナブルだと思います。これでビートルズが出るんなら、ひととおり揃えてもいいなあ。今は亡きミホール・オ・ドーナルも大好きで、その音楽の基礎になっているビートルズですし。でも日本ではどうなりますか。いまでも1曲200円で割高感がありますからね。250円とかだとためらうな。アルバム1枚2,000円ならどうだろう。1,800円なら即買い。

 今年の Celtic Connections ステージの録画が、BBCスコットランドのサイトで見られます。現地時間金曜日に放送したハイライト番組のリプレイ。1週間、見られます。

 グラミーを受賞した The Kleamatics with Susan McKeown はじめ、カリン・ポルワート、ディック・ゴーハン、クラナド、シューグルニフティ、テヘドールなどのライヴです。


 もう一つ。昨日の日本アイルランド外交関係樹立50周年記念の東京タワーのライトアップの写真と記事が今朝の毎日新聞に掲載されていました。ネットでも見られます

 風が強くて、結構寒かったんですが、人出はかなりありました。コンテストがあるので、写真を撮っている人も多かったです。
 サーチライトは案外小さくて、一台ごとの光がそれだけ強力なんでしょうか。光を緑に変えるのは、単純に緑色のシートをかぶせてあるだけでした。

 大阪のアイリッシュ・パブ「マーフィーズ」(確か日本最古のアイリッシュ・パブ)出身の、アイリッシュ・パンク・バンド Clovers の〈The Irish Rover〉が、今日から1週間の期間限定で、 iTunes Store からフリー・ダウンロードできます。ダウンロードするには  iTS のアカウントが必要です。

 演奏は、まあ、「まんま」です(^_-)。しかし、ここまで「そっくり」だと、かえって興味がわいてきます。ちょいとアルバムも聞いてみます。

 どこかで聞いた名前だと思ったら、ドロップキック・マーフィーズやグリーンランド・ホエールフィッシャーズの前座を務めたり、共演したりしていました。

 もし聞いたことがないなら、ポーグスがダブリナーズと共演した版も聞いてみてください。(ゆ)

が立ちあがり、ブログが始まっています。

 これは今回の問題そのものについての議論は別にして、

「企業に比べて経済面で圧倒的に脆弱なフリージャーナリストを、主旨に賛同する方々からのカンパによってバックアップすることを第一の目的としています(つまり、「フェアな勝負」を可能にする土俵を経済面から整えることが目的」

としているそうです。

 将来的には、同じような状況にさらされた個人を経済的に支援する活動に発展する可能性もあるとのこと。

 編集部もこの趣旨には全面的に賛成です。ぜひ、ご一読を。(ゆ)


 オーディオ・メーカーとして有名なスコットランドのリンの子会社で、ロバート・バーンズ作品の全曲録音を出しているリン・レコードが、CDより高音質の Studio Master ファイルのダウンロード販売を始めています。

 今のところクラシックのみですが、例のバーンズ全曲集もいずれこの形で出るかもしれません。

 この Sutido Master のファイル(WMA)は、例えばヘンデルの《メサイア》ではCDクオリティ・ファイルの4倍近いサイズ。値段もSACDより高い。サイトで試聴もできます。高性能ヘッドフォンで聞くと、違いは明らかです。

 高音質ファイルのダウンロード販売は ONKYO がすでにやっていますが、これから増えるだろうと期待してます。

 スコットランドのマルチ・インストルメンタリスト、Phamie Gow のスペイン、サラゴサでのライヴの動画が、本人の公式サイトに上がっています。

 メインはハープですが、ピアノ、ロゥホィッスル、さらには蛇腹まで達者です。この人のハープも一風変わっていて、その指遣いがはっきり見えるのは貴重かも。

 彼女はスペインで人気があり、頻繁にライヴをしています。ここに見られるとおり、スペイン語もうまいものです。スペイン語ができたから人気が出たのか、何度も行っているうちにうまくなったのかはわかりません。

 ただ、スペインではスコットランドやアイルランドの音楽はかなり人気があります。フィドルのアラスデア・フレイザーには自身のバンド Skyedance を率い、カルロス・ヌニェスをはじめ地元のミュージシャンもゲストにしたライヴ・アルバムもありますし、ダーヴィッシュの《ライヴ・イン・パルマ》もスペインと言えなくもない(^_-)。

 フェイミー・ゴウのムービーにもどれば、1曲をじっくり聞かせるのではなく、クリップをつなぎ合わせたものですが、9分の中で彼女の多才な面を見せようという意図は一応成功しています。

 加えて、ギター、ベース、ドラムスのこのバック・バンドがすばらしく、こういうリズム・セクションはスコットランドではちょっと得難い。これから出る新作はピアノ・ソロのはずですが、その次はぜひ、このメンバーで録音して欲しい。

 あけましておめでとうございます。

 今年ものんびりと、急がず休まずでやってゆきたいと思います。
 よろしくおつきあいのほどをおねがいいたします。

 今年の海外からのミュージシャンとしては、まず2月初旬にハウゴー&ホイロップカトリオナ&クリスが来ます。5月にグローニャ・ハンブリー、6月におそらく最後となるだろうチーフテンズ、秋にショーン・ライアン一家、11月にはヴェーセンフリーフォートがそろい踏み、そしてもちろん年末には「ケルティック・クリスマス」があります。

 これだけでももう眼がまわりそうですが、他にもまだこれから発表になるイベントもいくつもあるはずです。昨年鮮烈な印象を残した『ラグース』の再来日も期待されます。

 国内での音楽活動も近年ますます活発です。今年もたくさんの人たちが、各々にすばらしい音楽を聞かせてくれると期待します。われわれもできるかぎり、フォローしていきたいと思っています。どしどし情報をお寄せください。

 昨年は YouTube をきっかけに、動画がネットでブレイクしました。MySpace 日本版も始まり、ネット環境も大きく動こうとしているようです。メルマガという形式もそろそろ次を考える時期かとも思いますが、文字情報の役割はまだまだあるとも思われるので、もうしばらく続けるつもりです。

 とりあえず、マイスペースに登録しました。

 それにしても一日の時間配分がますます難しい。いったいいつ食べたり、眠ったりすればよいのだ。

 今年が皆さまにとって実り多い年でありますように。(ゆ)

 デンマークのフォーク&ルーツ音楽を代表するミュージシャン12組がライヴを行い、ネットでストリーミング放送するとともに、後日、自由にダウンロードできるようになるそうです。仕掛けたのはデンマークを代表するレーベルの GO' Danish Folk Music

 サイトはこちら

 ライヴのネット中継、ネット配信はあたりまえですが、ネットでの中継、配信を前提に、そのためにわざわざライヴをするのは初めてではないでしょうか。少なくともフォーク&ルーツ音楽シーンではこれまで聞いたことがありません。

 ライヴが行われるのは現地時間の今月26日から29日の4日間。連日3組ずつ、計12組。会場はユトランド半島東部の港街フレゼレシャにある ‘Bruunske Pakhus’(サイトはこちら。ただし、当然デンマーク語です。英語ページは見つからず)。ライヴそのものも無料だそうですが、上記の会場に予約が必要。デンマークおよびその付近在住、またはその頃にあちらにいらっしゃる方はトライされてはいかがでしょう。

 また、毎日ライヴの前に、様々なテーマでの講演もあるそうです。

 ライヴそのものはいずれも現地時間(グリニッジ標準時+1時間)の19:00から23:00まで。
 各ミュージシャンのサイトへのリンクは上記公式サイトにあります。

11/26
TRIO MIO
EIVOR
PHONIX

11/27
SUSSIE NIELSEN BAND
ZAR
INSTINKT

11/28
KASI/R
TUMULT
HENRIK JANSBERG BAND

11/29
HAUGAARD & HOIRUP
SERRAS
AFENGINN

 ぼくは半分ほどしか聞いたことがありませんが、それから判断するかぎり、どれも一級のミュージシャンばかりです。Kasi/r のよう生だ10代の若手から、ハウゴー&ホイロップまで、世代もスタイルもジャンルの幅も広い。ハウホイだけが飛びぬけているわけでもなく、デンマーク音楽の層の厚さ、今のシーンの活況がわかります。このイベントはおそらく自体を画するものになるはず。

 なかなかデンマークにまで来られない世界中の人びとに、デンマーク音楽のすばらしさを伝えたいという熱意には感服します。

 ピーター・バラカンさんのラジオ番組として人気があった "Barakan Beat" がネット・ラジオとして復活するそうです。

 新しく出来たソーシャル・ネットワーク・サイトの otonamazu.com の一部として出発するネット・ラジオ局。

 将来的にはオン・デマンド式で聞けるようにする計画ですが、当面は毎週日曜日の午後1時から1時間。おそらく平日の再放送もあり。喋りは英語。選曲はバラカンさんの自由だそうなので、これまで以上におもしろくなると期待できます。ただし、著作権の関係から、インディーズ以外の日本の音楽はまだ流せない由。ほんと、日本のレコード業界のケツの穴の狭さは、自分で自分の首を絞めてますな。

 リクエストもよろしくとのことです。

 本日、今月の通常号を配信しました。

 昨夜は結局1時近くまで、ライダー・カップ開会式の中継を最後まで見てしまいました。

 日本からは誰も参加できないので何にも報道されませんが、ライダー・カップは世界のゴルフ界ではサッカーのワールド・カップやオリンピックに匹敵する大イベントらしい。ヨットのアメリカズ・カップに似てますね。

 2年に一度、アメリカとヨーロッパで交互に開催、双方12名ずつの代表が2人一組になってマッチ・プレーを3日間行い、勝敗を競うもの。勝った方にはライダーという人が寄贈した黄金のカップが与えられます。アメリカ側では全米各地を回ってますが、ヨーロッパ側ではほとんどイングランドで開かれ、スコットランドが1、2度あるだけ。通算36回めの今年初めてブリテン島以外で開かれる、というんで、アイルランドとしては国を挙げて準備をしたそうです。開会式にはメアリ・マカリース大統領も出席して歓迎の挨拶をしていました。

 このカップの代表に選ばれることは大西洋両側のゴルフ選手にとってはたいへんな名誉でもあり、また実力の証でもあるそうな。アメリカ側でタイガー・ウッズ(出場選手中、ぼくでも名前を知っていた唯一の存在)が、がちがちに緊張していた様子なのが印象的でした。ここ2回連続してヨーロッパ側が勝っていて、今年はカップ奪還のプレッシャーが強いのかもしれません。ウッズは初日最初の組で回るトップ・バッターにも指名されてました。

 ヨーロッパ側はUK、スペイン、スウェーデンなどからの代表で、アイルランド選手も3人ほどいるらしく、名前が呼ばれると大歓声があがってました。マカリース大統領が挨拶で、人口当たりのゴルフ・コースの数では世界一とか言っていたような。ヨーロッパ側のキャプテンは小柄なウェールズ人で、大会史上3人目のウェールズ人キャプテンであることを誇りに思うと言っていました。

 参加各国の国旗掲揚ではEUの旗も掲げられてましたが、その時演奏された「国歌」がベートーヴェンの〈歓喜の歌〉でした。国旗を揚げたのは陸軍士官学校の生徒たちということでしたが、この時の号令がアイルランド語だったのは、当然とは言えちょっと感激。

 で、肝心のドーナルたちですが、ステージに出ずっぱりで、司会が出てくる前から演奏がもう始まっていて、それもいかにもドーナルらしい曲。主催者側としては「音楽の国」を強調したいようで、開会式冒頭にわざわざ今日の音楽の作曲はドーナル・ラニー、我が国最高のミュージシャンの一人、と紹介されてました。

 音楽関係のメインのアトラクションは前半に集中していて、四つあったと思います。最初がこの開会式のためにドーナルが作ったメイン・テーマ、次がリアム・オ・フリンによるイルン・パイプ演奏、カーラ・ディロンとイアルラ・オリオナードによる〈Gillie Mor〉、最後がカルロス・ヌニェス。舞台をさらっていったのは例によってカルロスで、観客も手拍子でノッテいました。

 カーラは妊娠6ヶ月ぐらいのはずで、さすがにそう思って見るとお腹はふくらんでました。それでもかわいい(^_-)。オリオナードは髪を短くしていて、そうなると冴えないおっさん。

 バンド・メンバーはナリグ・ケイシーとマーティン・オコナー、グレアム・ヘンダースンはわかったんですが、ギターが誰だかわからず。パーカッションも見えませんでした。カルロスの時に大太鼓を叩いていた一人はシュルシャのような気がします。

 その他ストリングス隊とクラシックの混声合唱隊、ブラス・セクションで、総勢なんだかんだで100人近くいたんじゃないでしょうか。ストリングスと合唱は別に指揮者がいました。カルロスの時には大太鼓が二人にバゥロンが十名近く、加わってました。

 ドーナルは中央で、だいたいは立ってブズーキを弾いてました。リアム・オ・フリンの時には傍らに座ってギター伴奏。

 アトラクションとしてはこの他に、名前を忘れたモダン・ダンスのカンパニーによる「ケルズの書」を表現したダンス・パフォーマンス。これも総勢数十名、吊りも含むかなりの大仕掛けで、なかなか見せました。伴奏はドーナルたちがやっていたようですが、映らないのではっきりわからず。

 このダンサーたちは有名なカンパニーらしい。「リヴァーダンス」系が出てこなかったのは、ま、ひとつの見識ではありましょう。

 後半は関係者の挨拶、選手の紹介と続いて、ドーナルたちステージ上のミュージシャンはほとんど出番なし。最後に代表選手がステージ中央の傾斜路を降りてグリーンに出るという趣向のところでまた演奏が始まり、そのまま閉会。この時も先ほどのカンパニーのメンバーらしい連中が、ステージ上と客席でパフォーマンスをしていました。司会者は「ゴルフ・パーティー」と呼んでました。

 それにしてもドーナルたちバンドやブラス・セクションはまるで普段着の格好なのは、わざとやっているのか。今度会ったら聞いてみたくなりました。さすがにTシャツやスウエット姿は無かったですが。ナリグだけはロングのドレス姿。ストリングスと合唱隊はもちろん正装。

 というわけで全部でほぼ1時間。世界でゴルフとアイリッシュ・ミュージックと両方に関心がある人がどれくらいいるのかと思ったりもしました。ゴルフにしか興味のない人は、なんであんなに音楽が使われているのか、と疑問に感じたかもしれません。

 どなたか、録画しておられる方がおられれば、編集部までご一報ください。(ゆ)

  アイルランドでゴルフの世界的大会のひとつライダー・カップが明日開かれますが、その開会式でカーラ・ディロンとイアラ・オ・リオナードがデュエットするそうです。

 という記事を見て思いだしましたが、これは沖縄で会った時ドーナルが関わっていると言っていた国家的プロジェクトなのでした。この大会はトップ・クラスのゴルファーだけでなく、欧米各国の首脳クラスも列席し、テレビ中継は全世界で十億人が見るというモンスター・イベント。当然アイルランドは国を挙げて準備してきました。

 その一環が開会式での音楽演奏。二人はアイルランド語でうたうそうで、バックはドーナル・ラニー以下、マーティン・オコナー、ナリグ・ケイシー、マイケル・マクゴールドリック等々23人のビッグ・バンド。何でも予算はたっぷりあって、この際だからと好き放題なメンバーを集めたが、国が絡むこととてあちこちに気を使わねばならず、それがたいへんなと言っていたような。

 仕掛けが大きいのと失敗が許されないので、実際のバック演奏は録音すると言っていたと思いますが、どうなんでしょうか。

 ケーブルTVのゴルフ・チャンネルでは今日の夜23:30から2時間、開会式の模様を完全生中継する予定。スカパーでは286チャンネル。スカパー110では260チャンネル。
 (ウチのビデオ・デッキは故障中。どなたか、録画してください!)


 なお、カーラ・ディロンはその後、10月21日に、改修なったベルファストのオペラ・ハウスのこけら落としでも歌う由。
 また公式サイトによると、来年早々に双子が産まれる予定。しばらくライヴはお預けなので、見られるうちにどうぞ、とのことであります。

 ご存知、YouTube でアルタン他ドニゴール関係のビデオが上がっています。

 アイルランドのアイルランド語の放送局 TG4 の番組。6、7年前らしい。

 今年亡くなられたマレードのお父上フランシーさんやアルタンの演奏が見られます。

 ちなみに TG4 の局長はマイレット・ニ・ゴゥナルの旦那。今でもそうかは確認してませんが(^_-)。


Thanx! > 熊谷さん@京都

 トラックバックをいただいたナゴヤハローさんのブログから、「不条理音盤委員会――似非ロマンティック劇場」のブログを経て、「トラッド・バトン」をいただいてみました。

 なお、これは編集部の中でも(ゆ)が書いてます。
 一応話をブリテン&アイルランドに限ってます。大陸を入れると収拾がつかなくなるので(^_-)。あくまでもぼくにとっての「トラッド」です。古いものが多いのは、やはり聞き始めの頃の印象が強いためでしょう。

 しかし、久しぶりに想いのたけをぶちまけた気分。



Q1)トラッドとの出会い
 トラフィック《ジョン・バーリコーン・マスト・ダイ》の中の〈ジョン・バーリコーン〉。最高のバラッド解釈の一つと今でも思う。

Q2)思い入れの深いバンド or アーティスト
スーザン・マッキュオン
ディック・ゴーハン
ニック・ジョーンズ
ヴィン・ガーバット
デイヴ・バーランド
スティーヴ・ターナー
アンディ・アーヴァイン
ドーナル・ラニー
フランク・ハート
スタン・ロジャース
ジューン・テイバー
ドロレス・ケーン
クリスティ・ムーア
ショウ・オヴ・ハンズ
ダギー・マクリーン
バート・ヤンシュ

Q3)思い入れの深い作品 or 曲
Dick Gaughan NO MORE FOREVER
Vin Garbutt THE VALLEY OF TEAS
Dave Burland YOU CAN'T FOOL THE FAT MAN
Archie Fisher WILL YE GANG, LOVE
Maddy Prior & June Tabor SILLY SISTERS
Fairport Convention LIVE AT LA TROUBADOUR
Andy Irvine & Davy Spillane EAST WIND
THE WOODS BAND
Dolores Keane & John Faulkner BROKEN HEARTED I'LL WANDER
PAUL BRADY ANDY IRVINE
Jack the Lad THE OLD STRAIGHT TRACK
Christy Moore WHATEVER TICKLED YOUR FANCY
Dougie McLean THE BUTTERSTONE
Nic Jones PENGUIN EGGS
Jerry Read Smith THE STRAYAWAY CHILD
Stan Rogers BETWEEN THE BREAKS...LIVE!
The Albion Country Band BATTLE OF THE FIELD
Chris Foster ALL THINGS IN COMMON
Sandy Denny THE NORTH STAR GRASSMAN & THE RAVENS

Q4)ネットでの情報をきっかけに知り、気に入ったバンドor作品
 思いつかない。

Q5)最近よく聴くバンド or 作品
Show of Hands WITNESS
Susan McKeown BLACKTHORN
Butter Dogs SKY

Q6)最近行ったトラッド系コンサート
 『ラグース』

Q7)最も印象深かったトラッド系コンサート
 ドーナル・ラニィ・バンド最初の来日。
 佐渡の「アース・セレブレイション」での来日で、リアム・オ・メーンリ、モイア・ブレナン、シャロン・シャノンがゲスト。ナリグ・ケイシー、レイ・フィン、ロイ・ドッズ、グレアム・ヘンダースン等々のメンバー。

Q8)最初聴いた時は駄目だったが、改めて聴いたら良かったバンド or 作品
 ペンタングル

Q9)トラッドと言ったらどこの国?
 スコットランド

Q10)トラッド初心者にまず聴かせたい作品
Maire/ad Ni/ Mhaonaigh & Frankie Kennedy CEOL ADUAIDH(北の調べ)
Cordelia's Dad COMET
NORMA WATERSON
Brendan Power PLAYS MUSIC FROM RIVERDANCE
Fernhill WHILIA
Dave Swarbrick & Simon Nicol CLOSE TO THE WIND
 (現在は CLOSE TO THE WHITE BEAR としてCD化)
Dick Gaughan HANDFUL OF EARTH
The Bushwackers Band THE DANCE ALBUM
Catherine-Ann McPhee I SEE WINTER
The Chieftains LIVE!

Q11)あなたにとってのトラッド
 食べもの。


 今週末、アメリカ・オハイオ州のあるFM放送局で、ミホール・オ・ドーナル Michael O Dhomhnaill を追悼し、かれが参加した録音をかけまくる番組があるそうです。


 番組名は "Sweeney Astray" で、時間は現地時間土曜日の 11:30 から 13:30 EST (USA)。放送後1週間はアーカイヴされるので、好きな時に聞ける他、ダウンロードしてCDに焼くこともできる由。


 はっきり聞いたことはありませんでしたが、ミホールには子どもはいなかったようで、遺族はトゥリーナ、マイレートの妹二人とカラムという弟さん。お兄さんがいたはずですが、ニュースでは出てこないので、亡くなっているのでしょう。

 しかし、まだ立ちなおれません。デレク・ベルが亡くなった時以来のショック。うーん、これまでで最大のショックかも。というより、どういうことなのか、まだよくわかりません。録音を聞くのがこわい。

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